魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第四十九話
「事情はわかりました…で…」
姉さんは俺とフィグネリアを見て言った。
「おい一夏!その女は誰だ!?」
「私?私は…そうさねぇ…若の護衛?」
「一夏…どういう事か説明して貰えるんだろうな?」
「い、いえすまむ…」
姉さん…怖いよ…
あの後、姉さんが来てから楯無が事情を説明した。
めっちゃ心配された、『俺が死ぬ訳がないだろ?』って言ったらめっちゃ怒られた。
いやいやお姉様よ、剛気功とファランクスと再生があれば大抵生き残れるんだけど…
その上魔法だけじゃなくてISもあるし…
ぶっちゃけ宇宙に放り出されてもコールドスリープで生き残れそうなんだが…
「あぁ、私は既婚者だから若をたぶらかすような真似はしないから安心してくれて構わないよヴァナディース」
ヴァナディース…って…姉さんが戦姫かよ…
ん?戦姫?……………
「あ!」
「どうした一夏?」
「どうしたんだい若?」
「どしたの~おりむ~?」
そうじゃん!エレオノーラ、リムアリーシャ、フィグネリア、ヴィッサリオンって"魔弾の王と戦姫"じゃん!
なんで気付かなかったんだろう…
あ、そうだ、こんどエレンとフィグネリアに魔法使わせてみよう。
もしかしたら面白い事になるかも…
「若?若!」
ん?
「どうしたフィグネリア?」
「若がいきなり大声上げて黙り込むからさね」
あ、あぁ…成る程…
「いや、少し考え事をしててな」
「そうかい……戦闘中はやめて欲しいね」
「戦闘中?やらんやらん。さすがに戦場で考え事するほどバカじゃない。
俺は死ななくとも周りに迷惑だからな」
「はぁ…若。若に"力"があるのは知ってるけどね、だからって死なない訳じゃないんだよ」
だから死なねぇっつの。
「ああ、心に留めておくよ」
言い返すと面倒臭そうなのでそのように答えた。
でだ…
「楯無、わざわざ姉さんを呼んだ用はなんだ?姉さんは忙しいんだぞ…アンタらのせいでな」
「あぁ、そうだったな…我々は礼がしたいのだ。
何か望みはあるかね?」
礼ねぇ…ケジメってヤツか?ヤクザかよ…
にしても望みかぁ…ぶっちゃけ無いな…
金…ある。
女…いらん。
権力…何ソレおいしいの?
「だそうだけど、姉さんは何かある?」
「……………無い。というか私はソレを受ける理由は無い。一夏、お前が決めろ」
えぇー…
「今のところは…」
あぁ…いや…ある。
「両親を…父さんと母さんを探して欲しい。
もしも、二人が既に亡いなら、殺った奴を探して欲しい」
「………いいだろう」
二人が既に亡いのは知っている。
だけど下手人が誰かは知らない。
メティス・サイトはあらゆる物を知覚できる。
大気や水の流れ、果ては他人の心すらも…
しかしその眼はけして万能でも全能でもないのだ。
二人を殺した人間のエイドス…そんなもの探しようが無い。
もし、ソイツが見付かったなら俺が直々に手を下そう。
惨たらしく、残酷に、凄惨に…
「娘を救って貰った礼だ…全力を上げて探しだそう」
と楯無は言った。
俺は刀奈にアイコンタクトを取った。
彼女はコクンと頷いた。
もう、二人が居ないことを伝えてくれるだろう。
「話は以上だ」
「そうか、でが帰らせて貰おう…姉さん、フィグネリア行くよ」
「あいよ、若」
フィグネリアが先に立ち、ドアを開けた
「姉さん?」
「あ、あぁ…」
上の空の姉さんに声を掛け、三人で部屋を出る。
「な、なぁ、一夏…父さん達の事だが…」
「姉さん」
姉さんが二人を恨んでるのは知っている。
俺だって二人を許せるとは言わない。
だけど二人にもそうする理由があったと、俺は知っている。
だから
「姉さん、二人を恨むなとはいわないけど、二人にも事情があったかもしれない。
俺はその事情が知りたいんだ」
きっとその事情というのは二人が殺された事に関係してる。
「…………そうかならば何も言うまい」
そう言った姉さんは、どこか悲しそうだった。
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