仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第3章 激闘!ディエンド編
第41話『因果継承の繰り手』
『再びやってきたフォーゼの世界で僕を待ち構えていたのは、牡羊座のゾディアーツだった。その時間を救い安堵したのもつかの間。仮面ライダーディエンドの宣戦布告によって、僕の新たな戦いが始まった。』
─無限の時が鼓動を止め、人は音もなく炎上する。誰ひとり気づく者もなく、世界は外れ紅世の炎に包まれる。
「事は厄介だ。」
「仮面ライダーディエンド、海東大樹さんがいろんな世界の宝物、私たちの世界で言う封印指定級ロストロギアを狙っているんだっけ?」
「俺達でいうところの祭具殿に封印しておくレベルのやつか。」
「ああ。そして、宝物を失えばその世界の根幹は崩れ、ディケイドが引き起こす世界の崩壊と同じようになる。」
「それって、羽入ちゃんを失った俺達の世界みたいに!?」
「ああ、そうなってしまう。だけど、そんなことは僕がさせない。この世界も、人々も、願いも、僕が救う。」
「それで、雅はこの世界の宝物に心当たりは?」
「…ある。おそらく、海東が狙っているのは宝具『零時迷子』だろう。」
「今まで海東さんが狙っていた宝物って、G4システム、ファイズドライバー、ケルベロスのA、音擊道の極意、マスクドライダーシステム、イマジン、RS装置、ギギの腕輪、それにキングストーン。その零時迷子っていうのも凄い力を秘めているの?」
「ああ。零時迷子は攻撃性は皆無だが、その本質は永遠の回復。名前の通り、毎夜零時に生体エネルギーを完全に回復させる力を秘めている。そして、その零時迷子はこの世界の主人公、坂井悠二に宿っている。」
「それじゃあ!?」
「ああ。奪われれば確実にこの世界は主人公を失い崩壊、最悪消滅する。」
「どうして、消滅するんですか?」
「そうだな、まずはこの世界の説明をしよう。この世界は、紅世と呼ばれる異世界が存在し、紅世では力が最優先され、弱者は強者に付くことでその身を守っている。紅世に種族は二種類いる。一つが徒と呼ばれる多数を占める紅世の住民。宝具を持つ者はあまり存在せず、生体エネルギーである炎も小さい。もう一つが王。大半が強力な力、もしくは多数の宝具を所持している。そして、炎も大きい。」
「ねえ、さっきから出てくる炎って?」
「炎というのは、当然物理的な炎ではない。この世界において、紅世と接点のある者には存在の力の証として心臓部に炎が現れる。その炎が明るく、大きいほどより強い力を持ち、より長き命を持つ。人間が紅世に関係する状況は二種類。一つは徒、もしくは王によってその命を食われ、その人間が急に居なくならないように生み出される残りかす、トーチとなること。」
「命を食べる?」
「ああ。紅世の住民は人間の命を食らい、その存在の炎を高める。」
「そんなことの為に…」
「ああ。そして、もう一つの手段が、その王と契約を結び、紅世の住民を狩る戦士、フレイムヘイズとなること。」
「王と、契約?」
「ああ。人間の数が減れば世界のバランスが崩れ、やがて紅世にも影響を及ぼす。王の中にはそう考える者も多い。そういった王達は世界の事など眼中にない王を消したく思っている。しかし、自身にはその力がない為、人間の力で干渉するシステムを開発した。それが人間との契約だ。契約している間は行動の自由は失われるが、存在の炎は消費されず、パートナーとなる人間と生活を共にする。」
「中には、世界のバランスを考える人もいるんだ…」
「いや、王達は基本的に自分の生活環境が破壊されると困るからであって、人間のことなど眼中にないのは、フレイムヘイズと契約する王達も変わらない。」
「そうなんだ…」
「とりあえず、悠二さんには一人手練れのフレイムヘイズがいてくれている。ひとまず、外の様子を見てくる。」
雅は外へ出る。
