ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

一度たりとも負けられないセカンドステージ
タツマの前に立ちはだかったのはハルカだった
一度負けた相手との再戦
仲間のために互いの想いがぶつかり合う 

ミライが勝利した通知を受け取ったタツマは口元を緩めると自身も先へ進むべく足を進めた
すると目の前にファイトテーブルが現れた
「ここで誰か倒さねえと先へ進めねぇ、上等だ」
拳を打ち付けていると丁度だれか入ってくるのが見えた
「っし、相手は誰………なっ、お前は」

Turn:32 信じる心

タツマの前に現れたのは以前カードキャピタル三号店の予選で戦ったハルカだった
「あなたが相手ね」
「ちょうどいいや、お前には借りがあるからな、今ここで倍にして返してやる」
「そうはいかないです、私もみんなと頂点に立つために戦う」
かつて戦ったライバル同士が今再び激突する
「「スタンドアップ！ヴァンガード！」」

ミライが足を進めていると彼女のファイカに通知が届きタツマとハルカがファイト中だとわかる
「タツマの相手はハルカ………予選で一度負けた相手………でも、タツマもあの頃より強くなってる………」
だが不安はある
タツマ同様、ハルカもきっと強くなっているに違いないからだ」

「ライド！宇宙勇機 グランヴィークル、グランホープのブーストでニーズにアタック」
真っ直ぐニーズの立つ場所へと向かうグランヴィークル
【宇宙勇機 グランザイル】トリガーなし
グランヴィークルの巨大な拳がニーズに振り下ろされる
【アビサル・オウル】トリガーなし
「ライド！竜刻魔導士 リア・ファル！更にベリアルオウルをコール！」
「ベリアルオウル？」
以前のタツマのデッキには入っていなかったカード
パワー4000のクリティカルトリガー
このパワーならば何かスキルを持ってるに違いない
「ルートのブースト、ベリアルでヴァンガードにアタック」
「グランザイルでガード！」
グランザイルの射撃に阻まれグランヴィークルに近づけないベリアルオウル
「まだだ！リア・ファルでアタック！」
リア・ファルが杖を掲げ攻撃を放つ
【黒翼のソードブレイカー】トリガーなし
「ライド！宇宙勇機 グランボルバー！アタック！」
グランボルバーが弾丸を乱射する
それらは真っ直ぐリア・ファルに向かっていった
【宇宙勇機 グランボルバー】トリガーなし
乱射した弾丸がリア・ファルに降り注ぐ
【ハウルオウル】ドロートリガー
「1枚ドロー、そしてスタンドアンドドロー、ライド！覚醒を待つ竜 ルアード」
目の前のグランボルバーを見上げるルアード
余りに巨大なその姿は大きな壁のようにも思えた
「（強がっては見たが。やっぱ半端ねえ、一度負けた悔しさがのしかかってきやがる、誰かにリベンジするってのはこんなにも勇気がいることなんだな………そういや、あのタイヨウって人にもそのうち再戦挑みたいな）」
深呼吸してグランボルバーを見据えるルアード
「コール、アビサル・オウル、スキルで山札の上から7枚確認」
だがタツマが確認したカードの中にルアードはない
「（ねえか、このターンで一気にドロップゾーンを増やすつもりだったが）仕方ない、もう1枚アビサル・オウルをコール、もう一度山札を確認して………今度はあったぜ、手札からモルフェッサとソードブレイカーをドロップ」
手札から2枚を捨てた
儀式の効果を発揮するためにドロップゾーンを増やそうとしている
「ベリアルでアタック」
「グランザイルでガード」
ハルカもまたガードで手札を減らしにかかる
グランギャロップのスキルを活かすため
「（わかってるさ、一度見た効果だ）行くぜ！今度はルアードだ」
ジャンプして腕に闘気を纏わせるルアード
【イビルリフューザー・ドラゴン】トリガーなし
【竜刻魔導士 モルフェッサ】トリガーなし
「こいつはいい、おあつらえ向きのカードが来やがった」
ドライブチェックで確認したカードを見て口元を緩めるタツマ
ルアードがグランボルバーの巨体を殴り倒す
【大宇宙勇機 グランマントル】トリガーなし
「アビサルでアタック！」
「ガード！」
オペレーターガール リンカによって攻撃が防がれタツマのターン終了
「パワー全開！勇気百倍！ライド！駆け抜ける英機 グランギャロップ」
少ない手札を何とか見回すハルカ
「ストライドジェネレーション！超宇宙勇機 エクスフェニックス！ストライドスキル、エクスフェニックスには超爆がないのでパワー+4000、更にグランボルバーをコール」
エクスフェニックスが拳から炎を放ちルアードを攻撃する
「クインテットウォール！イビルリフューザー・ドラゴン！その効果で出てきたエスラスのスキル、手札を捨てて完全ガードだ」
その他にもリア・ファルにウスキアス、ハウルオウルにアビス・ヒーラーがめくられる
「トリプルドライブ！」
【宇宙勇機 グランレディ】トリガーなし
【コマンダーローレル】トリガーなし
【宇宙勇機 グランドリフター】トリガーなし
「エクスフェニックスの効果で1枚ドロー」
「え？そんな効果なのか？」
「パワーが35000を超えてアタックが失敗した時にドローできる、それがエクスフェニックスの効果だよ、あ、このままターンは終了」

