下ネタ好きの高木さん
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赤と青
ある日の放課後。
「ねぇ、西片」
「なんだい、高木さん」
「もしもの話だよ」
「うん?」
「もしもの話、西片が爆発物処理班の人だったとするよ」
「唐突だね、高木さん!」
「爆弾を処理して、最後に赤と青のコードが残りました。さぁ、どっちを切る?」
「……なんだい、その質問は?」
「ほら、早くしないと爆発しちゃうよ。10、9、8――」
西片くんの脳裏に昨夜見た、心理テストをあつかったテレビ番組の内容がよぎる。
赤は警告や警戒をうながす色で、青は逆に鎮静色で対比になっており、心理的なトリックやフェイクとして使われやすい色だと。
(人は無意識に赤を危険だと判断して避ける傾向にあるから、選択問題の場合、逆に赤を正解にもってくるとか言ってたっけ……)
「5、4、3――」
「ずばり、赤だね」
「なんでそう思うの?」
「それはね、高木さん。赤というのは警戒色で――」
「あはは、昨日見たテレビでもおなじこと言ってた」
「なんだよ、高木さんも見てたのか」
「じゃあ、次はもしもの話じゃなくて、リアルで色当てしようよ」
「なんの色当て?」
「私の下着の色」
「フハッ!? な、なにを言い出すんだい、高木さん!」
「もし当てられたら……見せてあげる」
「なん……だって……」
「見たいでしょ、女子の下着」
「なななな、な、なにを言ってるんだい、高木さん! オレがそんな破廉恥なことを考えているわけ――」
「女子の下着、見たい。見たくない。どっち」
「そ、それは……」
「……私の下着、見たくないの?」
「……み、見たい、です」
「ヒントはさっきの話だよ」
「え、それって……」
赤か青。
(今日の高木さんは赤か青。どちらかの下着を穿いている。てことだよな……)
「はずれたら、西片の負けだからなにかおごってね」
「…………」
「制限時間は一分だよ」
「ちょ、ちょっと待って高木さん。さっきの話がヒントってことは、赤か青のどっちかってことだよね?」
「んー、もうヒントは言ったからこれ以上はなしだよ」
「くっ」
赤。
青。
赤か青か、青か赤か。
赤、青、赤、青、赤、青、赤、青、赤青、赤青、赤青赤青赤青赤青赤青赤青――。
(ヒントはさっきの話……。やはり、赤か青の二沢。そしてオレは赤だと言って、高木さんは爆発したとは言わなかった。つまり、赤が正解? いや、その裏をかいて青だってことも――)
「ほらほら、何色かな~」
高木さんは悪戯な笑みを浮かべ、熟考する西片の前でスカートの裾を指先でつまむと膝上までたくし上げる。
細く、しなやかな太ももがあらわになり、思わず視線が注がれる。
「正解すれば、見せてあげる」
(くっ、高木さんめ、オレの思考を中断させる露骨な心理攻撃を!!)
