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ドリトル先生と春の花達

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第十幕その三

「日本のお城独特でね」
「他の国のお城の塔よね」
「そう思っていいよ、ただね」
「日本に入ってなのね」
「元々は西洋のお城の天主だったけれど」
「それが天守閣になったのね」
「天主閣からね」
 呼び方は同じですが漢字と違うというのです。
「そうなったんだ」
「じゃあ元は塔なのね」
「日本の天守閣もね」
「木造の」
「そうなのね、それと日本のお城は街じゃないし」
 サラはこのこともお話しました。
「独特ね」
「うん、そこもね」
「日本独特なのね」
「日本では城下町だから」
「城塞都市じゃなくて」
「言うなら砦で」
 他の国で言うそちらだというのです。
「そこに天守閣があるんだ」
「それが日本のお城ね」
「そうなんだ、大阪城もだよ」
「あの立派なお城もなのね」
「姫路城もいいけれどね」
 先生は同じ兵庫県にあるこのお城のお話もしました。
「大阪城もいいね」
「そうよね、それでそこの桜もね」
「観るのね」
「そうしてくるわね、家族で」
「サラに桜をどうかって言おうと思ってたけれど」
 先生は昨日皆とお話した時のことを思い出しました。そのうえでのお言葉です。
「もう決めていたんだね」
「日本の桜は世界的に有名でしょ」
「それでだね」
「私も知ってるし」
 それでというのです。
「是非ね」
「大阪城でだね」
「楽しんでくるわ」
「そうしてくるといいよ、太閤さんも喜んでくれるよ」
「戦国時代の人ね」
「日本のね、その頃日本は領主ごとに分かれていたけれど」
 大名の人達をサラがわかりやすい様に日本でも西洋でも使われる領主という表現で説明しました。
「その日本を統一して平和をもたらすことに貢献したんだ」
「そうした人なのね」
「織田信長さんの跡を継いでね」
「確かお百姓さんからよね」
「うん、天下人にまでなったんだ」
「天下人?」
「首相と考えて」
 天下人はイギリスで言うとそうなるというのです。
「立場はそんなところだし」
「あっ、日本には天皇がおられるから」
「そう、王と同じでね」
「天皇とは別に政権を担当してるから」
「首相と考えてね」
 その様にというのです。
「受け止めてくれればいいよ」
「わかったわ、太閤さんは首相ね」
「その前の信長さんも後の徳川家康さんもだよ」
「幕府を開いた人ね」
「立場を考えるとね」
 そうすると、というのです。
「この人達は首相と思っていいね」
「政党を率いる」
「ううん、幕府も政党になるかな」
「私そう思ったけれど」
「そうだね、政党までは考えていなかったけれど」
「兄さんのお話を聞いてそう思ったわ」
「イギリスの感覚だとそうなるね」
「そうね、じゃあ首相の住んでいた宮殿ね」
 大阪城はというのです。 
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