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【アンコもどき小説】やる夫は叢雲と共に過剰戦力で宇宙戦艦ヤマトの旅路を支援するようです

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閑話 エクゼクター級スター・ドレットノート『叢雲』の日常

 エクゼクター級スター・ドレットノート『叢雲』艦内には28万人の乗員が居る。
 それを収容し整備する外縁天体セドナの基地にも万単位の人員が居る。
 彼らは全てクローンとドロイドによって構成されている。
 男性陣は基本スターウォーズの設定に基づくクローン・トルーパーだが、女性クローンは当然のようにやる夫の趣味が炸裂したのである。

「おつかれさまでーす」
「嬢ちゃん、今上がりか?」
「はい。
 やっとXウイングの操縦に慣れてきた所なんです」

 プロジェクトF。
 『魔法少女リリカルなのは』に出てきた彼女のクローンデータを女神特典(ハーレム)でもらってきたのである。
 もちろんハーレムをと最初は考えていたのだが、彼女達原作補正なのか航空機操縦に一日の長があった。
 また、魔法も使えて指揮もできるとハイスペッククローンとなっている。
 もちろん製造費は高い。
 そんな彼女達の第一世代は、航空機パイロットとなって地球艦隊の代わりの宇宙に消える事になりその育成にやる夫と叢雲が頭を抱えるのだが、それは別の話。

「こっちの整備はどうなっている?」
「もうすく、第118ブロックから届くとミサカは報告します」

 シスターズ。
 『とある魔術の禁書目録』に出てくる二万人もの御坂美琴のクローン達だが、彼女達はミサカネットワークというローカルネットワークを別系統で構築していた。
 それは支援などのオペレータ系の天職と言ってよく、基地や艦船の艦橋にその姿を見かける事ができる。
 やる夫達が乗らない艦船の船員は、船長が戦術ドロイドでそのオペレーターとしての彼女達が乗る事で艦を運営していた。

 そんな形でクローン達の交流は進んでいるのだが、元々外国産のクローン・トルーパーに合わせて彼女達を大人びさせている……もちろんやる夫がおっぱい星人という理由もある。
 つまり大人フェイトに御坂美鈴バージョンである。
 こんな下心見え見えだけに、叢雲が超弩級戦艦級艦娘になった事をやる夫が喜ばない訳が無かった。

「頼む!
 黙ってこれを着てくれないか!!」

 やる夫が地球滞在時に特注で作らせた黒い羽の付いたドレスに頬を赤める叢雲だが、次の台詞で顔が凍りつく。

「で、『ジャンクになりたいのかしらぁ?』って言ってみてくれ!」
「酸素魚雷を食らわせるわよ!」

 もちろん、壮絶な大喧嘩になって、しばらく口をきいてもらえなかったのは言うまでもない。
 なお、ハイエンドのプロジェクトFとローエンドのシスターズの間を埋める形で、『シドニアの騎士』の仄シリーズの生産も始め、パイロット不足をカバーするつもりらしい。



 一方、ドロイドの方も戦闘用や兵士用ドロイド等が生産されているが、多額の製造費用をかけて製造しているドロイドがある。
 女神のハーレム特典で設計図をもらったメイドドロイド達である。
 これもやる夫の趣味が多分に入っているが、叢雲が容認したのにはいくつかの理由がある。
 その中で大きな理由をあげるならば、『艦娘とは何なのか?』という自己規程にかかわる重大な話になるのだから面白い。
 あまりに巨体なゆえに、戦闘と戦闘外活動だけで無数の処理が迫られた叢雲はそれを管理する神経群の構築を迫られたのである。

 そもそも艦娘というのは深海棲艦を倒すことを目的にした『兵器』である。
 だが、見た目も行動も『人間』のそれである。
 彼女たちの力によって深海棲艦が倒されるのだが、ここでその自己規程に曖昧さがある事に気づいているだろうか?
 艦娘は己の拳で深海棲艦を倒している訳ではなく、与えられた兵器によって深海棲艦を倒している。
 さて問題だ。
 この兵器に艦娘の意思は宿っているのだろうか?

