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ドリトル先生と春の花達

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第八幕その九

「最近寒いですよね」
「どうにもね」
「だから早く暖かくなる様にですね」
「お祈りに来たんだ」
 先生もはm子さんににこりと笑って答えました。
「桜や春の精霊や太閤さんにね」
「そして天神さんにですね」
「そうなんだ」
「ではどうぞ」
 巫女さんは飲んでいての赤ら顔で応えました。
「お祈りして下さい」
「それではね」
「いや、確かに寒いですね」
「そうだよね」
「こんな寒い春ははじめてです」
 巫女さんにしてもです。
「私も」
「神戸にいてもだね」
「そうなんです」
「ここまで寒いと桜も」
 それもというのです。
「咲くのが遅れますね」
「そうなるかも知れないね、僕も心配してね」
「精霊にですね」
「お祈りしに来たけれど」
「神社だから神様ですね」
 巫女さんはこう先生に答えました。
「日本の」
「そうなるんだね」
「はい」 
 その通りだというのです。
「日本は神様です」
「八百万の神様だね」
「そちらですね、お寺では仏様で」
「そうなるね」
「まあうちはさあ蔵や春の神様も祀ってますし」
「天神様と太閤さんもだね」
「祀っています」
 そうしているというのです。
「他にも色々な神様をお祀りしています」
「そうだったんだね」
「この学園に関係のある神様は大抵ですね」
 日本のそうした神様はというのです。
「お祀りしていますので」
「だから桜や春の神様もお祀りしていて」
「天神さんは学問。太閤さんは立身の神様として」
 それぞれというのです。
「お祀りしてるんです」
「じゃあ僕がお祈りしてもだね」
「はい、どうぞ」
 一向に構わないというのです。
「神様も宗教の違いは気にしませんから」
「日本の神様は凄いね」
「多いですからね」 
 八百万と言われるだけあってです。
「古事記や日本書紀なんかどれだけの神様が出て来るか」
「人も神様になって」
「そうしてどんどん増えてもいますし」
 このこともあってというのです。
「まあ宗教の違いはです」
「どうでもいいんだね」
「日本では」
「その辺りがまた日本だね」
「日本独特ですね」
「全くだね、ではね」
 これからというのでした。
「お祈りさせてもらうよ」
「どうぞ」
 笑顔で応えてです、そのうえででした。
 先生は今度は日本の神々にお祈りをしました、その後で巫女さんに言われました。
「困った時の神頼みで」
「こうしてだね」
「困った時は何時でも来て下さい」
「それでいいんだね」
「日本の神様は」
「そうなんです」
 まさにというのです。 
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