儚き想い、されど永遠の想い
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196部分:第十五話 婚礼その五
第十五話 婚礼その五
「真理さんは非常に素晴しい方です」
「そうですね」
麻実子もだ。ここでも喜久子のその言葉に同意して頷いた。
「だからこそ幸せになられるのですね」
「いえ、その幸せはです」
幸せについてだ。真理は二人に話すのだった。
「一人ではできないものです」
「そうなのですか?」
「一人ではですか」
「はい、できません」
そうだとだ。また二人に話すのだった。
「とても。できません」
「そうなのですか」
「一人では」
「幸せは一人では手に入れられない時があります」
「真理さんの様に」
「そうなのですね」
「はい」
まさにそうだというのだ。今の真理がそうだというのだ。
そしてだ。その真理がさらに話すのだった。
「私は。義正さんがおられるからこそ」
「あの方がおられるから」
「幸せになれる」
「一人での幸せは大きなものではありません」
真理はこうも話した。
「しかし二人ではです」
「大きな幸せ」
「そしてそれを手に入れることは」
「非常に大きいです」
真理は笑顔で話す。
「私はそう思います」
「あの方と共にいるからこそ」
「大きな幸せを手に入れられますか」
「そのことが何となくですが」
前置きはした。しかしそれでもだというのだ。
「私もわかってきたと思います」
「大きな幸せは一人では手に入れられない」
「二人いてこそ」
「そもそもその勇気もです」
喜久子が言うだ。その勇気についても話すのだった。
「あの方がおられてこそでした」
「二人いるからこその勇気」
「そうした勇気ですか」
「勇気も。一人の勇気は小さいです」
幸せを手に入れるだ。その勇気もだというのだ。
「しかしその勇気もです」
「二人の勇気ならばですね」
「大きな勇気なのですね」
「そうです。二人の勇気が合わさると」
そうするとだ。真理は話を続ける。
「それではです」
「では。真理さんはその御二人の勇気と幸せを手に」
「これから生きられるのですね」
「そうします。是非」
二人に話す。そしてだった。
真理は二人にだ。あらためて話した。
「それでなのですが」
「はい、それで」
「それでとは」
「お茶を飲みましょう」
こう言うのだった。三人が今飲んでいるその抹茶をだ。
「そうしましょう」
「そうですね。折角のお茶ですし」
「それなら」
「お茶はいいものですね」
真理は微笑みと共にその茶について話す。
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