魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第九十二話
「奏、俺の影に入れるか?」
「出来るぜ」
奏が俺の影に沈んで行った。
『へぇ…中々に居心地がいいな…』
『そいつぁ上々』
地下に降りようとした時…
『ますたー』
『どうした橙?奏が影に入って何かあったか?』
『それはないけど…目が…』
『ん?』
『ますたーの目、吸血鬼の時のままだよ』
『そうか』
「パレード、キャスト」
目の色を、黒に見せるようにする。
「これでいいだろ…」
下に右手を向ける。
飛行術式 キャスト。
「ミスト・ディスパージョン」
足元が分解され、砂となった。
「さて、降りるか…」
そうやって、垂直に研究所を下っていき…
地下七階へ到達した。
「ようバーゼ。作業の進捗は?」
ドアの前で見張りをしていたバーゼに声をかける。
「あのねー、さっきの地震でちょっと危ないって束がいってたよー!」
「そうか」
『俺様のせいだとでも言いたそうだな』
『お前のせいだろ』
じゃぁ、入りますか。
ドアを開け、中に入ると、大きな水槽があり、その中に女の子が浮かんでいた。
「なぁるほど…姉さんそっくりだ…」
水槽の回りのコンソールには、バーゼ以外のFAGが陣取っており、作業をしていた。
「お前ら!撤収だ!」
「撤収!?何故だ!まだ調整は…!」
「迅雷、別の方法を見つけて来た」
とゆーわけで、FAG達を量子格納庫へ収納する。
「『いっ君。何するつもり?』」
と束さんから通信が入った。
「スーサイドマスターと取引しました。
いまは織斑奏ですけどね」
「『言ってる意味がわからないよ!』」
「束さん今どこです?」
「『研究所から西に一キロの所に居るよ』」
「じゃぁそこに行きますね。
では」
ウィンドウを閉じる。
「奏」
照明に照され、長く伸びた影から、奏が出てくる。
「今からマドカを水槽から出す。
そのあと、お前の血をかけろ」
「前払いだ」
「OK」
奏を抱えあげ、首筋を差し出す。
腕の中で、奏が少し大きくなった。
「ぷはっ」
「じゃぁ、やるぞ」
奏を降ろし、水槽へ右手を向ける。
「塵と化せ」
強化ガラスの水槽が消え、中の溶液が足元へ溢れる。
そうして、硬化魔法で固定していたマドカが、中に取り残された。
ゆっくりと、水槽の底におろす。
「奏」
奏がマドカが横たわる側に立ち、自らの腕を引きちぎった。
鮮紅が、マドカに降り注ぐ。
「もういいぞ」
「後払い分も後でな」
「聞いてないぞ」
「言ってねぇし」
ちっ…しょうがねぇ…
量子格納庫から毛布を出し、マドカにかける。
そのまま抱き抱え、飛行術式でホバー移動して部屋を出る。
「パレード、キャスト」
一応見た目を変えておく。
奏が来たと思われる破壊と血飛沫の中を通って、外に出る。
そこは森だった。
「こんな所の地下に作るとは…上空からの発見は困難か…」
上空へ飛び上がり、束さんの下へ向かう。
二分程で視認できる距離になった。
「いっ君!」
「ただいま、束さん」
ふわりと着地する。
「その子がいっ君の妹?」
「うん俺と、姉さんの家族」
「可愛いっ!小さいころのちーちゃんそっくり!」
「うん。姉さんにも早く合わせてあげないとね」
すると束さんの顔が無表情になった。
「いっ君」
「何?」
「ちーちゃんがガチギレしてるよ」
…………………………
「うわぁ…戻りたくねぇ…
マドカ見せたら機嫌治さないかな…」
と思っていると、通信が入った。
「『戻ってこい話は一発殴ってからだ』」
それだけ言って、ブツン!と切れた。
「「………」」
沈黙。
「とりあえず、帰りましょう。束さん」
「わかったよ」
ベルリンの、姉さんの所へ行くと、まず殴られた。
その後に、抱き締められた。
「ただいま姉さん。あと、優勝おめでとう」
「バカ…心配かけるんじゃない…」
「うん…でも、父さん達の事が少しわかった。
明日……いや、きょう話すよ」
そこで、マドカを抱いた束さんが入ってきた。
「ちーちゃん」
「む、束か…その子か?」
「うん。ちーちゃんといっ君の妹」
「名前は?」
と姉さんが言ったので、俺が答える。
「円香。織斑円香。それが、俺達の妹の名前」
姉さんが、俺の抱擁を時解き、束さんに抱えられた円香に近づいた。
円香の頭を撫でる姿は、とても、美しかった。
女性は強く、美しいと、改めて、感じた。
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