転生とらぶる
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ペルソナ3
1894話
ゆかりとの電話が終わった後、次に電話するのは当然桐条だ。
……時間的に、普通ならとてもではないが電話をする時間ではないのだが、影時間に活動している桐条達にとっては、まだ十分許容範囲内だろう。
そんな訳で、桐条に電話をすると、予想通りすぐに電話に出た。
『アルマーか? どうした?』
「ああ、今日タルタロスに行ったんだが、16階の封印が解けていた」
『……何っ!?』
俺が何を言ったのか分からなかったのだろう。
数秒沈黙した後で、驚愕の声を発する。
『それは本当か?』
「ああ。17階を軽くだが探索した。……16階までとは壁や床の模様が違っていたが、それでも同じようにシャドウが出てくるし、宝箱もあった。ああ、ちなみにシャドウは当然のように15階までの階層では見た事がない奴だったぞ」
『なんと……いや、だが、何故急に封印が?』
「その辺は俺にも分からないな。もしかしたら、昨日のモノレールの一件が影響している可能性はあるが……その前の満月で戦ったイレギュラーシャドウを倒した時は、特に何も起きなかったしな」
最初は寮を襲ってきたイレギュラーシャドウを倒す事で封印が解けるかも? と思わないでもなかったが、実際には何もなかった。
だとすれば、昨日のモノレールで出てきたイレギュラーシャドウが関係しているかどうかは……微妙なところだろう。
「まぁ、このままタルタロスを上っていけば、多分また封印されている場所がある可能性もある。それで次の満月で封印が解ければ、決まりだと思っていいだろうな。……まぁ、そこまで上手くいくかどうかは、微妙なところだが」
『ふむ、そうだな。……それしかないか』
桐条もそれ以上の考えは思い浮かばなかったのか、俺の言葉に素直に同意する。
「それで、お前達は今日はどうしたんだ? タルタロスには来なかったみたいだが」
『ああ。生徒会室での一件があってな。……伊織が寮に戻ってこなかったから、それを探していた』
あー、なるほど。
何だか声が微妙に疲れているように感じると思ったら、本当に疲れてたのか。
にしても、順平が家出するとはな。……この場合、家出でいいんだよな?
「で? 順平は見つかったのか?」
そう尋ねると、携帯電話から聞こえてきたのは疲れたような溜息。
『一応、な。ただ……かなり意固地になってしまっている。まぁ、ここ最近は伊織も色々とあったのを考えると、それもしょうがないのだろうが』
この場合の色々というのは、恐らく……いや、間違いなく俺とのゴタゴタだろう。
どうやら、あのまま生徒会室を飛び出て、結局寮には戻らなかったらしい。
いやまぁ、その辺りの事情は分からないでもないけどな。
順平の性格を考えると、ちょっと意外な感じはしないでもないが。
「それで、順平はどうなった? 見つかったのか?」
『ああ。幸い影時間に動いている者は多くない。見つけるのは難しい話ではなかった』
桐条のペルソナは、基本的に戦闘用だがバックアップも出来ない訳ではない。
……ん? だとすれば、もしかして荒垣がペルソナを召喚したのも知ってるのか?
