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詩集「棘」

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後書き
  夢の終わりに…



 長らく紡いできた詩集も、これで役目を終えたのだと思います。

 全三百十一編…ただ一人を想い紡いできたものです…。

 片割れの歌集「春雪花」も終らせ…今は胸にポッカリと穴が空いたような気分です…。

 愛した人に愛した人が出来た…本当は喜ばしいことなんですよね…。
 でもやっぱり…それを喜べない私は、何て小さいのでしょう…。


 読んで下さった皆様、本当に有り難う御座いました。
 この詩集…皆様はどう感じたのでしょうね…。

 所詮はただの独り善がり…下手の横好き…。

 それでも、想いは本物でした…。


 人間とは…本当に儘ならないものです。
 そんな儘ならない人間の心は…もっと儘ならないものなんですよね…。

 苦しみや淋しさ…辛さや哀しみになんて、誰しも慣れなくはないものです。 しかし…この世界にはそういったものが多いのも事実…。

 同性愛者である私には…いや、私と言う同性愛者と言うべきでしょうか…どうしてもこの世界は生き難い…。

 努力…それだけでは役に立たず、なけなしの運すら意味もない…。

 人は皆、いつかは消え逝く…それを分かっているからこそ、まだ堪えられるのかも知れません。
 在り来たりな日常を遣り過ごし…泣き続ける心宥め賺し…さも何もないように振る舞って…。


 もっと自由であれたら…全てを吐露し、思いのまま生きれたら…。

 そうしたら私は…どんな人生を送ったのか…知りたいような気もします。

 それでは…これで終幕と致しましょうか…。


 この詩集を読んで下さった全ての方々に幸多からんことを…。




平成二十七年十二月七日

   最愛なるTへ…



 
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