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犬神

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第二章

「よし、それじゃあな」
「あの娘達にだね」
「そっちに行ってもらうな」
「ああ、それじゃあね」
「三人共行かせるな」
「それじゃあな」
 こうしてだった、進次郎は姪達を受け入れることにした。そしてこの電話でのやり取りから二日後にだった。
 三人の娘達が来てだ、進次郎達に挨拶をした。
「お邪魔します」
「宜しくお願いしますね」
「大阪にいる間頼むね」
 楚々とした大きな目と細面で黒髪を左右で三つ編みにしている長女の静流、黒髪をポニーテールにしている次女の陽向、肩までの髪の毛を薄茶色に脱色している愛の三人だった。三人共発育がよく胸がかなり大きい。
 その三人が家に入って来てだ、進次郎は笑顔で言った。
「三人共くつろいで楽しんでね」
「家事はお任せ下さい」
「お父さんからも言われてるしね」
「まあそっちはやらせてもらうから」
「うん、ただ愛ちゃん髪の毛は」
 進次郎は末っ娘の彼女の髪の毛と今の服装を見て言った。
「染めたんだ」
「似合う?」
「最初誰かって思ったよ」 
 こう言うのだった。
「本当に」
「うちの高校別にね」
「髪の毛染めててもいいんだ」
「そうなの」
「あれっ、三人共同じ学校で」
 通っている高校はとだ、進次郎はこのことから話した。
「高知じゃ進学校だったんじゃ」
「はい、公立の」
 静流が進次郎に答えた。
「そうです」
「校則自由なんだ」
「そうなの、だからお父さんにどの教科もいつも八十点以上取ることが条件でね」
 今度は愛が言ってきた。
「髪の毛脱色許してもらったの」
「そうだったんだ」
「一年で脱色している娘多いしね」
「それであたしはね」
 今度は陽向が言ってきた。
「水泳も頑張ってるから」
「陽向ちゃんは相変わらずだね」
「勉強とね」
 進学校だけにそちらもとだ、陽向は叔父に明るい笑顔で話した。
「頑張ってるよ」
「それは何よりだよ」
「あと私ですが」
 静流がまた進次郎に言ってきた。
「こっちの大学に進学しようって思ってます」
「大学は何処かな」
「八条大学の法学部です」
「えっ、あそこ凄いよ」
 静流の志望大学を聞いてだ、進次郎は思わず言った。
「あの大学で偏差値ぶち抜いて高いから」
「はい、ですが先生に大丈夫と言われまして」
「それでなんだ」
「受けさせてもらうつもりです」
「そうなんだ」
「その時は寮に入ります」
 大学の方のというのだ。
「通うことになれば」
「そうなんだね」
「今は叔父さんの家にお邪魔させてもらいますが」
「本当に家事は任せてね」
 陽向はまた明るく言ってきた。
「あたし達出来るから」
「家事をだね」
「うん、だからね」
「これでもお料理とかお洗濯もいつもしてるし」
 愛も言ってきたが彼女はやや不機嫌そうだ。
「安心してね」
「本当にそんなのいいわよ」
 進次郎の妻は家事をするという三人に笑って返した。 
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