雅が外へ出ると、外は紅世の者達が扱える妖術、自在式の結界である封絶によって世界は止まり、赤く染まっていた。
「既に、誰かの食事中だったか。」
雅は封絶によって動けない。そして徒達が放つ使い魔、燐子が雅を発見し近づく。
「これは、万事休すか。」
雅は諦めかける。その時、
『ねえ、助かりたい?』
何処からか女性の声が聞こえる。
「あなたは?」
『私?私は紅世の王、“風鈴”エリュゲイル。ちょうど今フリーでね、パートナーを探していたの。それで、あなたがピンチみたいだから助けてあげようって思ったわけ。どう、乗る?』
「選択肢があると思いますか?」
『分かっているみたいね。』
「命を狙われている状況で契約しない方を知りたいくらいです。」
『オッケー。それじゃあ、あなたは今日からフレイムヘイズ“因果継承の繰り手”よ。』
“風鈴”エリュゲイルはその存在を現界させる為に剣型の神器、クラウソラスを現界させ、雅は手にとり、透明の炎が宿る。
『さあ、くるわよ、雅!』
「ああ!」
燐子達は雅に向かって進んでくる。雅はクラウソラスを横薙ぎに払い、燐子達を倒してゆくが、それでも呆れるほどの量がいた。
「これだとこの方がいいな。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
雅はディロードに変身する。
【FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE DARK-】
ディロードはダークケータッチを使い、コンプリートフォームサイドダークに変身する。
「軍勢相手なら、これだ。」
【KIVA DARK KAMEN RIDE-DARK-】
ディロードはダークキバを召喚。波状結界で燐子達を全滅させるが、封絶が解除されない為、ディロードはマシンディローダーで市街地を回る。
「どこに残りがいるんだ…」
ディロードが探していると、燐子達と戦っている炎髪灼眼の少女がその身にあわぬ大大刀を振りかざしていた。
「見つけた。奴らか!」
ディロードは変身を解除し、雅はクラウソラスで燐子達を全滅させる。
「あんた!何者!?」
「僕は紅世の王“風鈴”エリュゲイルのフレイムヘイズ“因果継承の繰り手”凪風雅。あなたこそ、お名前を教えていただけませんか?」
「私は紅世の王“天壌の業火”アラストールのフレイムヘイズ“炎髪灼眼の討ち手”贄殿遮那のフレイムヘイズ。」
「呼ばれ方を聞いているのではなく、名前を聞いているのですが、もしかして…」
「そんなもの必要ない。」
「名前は必要です。時には、名称での会話も必要ですから。」
雅が“炎髪灼眼の討ち手”と会話していると、
「シャナ、ここにいたんだ!」
この世界の主人公、坂井悠二が現れる。
「シャナという名前があったのですか。」
「だから、その呼び名は必要ない。」
雅の言葉にシャナが反応していると、
「ここにいたんだー。」
ディエンドが現れる。
「海東!紅世と関わりのないあなたがどうして!」
「君はディケイドとディエンドのシステムを忘れたのかい?」
「システム?…まさか!」
「そう。僕はこの世界の干渉を受けない。さて、そのお宝、零時迷子はいただくよ!」
ディエンドは悠二に向けてディエンドライバーからエネルギー弾を放つ。
「危ない!」
雅は咄嗟にクラウソラスでエネルギー弾を防ぐ。
「シャナさん、悠二さん、ここは僕に任せて、お二人は安全な場所へ!」
「あんた何を言っているの!」
「話は後でたっぷりします!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、ディエンドに向かってゆく。
「エリュゲイル、大丈夫ですか?」
「問題ないわ。それどころか、思った通り楽しい事が起きそうね。」
「僕は少しも楽しくないですけど!」
雅はクラウソラスでディエンドを切り裂こうとするが、ディエンドは怯まずディロードに銃口を向ける。
「そうはいくか!」
