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楽園の御業を使う者

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CAST7

脱衣場
「おう…達也…イイ体してんじゃねぇか」
達也の体は実用的な量の筋肉が付いた体だ。
ボディビルダーの魅せる筋肉ではなく他者を下す為の…武器となる筋肉。
「お前もな」
俺も達也ほどじゃぁ無いが、同年代と比べたら筋肉質だ。
べ、別に筋トレして男性ホルモン出たら男っぽい顔付きになるとか思ってねーし!
「二人とも…はぁ…」
文弥は俺と達也の体を見て溜息を吐いた。
文弥の体は太っても痩せてもない、筋肉もあまり付いてない普通の…平均的な体だ。
黒羽はたしか…諜報を司る家だったはずだ。
そうなれば筋骨隆々の体は不便だ。
その点、文弥の肉体は家の仕事に則していると言える。
「俺や達也は色々あるんだ…」
「そう…」
「白夜はともかく俺の体は参考にするなよ」
そう言った達也の体には大小の古傷があった。
「『傷は男の勲章』だぜ相棒。
それにその傷はお前が妹を守る力を付けるため、そして実際に妹を守って出来た傷だろう?
誇っていいと思うぜ」
「ありがとう…白夜」
「おい、俺はそんな趣味はねぇぞ」
「「?」」
マジか!?
コイツらピュア過ぎる!?
「いや、なんでもないぞ、うん、なんでもないんだ」
なんて話しつつ風呂へ向かう。
「ほー…デカい風呂だな…」
「先代…俺達の祖父に当たる人が拵えたらしい」
「ほーん」
体を洗い、湯船に浸かる。
「はー!気持ちいい…風呂は命の洗濯とはよく言った物だ…」
「同感だな」
「それ誰の言葉?」
達也が同意し、文弥が疑問を浮かべた。
「そうだな…だいたい…百年前のテレビアニメのセリフだな」
この世界は西暦2000年から歴史が解離した世界。
つまりそれ以前の歴史は前世と同じなのだ。
つまりガンダムもエヴァもパトレイバーもジブリ作品も存在するのだ。
「『新世紀エヴァンゲリオン』ってアニメだが知らないか?」
「しらないな」
「僕も…」
「そうか、暇が有れば調べたり観たりするといい。
ロボットに乗った少年が主人公だ。
難解なアニメだが人間の心を描いた名作だ」
「よくそんな昔の作品を知っているな」
「ま、まぁね、門下生にそういうのが好きな奴が居てね」
それから俺達は普通の小中学生のような会話をした。
で、そんな話をしていたら勿論下ネタが出る訳で…
「なぁ、今さ、亜夜子ちゃんと深雪さんも風呂入ってるんだよな?」
「そうだね…」
「おい、白夜、貴様まさか…」
「覗かない?」
「や、やだよ!そんな事したら深雪姉さんに氷漬けにされちゃうよ!」
と文弥は震え上がり
「白夜…死にたいのか?」
達也は殺気を放っていた。
「文弥の言う通り氷漬けにされるのがオチだ。
それ以前に俺がそんな事許すと思うか?」
「それもそうだな、千里眼使ったらその瞬間達也に消されそうだ」
俺のセリフに文弥がブンブンと首を縦に振る。
「なぁ、相棒」
「なんだ?」
「妹の裸を他の男に見せたくないんだろう?」
「無論だ」
「なら…女ならいいのか?」
「ああ、実際にいま亜夜子ちゃんと入ってるしな」
「じゃぁ俺達が女になればいいんだな?」
「「は?」」
俺は達也と文弥の腕を掴み…
"なんでもひっくり返す程度の能力"
俺、達也、文弥が光に包まれた。
眩い光が収まった後、そこには…
「う…なんだ…今のは…」
「なに?今の…」
少女のような高い声が浴場に響いた。
「「は?」」
「コレで覗きに行けるZE!」
二人は俺を見てから自分の体を見た。
そして…
「「キャァァー!」」
あーら、可愛い悲鳴だこと。
二人は悲鳴を上げて胸を隠した。
達也はスレンダー体型のキリッとした美少女に、文弥は童顔ロリ巨乳になっていた。
ちなみに俺はツルペタのロリだ。
二人の顔を良く見ると元の性別だったときの面影があって面白い。
深雪さんとか亜夜子ちゃんとか真夜さんとかを男にしたらさぞかしイケメンになるだろうな…
ふと達也の思考を読むと面白い事になっていた。
『何故体が女になっている!?エイドスの変更履歴を確認…
性情報の変換を確認…
何故だ?性情報の変更だけでは肉体までは変化しない…』
なまじ情報を閲覧出来るが故に混乱してるな。
文弥は完全に思考停止している…
「それじゃぁお二人様、女湯にごあんなーい」
"境界を操る程度の能力"
二人の下にスキマを開く…
「「キャァァァァァァァ!」」
お湯がもったいないので直ぐに閉じる。
すると浴場の外から悲鳴が聞こえた。
無事女湯に落ちたようだ。
「はー…極楽極楽…この風呂独り占め出来るとか…
これだけでも四葉に来た価値が有ったな…」
数分後、ドタドタと足音がして達也、文弥、深雪さん、亜夜子ちゃんが入ってきた。
四人とも一応服を着ている。
多分、深雪さんと亜夜子ちゃんの服を四人で分けている。
「「白夜さん/ちゃん!」」
深雪さんと亜夜子ちゃんに呼ばれた。
「「ナイスです!」」
「深雪!?」
「姉さん!?」
あ、それと…
「亜夜子ちゃん、女体化した弟の方が胸がデカいってどんな気分?」
「怒りのあまり揉みしだきたくなりますね…」
「ひぃっ!?」
亜夜子ちゃんのセリフに文弥は達也を盾にした。
「深雪さん、憧れの御兄様が御姉様になってどう?」
「深雪は白夜さんに感謝しております」
と見とれるような笑顔で言った。
「それはよかった…で、お二人共女になってどんな気分?」
「「いいから戻せ!」」
「はいはい…もどすよ…戻すからこっち来い」
歩いてきた二人に触れる。
"全てをひっくり返す程度の能力"
二人が再び光に包まれ、そこには男に戻った二人がいた。
「二人はもう上がれ、俺はもう少し入りたい…おい、女子二人、兄と弟が異性の裸をガン見してるぜ」
と言うと深雪さんと亜夜子ちゃんは達也と文弥を連れて歩いて行った。
俺は女体化したまま風呂を堪能し、一時間ほどして上がった。
流石に出る時は男に戻ったがな…
 
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