そんな疑問を抱いたが、桐条がそれを口にする様子はない。
恐らく、桐条の方ではそれを認識していない……といったところか。
それならそれで構わない。寧ろ、その件を知られると……ああ、いや。でも、そうだな。
「なぁ、桐条」
『うん? どうした、改まって』
ふと俺が言葉の調子を変えたからか、桐条が不思議そうな声で尋ねてくる。
そんな桐条に、俺は改めて口を開く。
「ペルソナを召喚する時に使う、召喚器。もしかしたら、もう1つ必要になるかもしれないんだが、どうにかなるか?」
『何? それはまぁ、可能かどうかで言われれば、可能だが。しかし、私にそう言ってくるという事は、もしかして荒垣か?』
昔の仲間だからか、桐条は俺の言葉にすぐ荒垣の事だと察したのだろう。そう尋ねてくる。
いやまぁ、元々俺達のパーティは3人で、ゆかりは既に召喚器を持っている以上、そこで追加されるとすれば、当然のように荒垣の分だと予想するのは、そう難しい話ではないんだろうが。
「そうなるな」
『……荒垣のペルソナを、見たのか?』
「ああ。まさに騎士って感じのペルソナだったな。それも、かなり強力なペルソナだ」
『そうか。だが、その……何と言えばいいのか……』
言いにくそうに言葉を濁す桐条だが、これは恐らくペルソナの暴走に関してだろう。
その辺りを聞きたいが、もし俺がその暴走について知らないのであれば、それを自分が口にする訳にもいかないと、そんな感じで。
「暴走の件なら心配するな。俺の前でも暴走したが、それを取り押さえるのは難しい話じゃなかった。……それに、恐らくだが荒垣がペルソナ使いとしての腕を磨いていけば、そのうちカストールをきちんと制御出来るようになるだろうしな」
『……そんなに簡単にどうにか出来るものなのか?』
「この辺りは、恐らくとしか言えない。ただ、荒垣のペルソナは俺が見てきた中でも極めて強力なペルソナに見える。だからこそ、それを完全に操る事が出来ないんだ。だから、それを十分に操る事が出来るようになれば、問題はないと思う」
『それが一番難しいのだがな』
しみじみと呟く桐条。
まぁ、実際その言葉通りに、それが難しかったからこそ、荒垣は皆の迷惑にならないようにと、桐条達から離れたんだろうが。
勿論、荒垣本人から完全に事情を聞いた訳でもないので、確実とは言わないが。
ともあれ、桐条の言葉通りにそれが一番難しいというのは事実なのだが、幸いにも俺にとっては荒垣のペルソナが暴れても特に問題はない。
……ただ、ゆかりがその場にいるというのは若干心配ではあるが、そのゆかりも最強のペルソナ使いとしての能力がある。
タルタロスの中で実戦を繰り広げて成長してきたのだから、ゆかりとイオであれば荒垣とカストールを相手にしてもどうにか出来ると思う。
勿論絶対ではないから、何かあった時にすぐ対応出来るように俺がいるんだが。
「とにかく、召喚器の用意を頼む」
『それは問題ない』
「じゃあ、明日の朝にでも寮に取りに行くけど、それで構わないか?」
『ああ、そうしてくれ。出来ればこれは学校に持っていきたくはないからな。……そう考えれば、アルマーの空間倉庫というのは非常に便利な代物だ』
「それは否定しない」
俺が持ってる能力は色々とあるけど、空間倉庫はその中でも最たる能力の1つだ。
バルジやジェネシス、ホワイトスターといった代物ですら入れる事が出来るのだから、便利極まりないと言ってもいいだろう。
これで、生き物とかも入れる事が出来れば、もう言う事はないんだが……まぁ、そこまで贅沢を言ってもな。
ともあれ、その後桐条とは20分程話をしてから、電話を切る事になるのだった。
翌日、いつもであればまだ食後でゆっくりとTVでも見てる時間……俺の姿は、寮の前にあった。
既に何度も来ているこの寮は、巌戸台分寮。
桐条達のパーティが住んでいる寮だ。
俺が影のゲートで寮の前に姿を現すのと、寮の扉が開くのはほぼ同時だった。
もしかして桐条か? とも思ったのだが……寮から出てきたのは、順平。
その順平も、当然のように俺の姿には気が付いたのだろう。
扉から出てきた順平の視線と俺の視線が思い切りぶつかる。
「っ!?」
だが、順平は結局何も言う事はなく、そのまま俺の前を走り去っていく。
……どうやらまだ関係を修復するという訳にはいかないらしい。
それでも、俺に向けてきた視線には敵意の類が少なくなっていたので、恐らくもう少し時間が掛かるのだろう。
なら、迂闊に俺が話し掛けたりはしない方がいいか。
昨日は影時間の中で有里を含めた連中と色々やり取りしたんだろうし。
順平も、別に自分が選ばれた存在ではないと、早めに気が付いてくれればいいんだけどな。
いや、一応選ばれた存在というのは、決して間違いって訳じゃないんだが。
ただ、それは別に選ばれたから凄い、強い、最強なんて訳じゃない。
言うなれば、選ばれて初めてスタートラインに立ったと、そんな感じだ。
そんな風に考えていると……
