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儚き想い、されど永遠の想い

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316部分:第二十四話 告げる真実その五


第二十四話 告げる真実その五

 神戸のだ。海が見える山道を進みながら。義正は助手席にいる真理に話した。
「有り難いですね」
「はい、伊上先生は」
「私達を見て。認めてくれて」
「そのうえで」
「御力を貸してくれます」
 このことがだ。二人にとっては非常に有り難かった。
 それでだ。義正は笑みを浮かべてだ。真理に話した。
「そしてそれがです」
「私達がそうであるからと」
「言ってくれてそうしてくれるのが」
「何よりも嬉しいですね」
「最後までいきましょう」
 今度はこんなことを言う義正だった。
「二人で」
「そうですね。二人で」
「ドライブをしましょう」
「ドライブを?」
「はい、人生のドライブを」
 車を運転して。そうしての言葉だった。
「それをしていきましょう」
「今こうしている様にですか」
「そうです。こうしてです」
「二人で進んでいって」
「そうして最後までいきましょう」
「はい」
 そしてだ。真理もであった。
 義正の言葉にだ。笑顔で頷いて。
「途中で下りることなく」
「扉を開かずに」
「行きましょう」
 こう話してだった。二人はだ。
 屋敷に着いた。しかし今はだ。
 決意のことは言わずにだ。それでだった。
 佐藤と婆やにだ。こんなことを言った。
「今夜だけれど」
「何でしょうか」
 夕食のことをだ。尋ねたのである。
「洋食かな。それとも」
「和食でしょうか」
「支那になります」
 それだとだ。婆やが二人に話してきた。
「それに」
「支那というと」
「支那そばでしょうか」
「それだけではありません」
 こうも答える婆やだった。
「他にもあちらの餃子や点心、それに炒飯もです」
「色々とですか」
「あるのですね」
「はい、シェフが今日は支那だと言って」
 それでだというのだ。
「今腕によりをかけて作っています」
「今からですか」
「作ってくれているのですか」
「ですから楽しみにして下さい」
 微笑んでだ。二人に話す婆やだった。
 そしてだ。二人にこんなことも話してきた。
「支那料理は医食同源です」
「そう言われていますね」
 義正が彼女のその言葉に応えて述べた。
「あの国の料理は」
「ですから。その料理を食べてです」
「身体をよくする」
「そうすればですね」
「はい、その為にです」
 支那料理にしているというのだ。その話を受けてだ。
 二人は料理を待つことにした。その間だ。
 彼等はだ。どうしたかというと。
 落ち着きだ。レコードを聴くことにした。そのレコードの曲は。
 胡弓の曲だった。それを聴きながらだ。
 
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