こんな夢はもう嫌だ!
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こんな神様はもう嫌だ!
前書き
今日は3月18日、外はとても晴れていて気持ちの良い朝だ。そんな気持ちの良い朝の中、目覚まし時計が鳴り響いているが、俺はそれを無視する。もう学校に行かなければならない時間だが今日も学校に行く気はない。
「しかし今日もあの夢を見たな。どうなってんだ?」
あの夢とはここ最近毎日見る夢のことだ。俺はアニメや漫画が大好きでいつも異世界に行くことに憧れていた。まあそんなこと出来るはずもない願いだったが、どうしても諦めれずにいた俺は、せめて夢の中だけでも異世界にいきたいと思い、毎日のように異世界のことを考えながら寝ていた。もちろん四六時中。そんなことをしながら寝て三日後、夢の中にある一人の美少女が現れた。その美少女の髪の毛や瞳は金色で、笑顔がとても眩しく、まるで天使のような人だった。その美少女はいつも俺に「もう少し待って」と言っていた。最近のうちは、気にしていなかったが、今日合わせて1週間毎日現れるので、とても気になっていた。
「はぁーーあ、まだ7時だし、もう少し寝るか」そう言って、またベッドの中に入って寝た。するとまたあの夢を見た。
いつものように天使のような美少女が現れたがいつもとは違うことを言っていた。
「さあ準備が出来たわ。一緒に異世界へ行きましょう!」
その瞬間、辺り一面が輝き出し、俺はそのまま何処かに連れて行かれた。
起きると、ある美少女がおれの目の前に立っていた。俺はその美少女の正体に一瞬で気付いた。間違い無い、いつも夢の中に現れる、人だ。俺がそう思っていると、美少女がおれに向かって喋ってきた。
「ようこそ異世界へ」
「へ?異世界?どういうことですか?」
突然、訳の分からないことを言ってきたので拍子の抜けた声をあげてしまった。
「まあ、落ち着きなさい。ここは本当はあなたの夢の中だけど、異世界なの。」
「え?夢の中?」
「そうよ。実はあなたを夢の中から異世界に召喚したのよ。普通は、異世界に召喚させることは出来ないんだけど、夢の中からあなたの魂を異世界に飛ばして仮の体にいれて、召喚をしたの。」
召喚?どういうこと?今の話を聞いても理解出来ないおれだったが、せっかく念願の異世界に行くことが叶えそうなので、そこらへんは気にしないことにした。
「じゃあここって、もう異世界何ですか?」
「いや、ここは異世界に召喚するための、神殿みたいなとこかな。」
「へー、そうなんですか。でも何で僕なんかを異世界に召喚したんですか?他にもたくさん人はいるのに…」
俺は、そんな質問をしてみた。だって俺みたいなダメ人間をわざわざ異世界に連れてくる理由がないんだ。なのに俺を連れて来たってことは……もしかして!俺には選ばれし勇者的な力があったのか!
「あー、それはねこのガチャガチャで決めたの。」そう言って後ろに指を指した。
そこには巨大なガチャガチャマシーンがあった。
こんなテキトーな方法で決めたのかよ……やっぱり、俺なんかが選ばれし勇者な訳ないよね。うん!分かってたけどすっごく泣きたい気分なんだけど!っていうか何だよこの <異世界にいきたい中二病から選ぶガチャ> って!舐めてんのか!しかも10億人いるってどいうことだよ。おれの世界大丈夫なのか?
俺が一人でぶつぶつ言っていると
「なになに?自分のこと選ばれし勇者的な存在って思ってたの!超ウケるーー!とんだ自意識過剰だわー!」
そう言いながら、俺を馬鹿にしながら笑っている。
あれっ?なんだろう、無性にはらがたつんですけど!
「ち、違うし。別にそんなこと思ってねーし!」
「アハハハハッ!動揺している姿、超バレバレなんですけど!アハハハハ、超笑える!まあ…勇者ではないけどあなたの前世は………」
クッソ腹たつなこいつ!最後の方は聞こえなかったけど、どうせ俺のこと馬鹿にしてんだろ…
「笑いすぎだろお前!ってかあんた誰なんだよ!」
「アハハハハッ!あっ、そうだった自己紹介がおくれたわ。わたしの名前はラアナ。この世界を作った創造神ラアナよ」
「へー、そうなんだ」
「あんた反応薄いわね。神様よ!この世界を作った神様なのよ!」
「はいはい。神様ね。ちなみに俺の名前は佐々木かいと。カイトってと呼んでくれ。ってか聞きたいことがあったんだけど、何のために俺を異世界に呼んだんだ?」
「ふん!しゃーないわね教えてあげますよ!……実は私のうっかりミスで、魔王が超強くなっちゃって、歴然の勇者達がボコボコにされちゃって、そのまま、魔王が暴れているのよ」
「へー、だから俺を呼ん…ちょっと待てよお前何つった?」
「はー…ったく!じゃあもう一回言うからちゃんと耳の穴かっぽじってよく聞いといてよ!実は、私のうっかりミスで魔王が……」
「お前のせいじゃねーか!」
俺はこんな、能天気な自分のことを神様とか言っちゃってるいたい人に、つい怒鳴ってしまった。
「仕方ないじゃない!人間、一回や二回失敗するんだから!」
「何言ってんだ!お前は、神様だろうが!」
「神様も同じよ!ったく、あー、気分が悪い!さっさと異世界いくわよ!」そう言って怒りながら異世界に行こうとした。いやちょっと待てよ。俺はこのまま丸腰で行くのか?いやいやいや普通は、チート能力みたいなもん貰えるはずだろ。って!もう行こうとしちゃってるよあいつ。早くあいつを止めないと!