制限時間がせまる。
「あ、赤だ!」
「…………」
「あ、当たった?」
「んー、残念。はずれ」
「え、ええ~っ。だってさっきの爆弾の話じゃ赤だって」
「私、爆弾の話はしたけど、赤か青のどっちが正解かって話まではしてないよ」
「くっ、たしかに。……じゃあ、いま高木さんが穿いている下着の色は……」
「青だよ」
「ああ……」
もしも正解して下着を見せつけられたら、どうなっているかと思うと、はずれたことが悔しくもあるが、よかったとも思う西片くんであった。
「訊かないの?」
「え?」
「ほんとうに青なのか、訊かないの? 実際は赤なのに私が嘘をついてるかも知れないよ」
「高木さんはそういうことをする人じゃない。と思うから」
「うれしい! 西片は私のことを信じてるんだね」
「そ、そりゃあそうさ」
「私のことを信じてくれたお礼に、見せてあげる」
「フハッ、な、なんだって、高木さん!?」
「ほら、よ~く見て……」
高木さん西片くんの目の前で、ゆっくりとスカートをたくし上げる。
「…………」
健康的な太ももの、そしてその上の股間が見えそうになるギリギリの瞬間で高木さんの手が止まった。
「高木さん?」
「これ以上スカート上げるのは恥ずかしいよ」
「そ、そんな!」
「西片がしゃがんで。そうすれば、見れるでしょ」
「う……」
たしかに今の高木さんの状態なら、少しかがめば丸見えだ。
だがそれは、それはあまりにもこちらが破廉恥で変態的な行為をすることにならないだろうか。少なくとも西片くんはそう思った。
だが、見たい。
高木さんのスカートのなかを、下着を見たい。
「しゃ、しゃがむね」
「うん」
ゆっくりとかがむと、西片くんの目に高木さんの秘所を隠す青い布地がはっきりと映った。
「あ、青だ……」
「そうだよ、青だよ」
フリルもついていない、飾り気のない厚手の青いパンツだ。
そこいらのアイドルよりもはるかにかわいい高木さんが穿くには地味すぎる感じがしたが、それがかえって興奮した。
心臓の鼓動が高まり、息が荒くなる。
身体の一部に血液が集まり、急速にかたくなる。
(やばい、我慢できない!)
西片くんはズボンの上から自分の分身を握りしめた。充血したそれは激しく興奮しており、刺激を与えないとおかしくなってしまいそうだ。
だがそれは、そうすることは『次』への欲望をうながすことになる。この場で思う存分に肉棒をしごきたいという欲望を。
「えいっ」
「うわっ」
裾を持ったままの高木さんの手が上がり、スカートをいっきにたくし上げた。おへそまで見える。そう思った西片くんの視界に入ったのは高木さんの形の良いおへそではなく――。
「水着!?」
高木さんは制服の下に学校指定のスクール水着ではない、ワンピースタイプの競泳用スイムウェアを身につけていた。
「パンツだと思った? 残念、水着だよ」
「え、ええ~」
「あはは、西片ってば下着だと思ってガン見しちゃうんだもん。ちょーうける」
「な、なんで。今日は水泳の授業なんてなかったのに」
「学校の帰りにスポーツジムで泳ぐから、さっき着替えたんだよ」
「……ハッ! ずるいぞ高木さん。『下着』じゃなくて『水着』じゃないか」
「下着と水着のちがいはなに?」
「そ、それは……」
「これは水着だけど、服の下に来てたから下着でもあるよ」
「ぐぬぬ……」
「じゃあ、泳いでくるから。またね、西片。あ、今度ちゃんとおごってね」
高木さんは満面の笑みを浮かべて西片くんにさよならをして去っていった。
その夜。
(高木さん、君は上手くだましたつもりかも知れないけど、正直男子にとって水着も下着もおなじようなものなんだよ。つまり――つまり……ハァハァハァハァ、あんな少ない面積の布地で身体を、あんな薄布一枚で、ハァハァ、身体が、高木さんの競水姿……ハァハァ――)
高木さんのスリムな身体にフィットした青い競泳水着。わずかに盛り上がった胸のふくらみ。股間の食い込み。
(高木さん、君はオレに賭けで勝ったけど、それ以上にすごい贈り物をくれたんだよ、高木さん、ううっ)
脳裏に焼きついた水着姿の高木さんを思い浮かべ、自慰に耽る西片くんであった。
おなじ頃。
「西片、ぜったいオナニーしてる。私の水着姿を思い出してシコってる……」
ベッドの上で身をよじり、両手で股間をまさぐる高木さん。
「西片が、私のこと思い出してシコシコしてる。おちんちんしごいてる……んんン」
好きな男子が自分を想って自慰に耽る。その様を想像し、自身もマスターベーションにおよぶ高木さんの姿があった。
「あ、イクッ。イクよ高木さん、イクイク、ううっ!」
「あ、くる、きちゃうよ、西片。あ、ん、ンンーッ!」
この夜、ふたりは期せずしておなじ時間におたがいを想ってオーガズムに達したのであった。
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