ディロードはロードスラスターでディエンドを切り裂き、ディエンドは怯む。
「海東、これでどうだ!凪風流、二刀流奥義!双迅!」
ディロードは二振りの剣をタイミングをずらした横薙ぎの一閃でディエンドを攻撃。ディエンドの変身は解除される。
「さて、今回は諦めよう。でも、この世界のお宝は後で必ず手に入れる。」
海東はそう言って去って行く。そして、封絶は解除された。
「この封絶は一体誰が?」
「おそらく、あの燐子達を放った王でしょうね。それよりも、さっきのあれについて教えなさい。」
「わかりました。ゆっくりお話したいので、僕の住んでいる場所まで来ていただけますか?」
「構わない。ミステス、あんたも来なさい。」
「シャナ、いい加減名前で呼んでよ!」
雅の言葉でシャナと悠二(こちらは半ば強引に)は古手神社宝物庫に向かった。
「みんな、客人が二人いるからお茶を出して。」
雅に連れられてシャナと悠二も入ってくる。
「まずはあんたは何者?」
『確かに、それは私も気になっていたわ。』
シャナの質問にエリュゲイルも便乗する。
「僕は凪風雅。この世界とは異なる次元、所謂異世界からやって来ました。」
「異世界なんて、本当にあるの?」
「悠二さんは、自分の状況を見てそれを言いますか?」
悠二の質問に雅は軽く答える。
「それで、何でこの世界に来たの?」
「理由は一つ。先程の男、海東大樹を追って来ました。」
「それで、あの男はそこのミステスの宝具を狙っていたみたいだけど、何が目的なの?」
「あの男はただ世界の根幹を担う宝物を集める厄介者で、彼を止めないと、最悪の場合大災厄クラスの被害を出しかねません。」
「こいつの宝具ってそれほどの物なの?」
「はい。“万条の仕手”の旧友達が作られた代物と言えばどの程度か分かりますね?」
「ヴィルヘルミナの旧友が?なるほどね。」
雅がシャナに説明していると、
「アプリコットティーでよかったでしょうか?」
フェイトが二人分の紅茶を用意してやってきた。
「雅、さっきから出てくるミステスって何?」
「みんなにはこの世界の事を完璧に教えていなかったね。ミステスというのは、トーチが出来上がる際に紅世から不確定な確率で宝具が宿る場合がある。大体はトーチの最後の願いに合わせた宝具だけど。要するに宝具を宿したトーチと覚えておけば大丈夫。」
「そうなんだ。」
フェイトはシャナと悠二にお茶を出して立ち去る。
「それで、あんたはそこの“王”とどうして契約したの?あんたは別に戦えるのに。」
「力があっても、封絶を相手には手も足も出ません。そのときにエリュゲイルが来て契約しました。」
『何!?“風鈴”だと!』
「アラストール、どうしたの?」
雅の言葉を聞きシャナと契約している紅世の王“天壌の業火”アラストールは反応し、シャナは尋ねる。
『“風鈴”と言えば我々の中で知らない者はいないほどの気分屋だ。かつては大戦の幹部をしていたかと思えばつまらないという理由で我々に着くほどだ。して“風鈴”よ。何故その男を選んだ?』
『相変わらずお堅いわねぇ、“天壌の業火”。そんなの面白そうだからに決まっているでしょう。だって異世界のフレイムヘイズって希少だと思わない?』
『だが、我々の役目は世界の調和。それを自ら破壊しようとは。』
『いいじゃない。それよりも、“炎髪灼眼の討ち手”ちゃん、実はこの町にいる“王”ってさっきの燐子の数でわかると思うけど凄くやばい奴なの。だから、少しでいいから協力しない?』
「…構わないわ。強大な王を相手に停戦協定を結ぶのはよくある話よ。乗るわ。」
雅は、エリュゲイルのサポートによって強力な味方を得た。
to be continued
次回、仮面ライダーディロード
ついに現れる紅世の王“狩人”フリアグネ。その攻撃で雅は大敗を喫する。今こそ、その封印を解く時。次回、『凪絶つ風』
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