「ちょっと待て。なんかくれるものはないのか?アニメやマンガではここでチート能力が貰えるはずなんだけど」
「いるの?」
何こいつ。まるで、なくても大丈夫っしょ、みたいな顔しやがって!
「うん。無いと、魔王退治とかいうレベルじゃないんだけど…」
「仕方ないわね。じゃあ好きなチート能力を希望して。希望したのをあげるから。」
えっマジで好きなの、貰えるのか。何にしよーか。ここは慎重に……そうだ!
「なあ、異世界ってスキルみたいな感じのやつあるのか?」
「あるわよ。」
「よし!じゃあ俺は <スキル作成能力> にするわ」
「なるほどー、良いのにしたわね。ちょっと待って、準備するから」
それから5分後
「はいっ、これが説明書。」
「えっ、どういうこと?」
「いやー、スキル作成能力についてのいろいろな規制があったから」
「へー、そうなんだ。どれどれ」
<スキル作成能力説明書>
1. 強すぎる能力は作成出来ない
2. スキルの強さによってランクがあり、高レベルになるほど、ランクの高いスキルを作成出来る
3. 色々と細かい設定があるが気にしない
「だいたい分かったけど、なんかテキトーだな。」
「そんなことは気にしない!さあ異世界に行こう!」
「いや、ちょっと待てよ」
「何よあんた、いちいちうるさいわね。」
「なんかチュートリアルみたいにお試し出来ないの?」
「ったく…仕方ないわね。特別にランク4までのスキル作らせてあげるわ。感謝しなさい!」
「ありがとうございます!では早速」
何にしようか、超迷うな。出来れば便利なものがいいな。肉体強化にするか?いや魔法反射もいいな……そうだ個人情報ハッキング能力にしよう!これなら相手のステータスや弱点など様々な情報が得られるぞ。丁度ランク4だし。
「スキル作成」
そう叫ぶと俺の体が輝きだしたが、何も変化は無かった。
「なあ、本当にこれでスキルを作成出来たのか?」
「出来たわよ。試しに私に向かって強い思いを込めながら何か言ってごらん。」
「分かった。」
俺はラアナに向かって強い思いを込めながら叫んだ。
「ハッキング!」……
「どう?出来た?」
「ああ、成功した。」
「どうよ、私の強さは。まあ神様だから、超強いとは思うけど」
「えーっと。すごい!ステータスはほとんどトップクラス!……だが…」
「どうしたの?」
「………凶運度もトップクラスだ。おまけに知能が子ども以下だ……」
「えっ……‼︎」
「まあ気にすんな他は、トップクラスだし」
「私って…神様なんだよね。神様の知能が子ども以下なんて……」
「まあまあそういうこともあるよ。ってか早く異世界にいかしてくれ」
とても落ち込んでるようだが、そんなに落ち込むことなのか?っていうか、自覚なかったんだ…
「わ、分かったわよ。じゃあ行きましょうか」
そう言ってさっきの落ち込んだ顔は嘘のように消え、笑顔になった。…それより何でこいつも行こうとしてんだ。
「ちょっと待てよ!何でお前までついてくるんだよ!」
「だって、神様としてあなたを異世界に導くんだからついて行って当然でしょ。それに神様の仕事も面倒くさくなったから異世界に遊びに行きたいの。」
「絶対、最後のことが本音だろ!俺こんな知能が子ども以下なやつ絶対連れて行きたくねーわ!」
「あー、今言っちゃいけないこと言った!もう許さない!力づくで言ってやるんだから!」
「ふざけんじゃねー!おっおい、やめろー!」
「もう遅いわよ。異世界へ召喚!」
すると、天井から渦が出てきて俺たちを吸い込んだ。そしてそのまま俺たちhw異世界へと連れて行かれた。もちろん、あいつも一緒に。ふざけんじゃねー!こいつのせいで胸踊る冒険が台無しになるじゃねーか!
俺はあのクソ神様に怒りながら叫んだ!
「こんな神様はもう嫌だーーー!」
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