ドリトル先生と春の花達
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第九幕その十一
「アーサー王が薔薇の刺青?」
「ロビンフッドとかが」
「騎士や提督さんがそうするとかね」
「想像も出来ないよ」
「これも面白いね」
先生は金さんを観つつ腕を組んでいます。
「この人は実在人物だしね」
「あっ、そうなんだ」
「遠山の金さん実際にいた人なの」
「忠臣蔵はそうだって知ってたけれど」
「大岡越前、暴れん坊将軍、水戸黄門も」
「それで遠山の金さんもだったんだ」
「実際にお奉行だったんだ」
金さんはそうだったというのです。
「桜吹雪じゃなかったけれど刺青も入れていたそうだよ」
「へえ、刺青まであったんだ」
「本当にいただけじゃなくて」
「お奉行もしていて」
「そうしたこともなんだ」
「実際に名奉行でざっくらばらんとした性格で人気もあってね」
それでというのです。
「今も愛されているんだ」
「成程ね」
「金さんのこともわかったよ」
「先生本当に色々知ってるね」
「学者さんだけあるね」
「僕も調べていて面白かったよ」
金さんのことをというのです。
「金さん以外の人のこともね」
「時代劇も面白いんだね」
「実際にいた人達を扱っていて」
「それでだからね」
「ここまで面白く出来るんだから」
「じゃあ金さんのことも思いつつね」
そうしてというのです。
「桜を楽しみにしていようね」
「あれっ、桜吹雪じゃなかったのに?」
「実際には」
「それでもなの?」
「桜を楽しみにするの」
「そこはそれだよ」
笑って返した皆でした。
「時代劇の方の金さんってことで」
「ああ、そういうことだね」
「実際の遠山さんじゃなくて」
「時代劇の方の金さんを思って」
「それでだね」
「そうだよ、桜も観ようね」
和歌会、そしてお花見でというのです。
「いよいよね」
「うん、そうだね」
「いよいよ蕾も出て来たし」
「先生が言った通り」
「そうしようね」
皆もこう応えます、そしてでした。
先生達は金さんの一件落着の声を聞きました、そちらではもう桜は見事な満開の状況でした。
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