 八百万神を崇拝する日本人はこの曖昧な境界に目をつけて、本物の戦闘艦に彼女たち艦娘を降ろしたのである。
 『船御霊』と呼ばれるそれで、日本の古の海神信仰とまじったそれは成功し、同時期の別作品から『メンタルモデル』とも呼ばれるようになる。
 船一隻のコストを考えたらと思うだろうが、制海権を考えた時にこの『船御霊』の存在はこれまでの戦いを根本的に変えた。
 つまり、普通の人間である海軍軍人達の戦闘参加である。
 船に宿った事で船そのものが彼女の体になると同時に、その中核部分の艦娘は休ませることができるからだ。
 これは特に艦娘の少ない基地で歓迎された。
 制海権を『自分の好きな時に好きな事ができる』と定義するならば、キラ付けで毎日沈められている駆逐イ級が鎮守府近くにやって来る時点でだめだめな訳で、艦を常時ローテーション化して置く事で少ない艦娘で制海権を握ることができるからだ。

「要するに、パソコンに二個OSつきのHDDをくっつけたようなものさ。
 どっちのHDDで動いてもモニターから出てくるのはそのパソコンの画面という訳だ。
 でHDDは移し替えが可能と」

とやる夫が言った説明が変わりやすいだろうか。
 船の武装は当然叢雲が動かすのだが、彼女が休んでいる時は中の人間が動かす訳で、継戦能力の大幅強化が図られたのだ。
 また、艦の損害が中の艦娘に比較的被害を与えにくいのも大きく、口の悪いやつに言わせると『えらく高い応急修理女神』だそうだがその意見は当たっていると言えよう。
 
 ここまでの話は、図体がでかくなって妖精さんの代わりに人間が働くことになったという話だが、その人間が足りないのでドロイドの生産をというのが現在の叢雲である。
 スターウォーズは戦術ドロイド、バトルドロイド、修理・整備ドロイド等多種多様なドロイドがあるのだが、そこにハイエンド奉仕モデルというわけのわからない物を付け足すのが変態国家日本の伝統。
 クローンの生活支援用という事で、量産型メイトドロイド『マルチ』、そのハイエンドバージョン『セリオ』、それらを統括する自動人形『三河型』が艦内の生活支援をサポートする事になった。
 そんなメイド連中を統括する支援機が『境界線上のホライゾン』から持ってきた、『武蔵』と『鹿角』である。
 ハイスペックな彼女たち、しかも一人は航空都市艦“武蔵” 総艦長をやっていたにも関わらず、それでもコントロールが追いつかないぐらいエクゼクター級スター・ドレットノートは大きいのだ。
 ちなみに学園艦武蔵の全長は7300メートルである。
 それを全コントロールできる艦娘のなんと桁違いなことか。
 そんな訳で、やる夫と叢雲とこの二人の自動人形がまずした事が、艦中枢部への司令部の移動である。
 艦橋は残すが、EP6みたいに艦橋潰されてデス・スターの重力に捕まって墜落なんて考えたくもないからだ。
 体育館みたいなスペースに、司令官やる夫。艦長叢雲。副長武蔵。船務長鹿角が集まり、幕僚として百体の三河型自動人形の命で下で二百体の戦術ドロイドと二百人のシスターズがモニターを操作して関係各所に指示を出す形になる。
 なお、叢雲が休む時(主にやる夫といちゃつく時)は武蔵が指揮を取り、地球時代は叢雲のメイドとして鹿角が角を隠して派遣されていた。

「そういえば、色々呼んだけど艦娘はまだ呼んでいないのはどうして?」
「そりゃあ、お前しか呼ぶ気が無いからに決まっているじゃないか」
「もぉ……ばか」

 そんないちゃこらを始終見せられて、艦内ネットワークで毒を吐きまくる自動人形とシスターズが居るとか居ないとか。 
 

 
後書き
元ネタ
 プロジェクトF『魔法少女リリカルなのは』
 シスターズ『とある魔術の禁書目録』
 「ジャンクになりたいのかしらぁ?」(By 水銀燈)『ローゼンメイデン』
 仄シリーズ『シドニアの騎士』
 メンタルモデル『蒼き鋼のアルペジオ』
 マルチ・セリオ『ToHeart』
 三河型・武蔵さん・鹿角『境界線上のホライゾン』


やる夫の嫁と言えば、ハルヒ・水銀燈・かがみの世代の私。
これを元に征途世界の艦娘なんて話を作るつもりなのだから、フィルターオフしたやる夫の顔は多分新城直衛だと思う。 
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