相談役毒蛙の日常
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十四日目
「なぁなぁどこいくんだよ?」
「ダイシーカフェって喫茶店だ」
「運任せカフェ?」
「さぁな」
葵と話ながらダイシーカフェへ向かう。
歩いて十分くらいの所に、それはあった。
「居酒屋?」
「いや…一応ドアにカフェって有るが…まぁとにかく入るぞ」
ぎぃぃ…
俺はドアを開けた。
中には…
「いらっしゃい!」
バタン!
直ぐ様ドア閉める。
「どうしたんだ灯俊?」
「なんか…ヤバそうな人がいた…」
なんなんだあの大男は…
「ヤバそう?」
「ああ…筋骨隆々のスキンヘッドでいかにもヤバそうな大男が…」
「ふーん…」
そう言って葵は…
ぎぃぃ…バタン!
「よし、帰ろうぜ灯俊」
「そうだな」
すると突然アニソンが鳴り響いた…と言うか俺のケータイの着メロ…
「もしもし灯俊です」
「『トード?』」
「なんだキリトか…何の用だ?」
「『今お前がいる店の中から掛けてるんだ…恐がらなくていいから入ってこい』」
この中から?
「あのいかにもマフィアですってカンジの大男は?」
「『ここのマスター。そんなに怖くないぞ』」
ふむ…
「なんかあったら細切れにする…リアルでな」
ピ…
通話終了ボタンを押して…
ぎぃぃ…
ドアを開けた。
「お、おい灯俊!」
と葵が袖を引っ張るが…
「大丈夫、なんかあったらあのバカを細切れにするから」
「そういう話じゃぁ…」
店内を見ると…
「ようトード、久しぶり」
「よう英雄、元気だったか?」
中にはキリトが居た。
その後ろ…カウンターには例の大男が凄く暗い空気を纏っていた。
「紹介するよ、コイツはエギル。SAOサバイバーだ」
「ふーん…俺は明日葉灯俊。もしくはカオスブレイブズ団長付き相談役ポイズン・トード」
「アンドリュー・ギルバート・ミズルだ…」
と尚も暗い。
「元気出せよエギル。お前カッコいいって。な?」
とキリトが励ますが…
「あぁ…うん…」
あ、ダメだなコレ…
それと…
「おーい!葵!入ってこいよ!」
「ふぇ!?」
ドアの隙間からこっちを見ている葵を呼ぶ。
「だぁいじょぶだって!」
葵はオドオドしながら入って来た。
「ん?彼女か?」
「いや、幼馴染だ…葵?」
「霧島葵だ。宜しく」
「ああ、宜しく」
ふむ…この男…
「女みたいな面だな」
「人が気にしてる事言うなよ!?」
「姫と並んでたらレズカップルに見えるんじゃね?」
「……………………取り敢えず座れよ」
と言われたのでキリト、俺、葵の順でカウンターに座る。
「あぁ、忘れてた…今日呼び出した用はなんだキリト?」
「あー…その事なんだが…」
と葵を見る。
「彼女はやってるのか?」
何を?とは聞かない。
このタイミングで聞くならVRゲームの事だろう…
「いや、アミュスフィアすら持ってない」
「そうか…」
すると突然アンドリューが口を開いた。
「お嬢ちゃん」
「ひゃっ!?にゃ、にゃに!?」
ぷっ…くくっ…にゃにって…
「今から少しばかり大事な話があるんだ…ちょっと向こうに行っててもらってもいいかい?」
「おい、キリトなんかヤバイ話か?それなら俺も帰らせて貰うぞ」
「いや、そうじゃないが…直接的にヤバイ話じゃぁない」
じゃぁ間接的にヤバイのかよ…
「灯俊?」
葵が俺に尋ねる。
「葵」
「わかった」
そう言って葵は席を立ち、カウンターから一番離れた席に座った。
「お前ら本当に付き合ってないのかよ?」
とキリトに言われた。
「何がだよ?」
「お前とあの子…名前呼びあっただけで分かるとか…」
はぁ…
「そんな話の為に俺を呼んだのか?」
「あぁ…すまんすまん…そうだったな」
「なら…聞かせて貰おうじゃねぇの…
VRゲームの未来についての大事な話とやらを…」
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