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ドリトル先生と春の花達

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第十二幕その十一

「王子の国の気温と環境は台湾に似てるね」
「ああ、あそこに」
「そう、あそこに似てるからね」
 だからだというのです。
「充分咲くよ」
「そういえば台湾でも桜咲くよね」
「日本の統治時代に入ったんだ」
 日本人が植えたのです。
「それからだけれど」
「台湾で咲くのなら」
「王子の国は土壌も台湾に似てるし降水量もね」
「そこも台湾に似てるんだ」
「かなり似てるよ」
 そうだというのです。
「その台湾でも桜が咲くから」
「僕の国でも桜を植えられて」
「咲くよ」
 充分にというのです。
「だから安心してね」
「うん、じゃあ父上と母上にもお話して」
「そしてだね」
「桜を植えてみるよ」
「そうしたらいいよ」
「日本でしか楽しめないと思っていたら」
 それがとも言う王子でした。
「そうでもないね」
「そうだよ、だからね」
「是非だね」
「楽しむといいよ」
 王子のお国でもというのです。
「是非ね」
「そうさせてもらうね、あと台湾もね」 
「一度だね」
「行ってみたいね」
「あそこは面白い生態系と文化だしね」
 先生は海老フライを食べつつ王子に応えました。
「また行きたいね」
「食べものも美味しいらしいね」
「そちらも楽しみだよ、あそこも学問の宝庫だから」 
 それだけにというのです。
「また行きたいんだよ」
「桜もあるし」
「そうそう、ただ咲くのは日本本土より早いから」
 台湾の桜はです。
「そこは覚えておいてね」
「わかったよ、じゃあ僕の国で咲いても」
「本土より早いことはね」
「覚えておこうね」
「そうだね」
 こうしたこともお話しました、そうして王子は日笠さんが戻るとまた動物の皆やトミーのところに戻りました。
 そうして夕方までたっぷりと楽しんで、でした。後片付けをして帰る時に先生は満開の桜達を見て言いました。
「あと少ししたら散るけれど」
「それでもだよね」
「また来年だね」
「そう、来年の春にね」
 この季節になればというのです。
「咲くからね」
「その時にね」
「また楽しもうね」
「そうしよう、じゃあ今は帰ろうね」 
 先生は皆に笑顔で応えました、そしてです。
 今年の桜を楽しむことを終えました、寒かった春ですが無事にいつも通り咲いてくれて楽しめたことに満足しつつです、先生達は桜達の前を後にしてそうして今はそれぞれのお家に帰りました。


ドリトル先生と春の花達   完


                 2017.5.11 
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