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ジオン公国転生記

作者:正博
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最終話 新しい宇宙へ

 ユーリが再び姿を消して2年が過ぎた。
 『ホワイトスター』の司令部では騒ぎが起きていた。

 索敵員「総司令。フォールドでこちらに近づいて来る物があります」
 サスロ「敵艦隊か?」
 索敵員「反応は1つだけなんですが、とてつもなく大きな物体です。デ・フォールドします」
 サスロ「な、何だこのでかいのは」
 索敵員「推定ですが『ホワイトスター』の10倍以上あります」

 その時正面モニターに何か映り出した。

 ???「フフフフ。久しぶりだね。ジオンの諸君・・・・・なんてね。サスロ兄おひさ」
 サスロ「その声はユーリ。ユーリなのか?」
 ユーリ「大正解。どうビックリした、『ホワイトスターZ』」
 サスロ「馬鹿者は変わらずか。ビックリして腰が抜けそうだったわい」
 ユーリ「流石に30年も経つと、人がいっぱいでしょ。こっちに移りなよ」

 そこにギレン帝王が現れた。

 ギレン「馬鹿は再転生しても治らんか。ユーリ」
 ユーリ「ギレン帝王様。ただいま帰参致しました」
 ギレン「やめとけ馬鹿者。ジンマシンが出るわ」
 ユーリ「じゃ止めとく。ギレン兄おひさ」
 ギレン「ユーリ。それはもう使えるのか」
 ユーリ「いつでもOKだよ」
 サスロ「移動するのか?」
 ギレン「流石に狭くなった。国民も広い方が良かろう」

 なんだかんだで1か月、お引越しにかかりました。
 
 サスロ「司令所はどこにある?」
 ユーリ「目の前のでかいタワーがそうだよ。ギレン兄の仮宮殿もこの上にあるからね」
 ギレン「港はどこだ、艦隊を入れねば」
 ユーリ「第10ポートかなー? そこになら全艦隊入るよ」
 サスロ「お前今どれくらい艦艇があると思ってるんだ」
 ユーリ「レウルーラでしょ。駆逐艦にもならないよ。全部入るから安心して」
 ギレン「お前我が軍の主力戦艦だぞ」
 ユーリ「あのね。30年無駄に過ごして無いよ。回れるだけこの宇宙を回って来たんだ。レウルーラはノミだよ。もっと外に出たら分かるよ」
 ギレン「見せろ! お前が見て来た世界を」

 その日『ホワイトスターZ』にいた幹部達を集めて、俺が見て来た世界をペンダントでみんなに転写した。
 全員青ざめた顔をしだした。

 サスロ「ゼントラーディーの要塞級が蟻の様に潰された」
 ギレン「『ホワイトスターZ』よりも巨大な艦が無数に」
 ユーリ「あれね。調べたらあの軍の駆逐艦だったよ。戦艦は太陽系が動いている感じ」
 ギレン「私はまだ幼稚園のお遊びをしていたのか」
 ユーリ「あんなのが銀河系に来たら、通過するだけで終わりだね」

 ギレンはユーリがこれを見て平然としているのに疑問を感じた。

 ギレン「ユーリ。お前まだ何か隠しているな」
 ユーリ「うーん。これを教えちゃうとギレン兄、楽しみが無くなるよ」
 ギレン「いいから見せろ」
 ユーリ「仕方が無いか。俺の空間工廠に行くから。転移」

 ギレン達は薄暗い所に転移させられた。

 ユーリ「ちょっと動くから注意してね」

 それは巨大なゴンドラだった、それが物凄いスピードで上昇していく。

 ユーリ「到着」
 サスロ「ユーリこのでかい筒は何だ」
 ユーリ「戦艦の対空砲の砲身だよ」
 サスロ「お前この大きさでただの対空砲だと全体の大きさが分からん」
 ユーリ「簡単に言うと太陽系の端からアンドロメダの端まで」
 サスロ「だがあの映像の艦隊に1隻ではな」
 ユーリ「1隻? 違うよ1億5千隻作ってる」
 サスロ「1億5千隻!」
 ユーリ「あっ作っているのがだよ。完成品は17億8千隻だよ」

