【アンコもどき小説】やる夫は叢雲と共に過剰戦力で宇宙戦艦ヤマトの旅路を支援するようです
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天王星会談
前書き
シルガル代表がフォース持ちだった事から生まれた話。
基本レジェンズ設定。
ユリーシャの記憶回復具合 8 100で完全回復
「申し訳ございません。
残念ながら……」
地球の最高医療施設においてユリーシャの記憶回復の治療が行われていたが、残念ながらその治療は進んでは居なかった。
シェヘラザードが残っており、その情報から自分が何者で何をしに来たか等日常生活には支障はないが、記憶がない事から来る不安からか表情は曇っている。
シャングリラのモニター越しにそれを見ていた俺たちだが、声がかけられたのはそんな時だった。
「失礼ですが、その治療私にもさせて頂けないでしょうか?
少しですが、私には癒やしの力があります」
そう言ってきたのは、モン・カラマリのシルガル代表である。
嫌な予感がする。
スターウォーズにおけるその手の力というのはフォースにきまっている訳で……
「その代りに、お願いがあります。
シャングリラ総領事。
あなた方の代表にお会いしたい」
シルガル代表のフォース感知度 13
フォース隠蔽度 81
「ねぇ。
向こうにフォースバレてない?」
「隠蔽は完璧のはずだ。
とはいえ、こっちを大提督だろうとあたりをつけているんだろうな。
ブローグの仲介が会ったとは言え、そのあたりの不信感が消えている訳でもないし」
「いいだろう。
天王星のブローグの総領事館で会談を行うように地球とブローグ側に伝えてくれ」
シルガル代表のフォースヒーリング 63+8=71 100で完全回復
科学技術でどうにもならなかったユリーシャの記憶が、シルガル代表のフォースヒーリングで日常生活の記憶まで回復して地球の科学者達が唖然としたのは言うまでもない。
それに付随してフォースをなんとしても科学的に解析しようと躍起になった男が一人燃えていたこともついでに書いておこう。
俺の友人たる真田志郎なんだが。
モン・カラマリの国家規模 4 地球連邦の規模を1とする
天王星における放浪者艦隊とモン・カラマリの会見だが、元は同じ銀河で敵対していた勢力同士の手打ちとしてそこそこ注目されるニュースとなっていた。
今後行われるバラン星での決戦に向けての味方陣営の強化という意味合いで、地球側もブローグ側も、オブザーバーとしてボラー連邦もその動向に注目せざるを得なかったのである。
この銀河におけるモン・カラマリ人自体は数万人に過ぎない。
エンドアの戦いの後、クローンで復活した皇帝パルパティーンは同盟軍の支持母体の中核になっていた惑星カラマリを攻撃。
その戦いの最中避難する途中でワープ事故で流れ着いた二隻がブローグに保護された所から始まる。
高い技術力と交易で生計を立てていた彼らはブローグの中で勢力を伸ばし、ブローグ辺境部の惑星を開拓して独立したのである。
ブローグは安全保障条約と交易協定及び移民協定でこの独立を支援した。
自分たちの容姿が嫌われている事を知っていたからで、来るもの拒まず去る者追わず、敵対するもの容赦せずがブローグの国是になっている。
モン・カラマリはそんなブローグに馴染めない連中がまとめて移民する形になったので、最初から多種族移民国家という形で成立している。
また、モン・カラマリの政治形態が非常に能率的な代表制政治によって自治を行っていた事もあって、現在この周辺宙域で最も発展著しい星系国家の一つと言えよう。
「ワープアウト確認しました。
MC80スター・クルーザーです」
今や太陽系の玄関口として賑わっている天王星の衛星オベロンの宇宙港にはたくさんの宇宙船が出入りをしているが、現在はその出入りを一時止めてまでこのモンカラマリクルーザーの受け入れをしていた。
なお、彼らの入る港には既に俺たちのインペリアルI級スター・デストロイヤーが錨を下ろしており、双方ともに警戒はしているのが丸わかりである。
オペレーターの御坂さんの声に頷いて俺は叢雲に声をかける。
「じゃあ行くか」
「了解。司令官」
「せっかくだから、大提督と呼んでくれ」
「はいはい。
大提督」
今回の衣装も俺は大提督だが、叢雲は愛宕の服でついて行くらしい。
胸が巨乳になると乳袋衣装が楽というのは彼女の言葉だが、うむ。いいものだ。
それに護衛として鹿角さんと武装メイドが四人で車に乗り込み、ブローグの大使館に。
この前に地球連邦の成立と共に地球とブローグが外交関係を樹立したので、領事館が大使館に格上げされたのである。
シルガル代表が来るまでにホスト役であるKOS-MOS大使と沖田提督で、軽く雑談という名前の腹の探り合いを行う。
「はじめまして。沖田提督。
生身ではこれが最初の会合だと思います」
「……噂は聞いていたが、やはり中身は地球人だったか」
「その話はいろいろありまして。
今は置いて頂けると助かります」
五年間も姿を隠しての支援だったから、放浪者艦隊は機械勢力と見ている人も地球の中にはかなり居たりする。
もちろん、その正体が暴露されたとしても、待っているのは火星を中心に発生する政治的大スキャンダルで、厳重な箝口令が敷かれているはすである。
挨拶の後、会話が始まった。
「そうですか。
沖田提督は地球に帰られるのですか」
「はい。
再編される地球連邦軍の人事異動で、新編される艦隊を率いる事になりそうです。
失礼ですが大使。
バラン星への攻撃は何時頃を考えておられるのか?」
