転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ペルソナ3
1945話
「へぇ……この宝石は結構強力な魔法が込められてるっぽいな」
59階、番人シャドウのいる……いや、いた階で、俺はそこにあった宝箱の中身を見て驚いた。
そこに入っていたのは、かなり強力な魔力を感じる液体……ソーマと、こちらもまたソーマ程ではないにしろ、なかなかに強力な魔力を発する宝石。
どちらも、間違いなく一級品の代物だ。
……もっとも、番人シャドウのいる階にある宝箱の中身は、大抵がいい物なのだが。
「はぁ、はぁ、はぁ……も、もうちょっと私達を労ってくれてもいいんじゃない?」
「ふぅ……そうだな。俺も岳羽の意見に賛成だ」
番人シャドウの騎士を倒したゆかりと荒垣だったが、その戦闘は楽勝だった……という訳ではない。
傷らしい傷を負う事はなかったが、それと比例するかのように精神的な疲労は大きかった。
……当然だろう。ゆかりと荒垣が戦う上で、戦いの起点となるべきガルが敵に吸収されたのだ。
ゆかりにしてみれば、非常に戦いにくかったのは間違いない。
もっとも、重藤弓による攻撃や、イオの巨体を活かした突撃といった攻撃手段により、十分に活躍したのだが。
荒垣の方も、メインの攻撃手段として活躍をしたが……正直、この2人でなければ騎士に勝つのは難しかっただろう。
山岸が相手をスキャンして弱点属性を把握し、ペルソナチェンジという反則的な手段を持っている有里が、相手の弱点の属性で攻撃する。
シャドウは弱点を突かれると転ぶという習性があり、そうなれば全員で一斉に攻撃する事も可能だ。
そう考えると、やっぱり山岸と有里のコンビは恐ろしいものがあるんだよな。
勿論全てのシャドウが弱点を持っている訳ではない以上、絶対にその攻撃方法が通用するという訳ではない。
だが、聞いた話によれば、弱点を持っているシャドウというのはかなり多いらしい。
そう考えれば、有里の能力はシャドウとの戦闘という事に限って言えば、間違いなく強力無比な手札となる。
「ま、お疲れさんって奴だな。ほら、これでも飲んで少し休め。どのみち、今日の探索はこの階で終わりだろうし」
空間倉庫の中から取りだしたスポーツ飲料の入ったペットボトルを、ゆかりと荒垣の2人に放り投げる。
それをキャッチした2人は、キャップを開けるのも面倒臭いと、ペットボトルに口を付けてスポーツ飲料を飲み干していく。
……ふと思ったんだが、タルタロスの中にゴミを捨てていけばどうなるんだろうな?
この階のように、明日の影時間になっても変わらない場所であれば、恐らく明日もゴミはあるんだろうが。
毎日のように変わる場所にゴミを置いておいたらどうなるのか、ちょっと試してみたい気もする。
まぁ、下手な真似をすればタルタロスとか月光館学園の方に妙な影響が出ないとも限らないから、実際にやるのは駄目だろうが。
「ふぅ、ようやく落ち着いたわ。……それで、アクセル。どんなのが宝箱に入ってたの?」
「ああ、これだ」
スポーツドリンクを飲み終わったゆかりに、ソーマと魔法の込められた宝石を見せる。
ゆかりにも、これを見ただけでどれだけの代物なのか分かったのだろう。
少し息を呑み、驚いたように俺の手の中にあるソーマと宝石に目を奪われていた。
「凄い……これ、確か前にも宝箱から出てきたわよね? ソーマだったかしら」
「ああ。桐条グループの分析結果によれば、使用すれば体力、魔力ともに完全回復するくらいの効力を持ってると予想されている魔法薬だ」
もっとも、それだけ貴重な魔法薬ともなれば、こっちとしてもそう簡単に使える代物ではないのだが。
寧ろ、俺の場合はエリクサーとかそういうのがあっても、ラスボスでも使わずに取っておいたりするタイプ……なのかもしれないな、実は。
「ソーマもそうだが、俺が見せたかったのはこっちだ」
ソーマには劣るが、宝石の方にも十分強力な魔法が込められているのだ。
「宝石? ……これはどんな魔法なのか分かる?」
「いや、残念ながら分からないな。桐条グループの結果待ちだ」
「おう、アルマー、岳羽も。取りあえずこれ以上ここに用事がないようなら、エントランスに戻るぞ。ここは安全だと思うが、いつ死神が現れるか分からねえからな」
そんな荒垣の言葉に俺達も特に異論はなく、双方向ターミナルを起動する。
「ここが59階……となると、次の番人シャドウは75階とか、その辺になるのか? それとも、ここまで結構な階を上ってきたし、次は封印のある部屋か。……どっちだと思う?」
「私は番人シャドウかな」
「俺は封印の部屋だと思う」
ゆかりと荒垣の間で意見が割れる。