 あれーみんな黙り込んじゃった。

 ユーリ「仕方ないギレン兄。軽巡洋艦だけど200隻いる?」
 ギレン「どれぐらいの大きさだ」
 ユーリ「ガミラスの1番大きい戦艦あれの4倍ぐらい」
 ギレン「寄越せ。ガトランティスとの遊びを終わらせる」
 ユーリ「小型の三段式空母50隻艦載機付きでいる」
 ギレン「艦載機?」
 ユーリ「『ホワイトスター』の3分の1程のゲルググ。今の機体と融合させたら普通に乗れるよ。機体はペンダントで好きに変えていいから」
 ギレン「寄越せ。周辺銀河を制圧する」
 ユーリ「拠点がいるなら言ってね。出すから」
 サスロ「拠点?」
 ユーリ「『ホワイトスターZ』クラス」
 サスロ「まだあるのか」
 ユーリ「だから今のはZでしょAからあるから。『ビックスター』はまだ4割しか出来てないけど」
 ギレン「サスロ。全艦隊を呼び戻せ。入れ替えをする」
 ユーリ「人が足りなくなるから。人造人間100億体用意したよ」
 ギレン「寄越せる物は全て寄越せ」


 ジオンの各方面軍は驚いた、ここまで侵攻しておいて戻って来いと言われた事もだが、戻って来ると『ホワイトスター』が10倍以上に大きくなっている事に。
 そして馬鹿者いやユーリがいた事に全員喜んだ。
 だがユーリから宇宙の情報を転写されると途端にみんな青ざめた。

 ハマーン「ギレンが幼稚園を卒業していないと言うのがよく分かった」
 ドズル「兄貴があれだけの艦を軽巡洋艦と言った事もよく分かった」
 キシリア「ユーリは何て言う物を見て来たんだ」
 ガルマ「あれだけのサイズが駆逐艦もう混乱するだけだ」
 シャア「ユーリ様は30年これらを探りに行かれていたのか」
 ラル「『ホワイトスター』の3分の1サイズのMS楽しみだ」

 それから半年、みんな慣熟訓練が終わった。

 ギレンがユーリに無理を言って重巡洋艦も20隻出させた。
 それぞれの方面艦隊に旗艦として重巡洋艦1隻与え後は均等に分けた。

 それからは押し戻された占領区を簡単に取り返し、破竹の勢いで進撃が始まった。
 何せ今迄レウルーラと互角だった勢力だ、そこへいきなり巨大艦隊が侵攻したのだ、まともに相手になる筈も無く次々降伏してゆく。

 シャアの艦隊もガトランティス艦隊を次々葬り、大マゼランをも占領し始めた。
 ガトランティスの最後の砦ともいうべき彗星要塞都市も1撃で消え去った。
 暗黒星団帝国、三十連太陽星団、色々な帝国、星団国家が占領された。
 最初から降伏を言って来る所もあったが、ユーリの言葉1つで自治権及び領土保障か、政府解体の上占領となる事があった。
 これは人権を守る国家は同盟、人権無視している国家は占領と決めていたのだ。
 しかも貧しい星等は保護下に入るとジオンが全面的に助け、領土の開発等を行い豊かな星にして貰えた。
 ジオン帝国は巨大になり。遂にドズルの方面軍があの映像にあった巨大な星域国家と遭遇した。
 ユーリが完成した『ビックスター』を起動させ、デラーズ、ギニアス、それに新たに他の星で優秀な指揮官を配下に加え連れて応援に行った。
 『ビックスター』名前こそ星だが、大アンドロメダが10個は入る1つの宇宙だった。
 そこでドズル達は本当の戦艦を見たたった4隻だが、巨大過ぎて比較できるものが無かった。
 内部の移動にレウルーラを使わないと動き回れない巨大さだった。
 これを出しただけで、相手は降伏した。

