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SO LONG

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第四章

「そうなってうわ、だからね」
「ビール飲むのね」
「もう一本ね」
 二本空けている、三五〇ミリリットルを。
「飲むわ」
「程々にね」
「わかってるわ、飲む過ぎはね」
「身体に毒だからね」
「痛風とかになるの嫌だし」
 女はなりにくいというけれどだ、とにかく泣きそうになる位に痛い病気だと聞いているからだ。
「太り過ぎもね」
「折角そこそこスタイルいいんだし気をつけなさいね」
「そうね、ビールも程々に」
「そして彼氏が帰るまでね」
「何とか頑張るわ」
 この四日の間だ。
「そうするわ」
「そうしなさいね、私明日デートだから」
 そういえば明日は土曜だ、金曜の夜も今は味気がない。
「朝から夜までいないから」
「じゃあ私一人ね」
「どっか行ったら?」
「飲みに?」
「朝から?」
 即座に私に言ってきた。
「それは止めた方がいいわよ」
「パチンコとか」
「あんたしないじゃない」
「言ってみただけよ」
 このこともだ、ギャンブルには全く興味がない。
「ただね」
「それじゃあどうするのよ」
「映画観に行こうかしら」
 私は飲みながらふと思った。
「適当に映画館に行って」
「それで適当になの」
「観ようかしら」
「じゃあそうしたら?帰りは適当に何か食べて」
「ハンバーガーでもラーメンでも」
「好きなのをね」
「そうね、まあ適当にね」
 本当に適当に考えていた、今の私は彼氏とのデートの時は何を観るか何を食べるかわりかし真剣に考えるけれど。
「食べるわ」
「本当に適当ね」
「気分的にね」
「投げやりにもなってきてるわね」
「このままいったら」
 若し半月以上彼がいないと、そう考えると。
「完全に干物になりそうよ」
「干物女になるのね」
「そう思うわ」
「あと四日ね」
「何とか頑張るわ」
 映画にも行って適当に食事を楽しんでだ、私はそうして残り四日を過ごすことにした。そして。
 土曜と日曜を外出したりゲームをしたりして適当に過ごしてだ、残りの日数を何とか過ごして。
 運命の日の朝にだ、私が友達に朝御飯を食べつつ話した。
「遂によ」
「この日が来たわね」
「ええ、待ちに待ったわ」
 本当にそんな気持ちだった、今は。
「やっとこの日が来たわ」
「長かったっていうのね」
「そうだったわ、苦しかったわ」
「私と同じね。一週間でもそうで」
「半月だから」
「余計によね」
「本当にね、けれど今夜は」
 この夜だ、私は彼女に笑顔で話した。
「遅いから」
「デートね」
「行って来るわね」
「楽しんできてね、半月ぶりの出会いを」
「たかが半月、けれどね」
「されど半月ね」
「そうでもあるのよ」
 今このことを実感している。
「そうなのよ」
「これでビールの生活も終わりね」
「いえ、実は今夜は」
「ビール?」
「ビアホール予約してるの」
 こう彼女に言った、それも笑顔で。
「だからね」
「今日もビールなのね」
「ええ、ただね」
「今日のビールは違う」
「昨日までのビールとね」
 彼と一緒に飲む、だからだ。
「今から凄く楽しみよ」
「それは何よりね」
「ええ、美味しいビールを二人で飲んでくるわ」
「そうしてきてね、吉報を待ってるわ」
「それじゃあね」 
 こうした話をしてだった、私はまずは会社に行った。そしてその帰りに待ち合わせをしていた彼と合流してビアホールに行った、そこで飲んだビールは最高の味がした。やっと会えた彼と一緒だったから。


SO LONG   完


                 2017・7・25  
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