「あくまで作戦は軍本部の方で立てているのでこちらは答えることができません。
ですが、ボラー連邦との協力関係が構築できたことで、膠着している戦線は改善できると考えております」
宇宙の戦はあまりに広く、その戦線維持には宇宙船が必須となる。
ガミラスのワープを使った戦闘機の奇襲に、こちら側は護衛部隊を常に用意しなければならないので、それに消耗してガミラス地球方面軍の残存艦艇の掃討はあまり進んでいなかった。
だが、ボラー連邦がこれに加わるとなると話が変わってくる。
「ボラー連邦の協力はありがたいが、ガミラスを追い払ったらボラー連邦が攻めてきたとなんてオチは御免なんだが。
そのあたりはどうなっているんだ?」
俺の質問に沖田提督が顔を強張らせるが、KOS-MOS大使の顔は変わらない。
仮にも地球より先に恒星系国家を作っていた彼らはある程度そのあたりの解決策を用意していたのだろう。
「ボラー連邦の正面は我がブローグ・コモナリティがあるので、今の所は我が国の友好国という形で説明がなされているはずです。
我々としても、この関係でボラー連邦が納得し続けるかどうか分からない所があるので、一度きちんと外交関係の整理を行いたい所なのですがいかがでしょう?」
この台詞は太陽系を中心にまとまった地球連邦では無く、俺たち放浪者艦隊に向けられている。
国家格ではあるが、地球やモン・カラマリと違ってあくまで勢力という形で宙に浮いていたのが俺たちの立場だった。
「一応独立の方向で考えています。
既に、バーナード星系に新拠点の整備を始めており、現在の地球との協定が切れた場合そこで新国家の樹立を宣言しようかと」
俺の発言に沖田提督の髭が揺れる。
モン・カラマリとの会談の仲介をブローグがするのも、俺達の外交関係の整理の一環というのがある。
ボラー連邦という強力すぎる味方が出来た現在、ブローグは万一に備えて己の勢力を固める事でボラー連邦からの攻撃に備えようとしていた。
「本国から対ガミラス同盟『銀河安全保障条約』の準加盟を提案させいていただきます。
我が国を中心とした対ガミラス同盟で、地球連邦とモン・カラマリが正式加盟、ボラー連邦が準加盟と言う形で名前を連ねています」
「了解しました。
その話お受けいたしましょう。
正式な書類は後で」
とりあえず、ブローグを正面にしての対ガミラス同盟で、うちはブローグの友好勢力という形でボラー連邦には説明できるという訳だ。
ボラーの政治形態が、共産主義独裁に近いから、対ガミラス戦の後で確実に揉めると分かっての一手である。
また、俺たちと地球連邦の摩擦も知っているから、その解決は当時者に任せてボラーが口出しをしないようにという配慮でもある。
「失礼します。
モン・カラマリのシルガル代表が到着なさいました」
扉が開いて、ブローグのクローンドロイド人がシルガル代表を中に通す。
己の外的容姿が嫌悪感を与えることを知っていたブローグ人は、俺たちが提供したドロイド技術とクローン技術を使って容姿変貌をする事がブームメントになっており、地球人が好む独特な姿を見た俺は思わずこう呟いてしまい、それが彼らブローグ新人類をさす言葉になってしまっていた。
『アーヴ』と。
「はじめまして。大総督。
ここでは互いの立場を忘れて協力する事をお願いします」
「はじめまして。代表。
ですが、一つ訂正を。
この服は着ていますが、私は帝国の人間ではないのですよ」
そして俺は叢雲が用意したデータを提示する。
全部でっちあげだが、その情報には時差があった。
「ヤヴィンの戦いの時に4隻が就航し、複数隻が建造していたというけど、これはその一隻という訳ね。
エンドアの戦いで帝国軍が分裂した時に、建造中のこの船を未知領域に逃がそうとしてワープ事故で……という訳ですか」
「同じ経緯でこちらにやってきた代表には心より同情いたします。
とはいえ、帝国の遺産を使っているだけで、我々は貴方方と争う理由は無い。
今は対ガミラスを共に戦う同士でもあります」
「納得はしませんが、否定する理由もありません。
ですが……」
シルガル代表のフォース感知度 60
フォース隠蔽度 60
シルガル代表が俺をじっと見つめる。
フォースで探っているのだろうが、多分ごまかすことができたはずだ。
もっとも、そのフォースをまったく使っていないあたりどうとでも言い逃れられるのだが。
「……分かりました。
今は手を取り合って助け合いましょう」
こうして、地球とブローグの仲介による放浪者艦隊とモン・カラマリの会談は無事に終わり、対ガミラス同盟『銀河安全保障条約』の公表と共にバラン星への決戦に向けて邁進する事になる。
「やる夫!」
帰る為に港のゲートを進むと、古代の声が聞こえる。
見ると、懐かしい人が視野に飛び込む。
「やる夫…あの人達は……」
叢雲の声も途切れ途切れで、俺はあの人達がこっちに向かって歩いてくるのを見ているだけ。
ちらりと見ると、鹿角さんが目をそらしていた。
グルだったか。
「やる夫……大きくなったなぁ」
「叢雲さんも綺麗になって。
やる夫がいろいろ迷惑をかけていない?」
少し老いた両親は昔と変わらない声で俺に呼びかけ、俺も叢雲も涙まじりで返事をする事しか出来なかった。
そんな様子を、古代や鹿角さんがただ黙って見ていた。
後書き
アーヴ 『星界の紋章』
多分こいつらは地球を滅ぼさないはず。
証拠写真
https://twitter.com/hokubukyuushuu/status/976728039361884160
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