カードキャピタル3号店ではエミとカムイが仕事をしながらテレビに映っているU-20を見守っていた
「ターン終了しちゃうんだ、まだグランボルバーが残っているのに」
「ここでリアガードを狙っても意味がないからな、当然の選択だ、リアガードがドロップゾーンに行くほど強くなるからな、儀式デッキの場合」
箒で売り場内を掃除しながらエミの疑問に答えるカムイ
「まあ、ダメージを少なく見積もった理由はわかるけどな」
「ディメンジョンポリス得意の一撃必殺、それに備えてるんだね」

「ルアードの儀式でリア・ファルとウスキアスを山札に！ストライドジェネレーション！黒炎をまとうもの オグマ！」
タツマが選択したGユニットはオグマ
儀式5と難しい条件を持つユニットだが条件さえ満たせば強力な効果を発揮できるユニットだ
「ストライドスキル！アビサル・オウルを退却してソードブレイカーとアビサルをコール、更にアビサルの儀式でカウンターチャージ、ソードブレイカーのスキルで1枚ドロー！オグマのスキル！3体のリアガードを退却！」
「こっちは手札を3枚捨てるよ」
ハルカのリアガードは現在2体、そのうちグランボルバーには抵抗のスキルがあるためオグマのスキルでは選べない
手札から3枚のカードをドロップゾーンに送るハルカ
「エスラスと争奪の騎士 エデルンをコール、エデルンのスキルでエスラスを退却、そしてエスラスの儀式、ベリアルを退却して手札に、ベリアルのスキルで更に1枚ドロー………ん？」
「えっと、最初がエデルンのスキルで、その後がエスラスの………あれ？ドローした効果は」
タツマがスキルを連鎖させてるうちに訳が分からなくなっていたのかハルカは混乱していた

「昔の俺だったら間違いなくハルカと同じことになってたな」
「言えてる、カムイ勉強苦手だもんね」
「現在進行形にするな、今は大丈夫だ」
「じゃあ問題、今彼の手札は何枚でしょう？」
「え？えっとこのターンの開始時の枚数が………」
必死に計算するカムイを見てクスクス笑うエミ
ちなみに7枚あります

「ルートを前へ、ニーズをコール、ルートでヴァンガードにアタックだ」
ルートがグランギャロップの体に蹴りを浴びせる
【宇宙勇機 グランベレー】トリガーなし
「ニーズのスキルでルートを退却、1枚ドロー、ルートのスキルでソウルへ、エデルンのパワー+5000」

「使い切ったソウルを補填するためにニーズを」
「結構いろいろ考えてるよね、彼」
褒めた傍ら予選の時のことを思い出し笑ってしまうカムイとエミだった

「オグマでアタック、トリプルドライブ」
【黒翼のソードブレイカー】トリガーなし
【ベリアルオウル】クリティカルトリガー
【アビス・ヒーラー】ヒールトリガー
オグマの放った黒炎がグランギャロップを飲み込む
【駆け抜ける英機 グランギャロップ】トリガーなし
【オペレーターガール エリカ】ヒールトリガー
「エデルンでアタック！」
「ノーガード、ダメージチェック」
【宇宙勇機 グランレディ】トリガーなし
「ターン終了時にベリアルの儀式、こいつを山札の下に」

「今の攻撃、ガードしようと思えばできたはずだ」
「それをしなかった理由は多分、手札にキーカードが何枚か来ているから」
ここでガードに1枚使ってもライドフェイズ開始時の手札は3枚
それではグランギャロップの効果が使えない
そのためあえてノーガードで受けたのだろう
「ってことは、グレード3かグランザイル、そのどちらかは1枚確実に握ってるだろうな」

