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詩集「棘」

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幻の世界で生きれたなら



もしも…なんてありえない日常
想いは透る風のように見えず
気儘に木の葉を揺らしては
時に雲を吹き飛ばす…

溜め息は冬の夕暮れにとけて
寂しい夜が問い掛ける
「ねぇ…このままでいいの?」

幻の世界で生きれたなら
僕は君を抱きしめて離さない
全て滅びゆくその時まで…
たとえ朝陽が昇らずとも
それでもいい…君さえいれば…


会いたい…そんなコト言える訳なく
それでも心は我が儘に叫び
勇気のない僕を罵り
早く会いに行けとせがむ…

僕はどうして生まれてしまったの…?
月は静かにこう返す
「今だけが摂理」…だと…

幻の世界で生きれたなら
君は僕と笑っていてくれますか?
日は翳り空が落ちたとしても
僕はその手を離さずに
ずっとずっと…愛してるから…


現はきっと…長い夢…
いずれは散り逝くものだから…
それでも恋し焦がれるは
僕にはきっと…過ぎたこと…

幻の世界で生きれたなら
君とどこまでだって行けるはず
一歩ずつ未来(ミチ)を創りながら
見えない明日を恐れずに
地の果てさえも目指して行ける…

幻の世界で生きれたなら
僕は君を抱きしめて離さない
全て滅びゆくその時まで…
たとえ朝陽が昇らずとも
それでもいい…君さえいれば…



 
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