レインボークラウン
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第四百九十六話
第四百九十六話 女吸血鬼
美奈子は塾から家に帰った時に華奈子に話した。その話はというと。
「この前吸血鬼のお話したわよね」
「あのこと?」
「そう、吸血鬼って色々いるみたいよ」
「そうなの」
そのことは知らずこう返した華奈子だった。
「あたし吸血鬼っていうとドラキュラ伯爵だって思ってたけれど」
「あとキョンシーよね」
「そうしたのは知ってたけれど」
それでもと美奈子に言うのだった。
「他にもいるのね」
「そう、それでカーミラっていう吸血鬼もいるらしいわよ」
「カーミラ?」
「オーストリアかその辺りにいる吸血鬼で」
「オーストリアってドイツのお隣よね」
「そこにいる吸血鬼でね」
それでというのだ。
「奇麗な女の人らしいのよ」
「女の人の吸血鬼なの」
「そう、可愛い娘を狙って血を吸うらしいのよ」
美奈子はそのカーミラのことをさらに話した。
「言うなら女性版ドラキュラ伯爵ね」
「そんな吸血鬼がいるの」
「それで物凄く強いらしいのよ」
「あっ、それわかるわ」
カーミラが強いと聞いてだ、華奈子は美奈子にすぐに答えた。
「ゲームとか小説でも吸血鬼って強いから」
「アニメでもね」
「だからそれはわかるわ、ただね」
「ただ?」
「いや、そんな吸血鬼もいるのね」
カーミラのことを言うのだった。
「女の人の」
「そうよ、吸血鬼って男の人とは限らないのよ」
「そのこと覚えておくわね」
「私もそうするからね」
「出て来たら気をつけないと」
「可愛くなくてもね」
「いるってことだけでね」
それだけでもというのだ。
「注意しないと」
「日本にいなくてもね」
「それでもね」
二人で話す、そして今度は華奈子から美奈子に聞いた。
「そのカーミラって人そんなに奇麗なのね」
「そうみたいよ、嘘みたいに奇麗な人みたいよ」
「そんな人なら襲われないなら見てみたいわね」
どんな美人か実際にというのだ。
「一度」
「襲われないならね」
美奈子もこのことには同意した、二人はまだこれからとてつもなく大きな騒動が起こっていくことには気付いていなかった。
第四百九十六話 完
2017・11・2
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