「ストライドジェネレーション！」
手札からグランザイルを捨ててストライドするハルカ
カムイの予想通り手札にあったようだ
「超宇宙勇機 グランギャロップ！」
「来やがったな」
ハルカの切り札、クワドラプルドライブを可能にする文字通り必殺のGユニット
「（前回はこいつが来るまでにダメージ受けすぎていたが、今回はまだ1枚、十分防ぎ切れる）」
加えてタツマは豊富に手札を残している
やろうと思えばこのターンの攻撃をすべて防ぐこともできる
「（ま、やらねえけどな、リスクがでかすぎる）」
せっかく豊富にある手札を無駄に使ってあとから窮地に陥る可能性もゼロではない
このターンは様子を見るべきだろう
「ストライドスキル！エクスギャロップにパワー+4000、コストを支払って更にパワー+4000、グランドリフターをコール、スキルでエクスギャロップと自身にパワー+4000」
おそらく逆転の一撃にかけているのだろう
ハルカはどんどんエクスギャロップのパワーを上げに来ている
「グランホープの超爆、グランボルバーのパワー+4000、自身をソウルに入れてカウンターチャージ、1枚ドロー、グランボルバーの超爆、グランドリフターと自身にパワー+4000」
エクスギャロップが42000、グランボルバーとグランドリフターが17000
「グランボルバーでアタック！」
「ベリアルでガード」
ここでガードした理由
ベリアルのドロップゾーンから山札に戻る効果を見越していること
そしてこの後に控えている攻撃に備えるため
「エクスギャロップでアタック！スキルでクワドラプルドライブ獲得！前列のリアガードにパワー+4000！グランドリフターの与えたスキルで1枚ドロー」
「ノーガード！来い！」
「クワドラプルドライブ！」
【大宇宙勇機 グランマントル】トリガーなし
【ジャスティス・ゴールド】クリティカルトリガー
【ジャスティス・ゴールド】クリティカルトリガー
【オペレーターガール エリカ】ヒールトリガー
4枚中3枚がトリガー
元々のパワー上昇も合わせてグランマントルのパワーがとんでもない数値に
「まあ、そうなるよな」
【竜刻魔導士 モルフェッサ】トリガーなし
【デススプレイ・ドラゴン】トリガーなし
【覚醒を待つ竜 ルアード】トリガーなし
「グランドリフターでアタック！」
「今は手札は温存だ」
グランドリフターの攻撃がルアードに降り注ぐ
【デスフェザー・イーグル】クリティカルトリガー
9枚もある手札をほとんど使わずに敢えてダメージを受ける
「（仕留めそこなった時がやべえ、エクスギャロップのスキルはあれで終わりじゃねえんだからな）」
エクスギャロップのリアガードをパワーアップさせるスキル
あれは表のエクスギャロップが多いほど効果を発揮する
もし次のターンで勝負を決められなかったときは一気に12000のパワーアップが待っている
ダメージを受けられない状況でそれを凌ぐには少しでも多くの手札を確保するしかない
「（だが、まあ、仕留めそこなった時のことなんざ考えてる暇ねえよな）」
ぎゅっと拳を握るタツマ
自らの頬を勢い良く叩く
「（どうやらまだビビッてたみてぇだな、仕留めそこなった時のことは今はいい、とにかくこのターンで仕留める）」
タツマの目つきが変わったことに気付いてハルカも真剣な表情で身構える
「行くぜ！ストライドジェネレーション！」
天空を舞う竜 ルアードにストライドしたタツマはグランギャロップを見据える
「天空を舞う竜 ルアードのスキルで、ニーズを2体スペリオルコール」

「ストライドスキルは使わないのね」
「たぶん、もうグレード1がデッキに残ってないんだろう、もう結構見えてるしな、あってエスラスが1～2枚ってところだろうぜ」

「ドロップゾーンのグレード1は8枚、自身のスキルと合わせてニーズはパワー+10000だ」
「（なんてパワーなの………でも、防げない数値じゃない）」
「行くぜ！エデルンでヴァンガードにアタック！」
「ダメージチェック」
【宇宙勇機 グランビート】クリティカルトリガー
「パワーはグランギャロップに」
「まだ行くぜ！天空を舞う竜 ルアードのアタック」
飛び上がったルアードが勢いよく拳を振るうが
「ジェネレーションガード！豪勇合身 ジーオーファイブ！ソウルブラスト！シールド+15000！」
先程のダメージトリガーにグランギャロップのパワーと合わせて31000
「更にインターセプト！ガード！」
グランドリフターとジャスティス・ゴールドもガードに加わりルアードの攻撃を確実に防ぎに来た
【ハウルオウル】ドロートリガー
【デスフェザー・イーグル】クリティカルトリガー
【竜刻魔導士 ウスキアス】トリガーなし
「まだ手札が増えるの！？」
ここにきてタツマの手札は14枚まで増えている
これならばもしかしたら次のターンの攻撃も
「ニーズでアタック！」
「完全ガード！」
ジャスティス・ゴールドをコストにグランリーフで完全ガードするハルカ
「予選の時とまるで違う、でも私だって………」
ドローしたカードを見てハルカは目を見開いた
「（やっぱり、あなたが来てくれるんだ………）」
彼女のメインカード、グランギャロップを見つめた