俺としては、何となく次は封印の部屋だと思うんだけどな。
もっとも、それは特に何か確証があって言ってる訳ではなく、実際にそれがどうなっているのかは、タルタロスを攻略していく必要があるんだが。
ともあれ、俺達は双方向ターミナルを使ってエントランスに戻る。
「ん? ああ、アクセルか。そちらはもう今日の探索は終わりか?」
俺達の姿を見た美鶴が、そう言って声を掛けてくる。
どうやら、今日の山岸の護衛は美鶴だったらしい。
「ああ。59階の番人シャドウを倒したからな。これ以上は進んでも、次の番人シャドウのいる階までは到着出来ないと判断した」
「……随分とスムーズに進んでいるな」
「ああ。……そう言えば、こういうのを手に入れたんだが……」
ふと、もしかしたら、本当にもしかしたら美鶴なら着るのではないかと思い、俺は空間倉庫からハイレグアーマーを取り出す。
以前、ハイレグアーマーを美鶴に着せれば処刑されるかもしれないという事は聞いていたのだが、それでも……もしかしたら、本当にもしかしたら着るのではないか?
そんな思いからの行動だったのだが、美鶴は次の瞬間俺が取り出したハイレグアーマーを見て動きを止め、その近くでこちらの様子を見ていた山岸も、顔を赤く染めて俯く。
「ほ……ほう。それで、これをどうしろと? もしかして、私に着ろ、とは言わないよな?」
「いや、出来れば着て欲しいところなんだが。美鶴が着れば似合うだろうし」
「……ふぅ。アクセル。私は生憎と冗談は好きではない」
「いや、心の底から本気だが?」
「ほう、なるほど。そうか。ならば、こちらも相応の態度を取る必要があるだろうな」
ふふふ、と桐条グループ総帥の1人娘に相応しい、優雅な笑みを浮かべる美鶴。
ただし、その目は決して笑っていない。
うーん、やっぱり美鶴もハイレグアーマーを着るのは嫌なのか。
そんな風に思っていると、ふとゆかりがジト目をこっちに向けているのに気が付く。
それこそ、ハイレグアーマーの件で何か思うところがあったのか? と考えたのだが、こうして俺の方を見ている様子から、そうではないのだろうと判断する。
「どうしたんだ?」
「べっつにー。ただ、いつから桐条先輩がアクセルの事をアルマーじゃなくてアクセルって呼ぶようになったのか、とか。アクセルも桐条先輩の事を美鶴って名前で呼ぶようになったのか、不思議に思っただけよ」
別にと言ってる割には、その口調に不満そうな様子が強いのは明らかだ。
「何だ、嫉妬か?」
「ばっ、そんな訳ないじゃない! 馬鹿じゃないの? てか、馬鹿じゃないの!?」
2回言うのが出たな。
となると、結構図星だったりするのか?
……ちょっと意外ではあったが。
ただ、それを正直に言ったりすれば、間違いなくそれを認めたりはしないでこっちに向かって怒ってくるよな。
基本的に、ゆかりは気が強いタイプだし、尚更に。
「あー……そうか。なら、俺の気のせいって事にしておいてくれ」
「その、はいはい、分かりました。自分が引いておきます的な態度はどうなのよ?」
まだ納得出来た様子はないが、それでも少し前よりは大分いい感じになったのは間違いない。
その事に少しだけ安堵しつつ、俺は周囲を見回す。
特に何かがある訳ではないのだが、それでもゆかりの中にある怒りを多少なりとも落ち着ける事には成功する。
そんなゆかりの様子を確認してから、口を開く。
「俺が美鶴を美鶴と呼ぶようになったのは、この前の食事会からだな。食事会では美鶴の父親の武治も一緒にいたんだ。そんな中で美鶴を桐条と呼ぶわけにはいかないだろ?」
「武治って……もしかして……」
ゆかりが、どこか複雑な表情のまま美鶴に視線を向ける。
その視線に、美鶴は少しの呆れが混ざった表情で頷く。
「そうだ。お父様の事だ」
「……桐条グループの総帥を呼び捨てにするなんて……」
「そう言ってもな。俺にとってみれば、そこまで驚くべき事じゃないぞ?」
勿論普通に考えれば、娘の同級生……どころか、後輩から呼び捨てにされるというのは、武治的に面白くないのかもしれない。
だが、武治はそれを俺に認めた。
娘の後輩ではなく、影時間をどうにかする為の協力者として、俺という存在をしっかりと認識した事の証だろう。
ただ、美鶴にしてみれば自分の父親を後輩が呼び捨てにしている事が、若干気になるのだろう。
そしてゆかりの場合は武治というのは桐条グループの総帥……つまり、憎んでも余りある敵であった。
そのような人物を俺が呼び捨てにしているというのは、やはり色々と思うところがあるのは間違いないのだろう。
「……まぁ、アクセルだしね」
「そうだな、アクセルだし」
お前等、アクセルだからと言えば、何でも許容されるとは思うなよ?