 ユーリが復帰して1年で宇宙が統一された。

 ギレン帝王は退屈になった。
 ユーリの言った通りになり、そしてギレンは何も出来なかった、ユーリが全てを終わらせた。
 これは最初は自分の戦争だったが、途中からユーリの戦争となった。
 ギレンはそう言えばここ最近ユーリを見かけていないのに気が付いた。
 またなにか玩具でも作っているのだろうと思い、ユーリの空間工廠に転移した。
 
 中はがらんとしていた、戦争が全て終わり戦闘艦を作る必要が無くなったから。
 だが1か所灯りのついている場所を見つけた。
 そこにユーリはいた。
 
 ギレン「ユーリ、これは何だ」
 ユーリ「ギレン兄退屈でしょ。だから新しい玩具アルカディア号を作っているの」
 ギレン「宇宙海賊でもするのか?」
 ユーリ「まあ、正解かな。でもこの宇宙ではしないよ」
 ギレン「当たり前だ。そんなまねをしてみろ、お前とて容赦なく処罰するぞ」
 ユーリ「だからね、別の宇宙に行くの」
 ギレン「別の宇宙? それは何だ」
 ユーリ「ああ知識にロックを掛けていたね」

 ユーリはペンダントに触れた。

 ユーリ「ロック解除!」
 ギレン「何だこれは宇宙に外があるのか。そして無数に宇宙が存在している」
 ユーリ「この宇宙も成長しているけど、そとの宇宙はまた違った世界だよ」
 ギレン「そうか」
 ユーリ「それこそ不老でも絶対飽きない程、宇宙の外は広がっているよ」
 ギレン「飽きないのか」
 ユーリ「絶対にね」
 ギレン「ユーリ。俺も連れて行け」

 ユーリは不思議そうな顔をして答えた。

 ユーリ「何を当たり前な事を言ってるのギレン兄。最初に言ったでしょ、退屈しているんでしょって」
 ギレン「帝位をガルマにでも、押し付けて来る」

 ギレンは楽し気に笑うと転移していった。
 それからが大変だった、全員を連れて行く訳にはいかないからね。
 帝位を継いだガルマ兄と、統治が楽しいと残るキシリア姉以外は、大じゃんけん大会になった。
 結果負けたデラーズがこの宇宙の総司令にあと2000人程の艦隊司令が残る事になった。
 当然、キシリア姉第1のジョニー・ライデンとマ・クベは自分から残ると言った。

 後のみんなはついて来るそうで、自分の荷物やMS何かを運び入れていた。
 みんなよっぽど退屈していたんだね。


 ユーリ「みんな準備はいい。アルカディア号発進」

 ユーリのアルカディア号が宇宙に出ると、ワームホールを開き突入した。
 1日過ぎた頃、ワームホールを抜けたそこはもう宇宙の外だった。
 
 ユーリ「みんな宇宙の外に出たよ。外を見てご覧」

 そこはオーロラが辺り一面に広がり、不思議な球体がいくつも浮かんでいる空間だった。

 ハマーン「綺麗な世界だな」
 ギレン「あの球体はもしかして宇宙なのか?」
 ユーリ「そうだよ。見て無数にあるでしょ。俺もまだ行った事の無い宇宙ばかりだよ」
 ギレン「これは確かに不老の我らでも、退屈な日を送る暇もないな」
 ユーリ「それとね、不思議なんだけどこの空間では戦闘は一切出来ないからね」
 ドズル「そうなのか。まあ良い早速何処かに入ろう。兄貴決めてくれ」

 ギレンはしばらく周りを見渡していた。

 ギレン「ユーリ。右上の赤い宇宙あれが良い」
 ユーリ「それでは、新しい宇宙に向って出発!」


 ジオン一行を乗せたアルカディア号は、ギレンが指した赤い宇宙にワームホールを開き消えて行った。


 
 

 
後書き
 駄文にお付き合いくださり、ありがとうございました。
 これでジオン公国転生記終了となります。
 短いか少しだけ長いのか分かりませんが、始めて書いた作品を完了する事ができました。
 また機会がありましたら、何か投稿すると思います。
 本当にありがとうございました。

 ユーリ「じゃあね。また逢えたら嬉しいな。それじゃバイバイ」 
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