ある日の3号店、きっかけはカズヤの問いかけ
「なあ、ハルカってなんでディメンジョンポリスを使ってるんだ？」
デッキを眺めるハルカにそう聞いてきたのでハルカも大きく伸びをしながら考えた
「そう言えばなんでだろう………気がついたら選んでた」

ハルカが憧れたのはどんな窮地も諦めないヒーローの姿
決して折れない不屈の心に憧れたから
「だから私も！最後まであきらめない！ストライドジェネレーション！」
再び現れるエクスギャロップを見てわずかに狼狽えるタツマ
実のところシールドにあまり余裕はない
確かに枚数はあるがシールド10000のカードはそう多くない
勝敗のカギはハルカが少ない手札でどこまでパワーを上げられるかだ
「グランマントル！グランベレーをコール！」
「グレード2を後列に？」
「グランボルバーのスキル、自身とグランベレーにパワー+4000、グランレディをコール、ヴァンガードとグランベレーにパワー+4000
ヴァンガード、そしてグランベレーのパワーがどんどん上昇していく
「グランベレー！その力をエクスギャロップへ！自信を退却して、そのパワーをエクスギャロップに」
「なっ！」
なんとエクスギャロップのパワーは驚異の54000、その上クワドラプルドライブ
「（慌てるな、完全ガードはある、後は）」
「オペレーターガール リンカをコール」
「ま、持ってるよな、やっぱ」
守護者を無効化できる可能性を秘めたオペレーターガール リンカ
だが強大なエクスギャロップのパワーに対抗する一番の方法は完全ガード
「行け！エクスギャロップ！」
剣を掲げルアードに襲い掛かるエクスギャロップだったが
「これならどうだ！」
2体のエスラスがエクスギャロップの行く手を阻んだ

「エスラスが2枚！」
「それでも、リンカで与えるスキルにターン制限はない、リアガードのパワーも高いし、ソウルもある、ハルカがグレード3を2枚引いたら」

「ドライブチェック！」
【宇宙勇機 グランザイル】トリガーなし
【宇宙勇機 グランビート】クリティカルトリガー
【宇宙勇機 ドリフター】トリガーなし
【宇宙勇機 グランリーフ】トリガーなし
「トリガーの乗ったグランマントルでアタック！」
「ジェネレーションガード！プロットメイカー・ドラゴン！」
「グランボルバーでアタック」
「もういっちょジェネレーションガードだ！」
大量の手札だけではなくヒールトリガーもあったおかげで何とか持ちこたえることが出来た
それでも今のアタック、もしグレード3がドライブチェックで出ていたら
「（大量に手札があっても油断できねえ、やっぱこいつつええ）」
カードをドローするタツマ
一方のハルカも緊張した様子でタツマのプレイを待っていた
「（落ち着いて、あっちのソウルは0、オグマもルアードも使えない状態、攻め手がないはず、だったらこのターンなんとしても凌いで、次のターンで）」
「ルアードの儀式を使い、ニーズとアビサル・オウルを山札へ、そして………ライド！覚醒を待つ竜 ルアード！」
「なっ！ライド！？」

「あの儀式はライドフェイズの開始時、つまりドローのすぐ後に来る効果だ、だから処理の後でライドすることもできる」
「ライドしたことで、あの子のソウルにカードが」

「ストライドジェネレーション！」
天空を舞う竜にストライドしたタツマはカーニバル・ドラゴンを表にすると先程戻したニーズとアビサル・オウルをスペリオルコールした
「（ここまでか………）」
天空を舞う竜のアタックがグランギャロップに襲い掛かる

タツマの勝利が通達されるとミライも嬉しそうにファイカを握った
「頼もしくなってきて、私も負けてられないな」
歩き進めていると突然聞こえた歓声に驚いて振り返った
「な、なに！？」

矢作テンカ、アヤカと同じブラックルーラーのメンバーだった彼女がファイトに敗れ俯いていた
対戦相手だったのはミライに食って掛かった雲澤ケント
「テンカが負けるなんて………」
観客席で見ていたアヤカも信じられないといった様子だった

「チームエドラリッター、前回優勝は伊達じゃないってことね」
するとミライはファイトテーブルのあるエリアにたどり着いた
先についていたらしい対戦相手の情報がファイカに表示されている、赤塚チズル、所属は………
「エドラリッター………」 

次回予告
「それにしても、タツマ君って頭いいのか悪いのかわからないね」
「俺も気になって聞いてみたんだけどよ、あれで学校の成績はいいみたいだぞ」
「へぇ、勉強は出来るんだ」
「ありゃもう性格だな」

turn:33 怒りの竜炎

「ちなみにハルカちゃんって勉強できるの？」
「あいつ実はすっげー頭いいぜ、能力のパワーアップの計算暗算で出来るからな」
「さっき混乱してたのに………」
「じっくりやるタイプなんだろ？」