そう突っ込みたくなるのを我慢し、俺は改めて口を開く。
「話は変わるが……そっちの様子を見る限りだと、死神とかは出なかったらしいな」
「うむ。幸いな事に……本当に幸いな事に、な」
しみじみと呟くその様子を見れば、美鶴が死神をどれだけの脅威だと思っているのかがよく分かる。
実際、死神の強さを考えると、俺以外が死神と遭遇すれば、間違いなく殺されるだろう。
勿論、殺せる実力があるからといって、死神が殺すかと言われれば……それは、ちょっと微妙なんだよな。
そもそもの話、死神がその気なら、今まで美鶴を始めとした他のペルソナ使いを殺す機会は幾らでもあった訳で……
「死神が狙ってるのは、やっぱり俺なんだろうな。いや、この場合は狙ってるという表現が正しいのかどうか、分からないが」
初めて死神に遭遇した時であれば、間違いなく死神は俺の命を狙っていたのは間違いなかった筈だ。
だが、今の死神は……出てくれば俺と戦うが、本気でこっちの命を奪おうとしているようには思えない。
それが顕著に表れたのは、ちょっと前にここで起こったイレギュラーシャドウとの戦いでだろう。
死神があの戦いをいつから見ていたのか、それは分からない。
それでも、死神が俺達とイレギュラーシャドウとの戦いにちょっかいを出す事が可能だったかと言えば……それは、間違いなく可能だった筈なのだ。
その辺りの事情を考えれば、やはり死神が本気で俺の命を狙っているとは考えられない。
もしくは、実はシャドウには他のシャドウが戦っているのに乱入したり、妨害したりといった事をすれば駄目……という考えがあったりするのか?
「ふむ。正直なところ、アクセルのみに死神の相手を任せるのは済まないと思っているが、今の状況を考えると、それに頼らざるを得ないのも事実、か」
そう告げ、美鶴は俺に視線を向けてくる。
「すまないが、あの死神の相手は、もう暫くアクセルに任せるしかないらしい」
美鶴は自分達の力が足りないことを申し訳なさそうにしながらも、きっぱりとそう言ってくる。
「まぁ、その辺は気にするな。俺もあの死神には色々と思うところがあるしな」
それこそ、何故あの死神がそこまで俺に拘るのか、その答えを知りたくないと言えば嘘になる。
そういう意味では、あの死神については俺に任せて欲しいというのが正直なところだった。
「おい、そろそろいいか? 俺はそろそろ帰りたいんだが」
……どうなってそうなったのかは分からなかったが、山岸から料理の話について詳しく聞かれていた荒垣がそう言ってくる。
どうなってって言っても……多分、美鶴か真田辺りにその辺りの事情を聞いたんだろうが。
最初はそんな山岸にも面倒見の良さからか、話を聞いていた荒垣だったが……結局のところ、ここでする話ではないと思ったのか、それとも付き合いきれないと思ったのか……ともあれ、そんな訳で、俺達はそろそろ帰る事になるのだった。
「悪いな」
「気にするな」
そう言い、ポートアイランド駅で荒垣と別れる。
そしていつも通り俺とゆかりの2人のみとなったのだが……
「なぁ、ゆかり。ちょっと気分転換に、影のゲートじゃなくて空を飛んで移動しないか?」
「え? ……まぁ、いいけど。空を飛ぶのにも少し興味があるし」
そんな訳で、俺はゆかりを横抱き……いわゆるお姫様抱っこをしながら、空を飛ぶ。
最初は照れからか色々と騒いでいたゆかりだったが、やがて諦めたのか、現状はそれ以上不満を口にせず……
「ちょっ、アクセル! あれ!」
空を飛んでいる最中、不意にゆかりが騒ぎ……その指さした方向にあるのは、長鳴神社で……そこでシャドウとの戦闘が行われているのは、明らかだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
ページ上へ戻る