「アルマー、来てたのなら知らせてくれればいいものを」
桐条が姿を現し、そう告げる。
出てきた桐条の様子を見る限り、今から学校に行くつもりだったのだろう。
「悪いな、ちょっと順平と遭遇して」
「……そうか」
微妙に言葉が重いのは、現在の俺と順平の関係を理解しているからこそだろう。
桐条達にとって、自分達の戦力である順平と、俺達との関係を考えると色々難しいところあるのは間違いない。
「まぁ、気にするな。それより召喚器の方は?」
「む? ああ、これだ」
桐条が小さなケースを渡してくる。
そのケースを開けると、召喚器がしっかりとその中に入っていた。
「随分と豪勢だな」
「豪勢という訳ではなく……純粋に、召喚器の保護の為だな。こう見えて、この召喚器は希少な品なのだから」
まぁ、だろうな。
ペルソナを召喚する度に光を放つのを見れば、ただの銃の形をした物ではないというのを想像するのは難しくはない。
ペルソナに関係する、何らかの希少物質があるんだろうが……それが、この世界固有の物質の可能性が高い。
もっとも、当然のようにそれは非常に希少で、機密度が高い情報なのは間違いない。
これがなんだ? と聞いて、すぐに答えてくれる……とは、ちょっと思えないしな。
「分かった。これを使うのが荒垣か……それともゆかりなのかは分からないが、受け取っておく」
取りあえずゆかりが使ってきた召喚器は荒垣に預けたままなので、これはゆかりに渡しておくか。
もっとも、元々ゆかりが使っていたのは荒垣が以前使っていた物だったのを考えると、最終的にはあるべき場所に戻った……という事なんだろうが。
召喚器の入っているケースを空間倉庫の中に収納する。
「じゃあ、学校に行くか。そっちはもう準備出来てるんだろ?」
「む? ああ、私は構わないが……いいのか? アルマーはいつも、岳羽と一緒に学校に行ってるという話だったが」
「別に約束してる訳じゃないんだけどな。ただ、偶然いつも一緒になるだけで」
「……ふっ、そうか。では、一緒に行こう。車を用意させる」
いや、いつも車で移動しているのか?
ああ、でも桐条グループの事を考えれば、それも不思議じゃない、のか?
「別に車じゃなくてもいいだろ。普通にモノレールに乗って移動してもいいし、どうしても早く移動したいなら、影のゲートを使ってもいい。どうする?」
「では……モノレールで通学しよう。折角だしな」
小さく笑みを浮かべた桐条は、携帯でどこかに連絡をする。
その連絡も一言二言といった程度で終わり、桐条がこちらに視線を向けてくる。
「さぁ、行こう」
「……まぁ、いいけど」
基本的にお嬢様の桐条だ。当然定期の類も持ってないだろうし、切符を買っての移動となるのだろう。
もっとも、桐条にとってはそのような行為ですら楽しいのかもしれないが。
ともあれ、俺は桐条と2人で巌戸台駅に向かって歩き出す。
「そう言えば、有里と真田の2人はどうしたんだ?」
「明彦は、ボクシング部の朝練があるとかで早く出ていったな。有里は私が出てくる時にようやく起きてきた。……まぁ、有里は昨日伊織を探す為に走り回っていたからな。普段より疲れていてもしょうがないだろう」
「なるほど。……珍しい事もある、と言いたいところだな」
基本的に、有里は面倒臭がりだ。
何かあっても、どうでもいいという一言で受け流す事も多い。
そんな有里だけに、まさか順平を探す為に走り回るような真似をするとは思わなかったというのが、正直なところだ。
もっとも、有里は何だかんだと友達思いの一面がある。
そうである以上、順平を探し回るのも、そこまでおかしな話ではないのだろう。
「もっとも、有里は普段から起きるのは遅いがな」
「そうなのか? 有里が転校してきてからある程度時間が経つけど、遅刻しているところを見た事はないぞ」
俺が転校してきて、すぐに有里も転校してきた。
そうである以上、それなりに記憶には残っている。
「その辺りは、有里も十分に理解しているのだろう。普段は伊織が待っていたりもしてるようだしな」
その言葉を聞いて、順平が先に行ってしまった今日、そして昨日は遅くまで走り回っていたのを考えると、もしかしたら寝坊して遅刻するのではないか? と思わないでもなかったが……まぁ、恐らく目覚ましとかを使っているのだから、心配はいらないだろう。
そんな風に話しながら歩いていると、当然ながら周囲には俺達と同じく月光館学園に向かう生徒達が巌戸台駅に向かっているのと合流する事になる。
そして……当然の如く、俺と桐条は周囲の視線を集めるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1435
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1389
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