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DQ8 呪われし姫君と違う意味で呪われし者達(リュカ伝その3.8おぷしょんバージョン)

作者:あちゃ
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第七話:安心感の違いは否めない

 
前書き
あぁ……
また投与の日が近付いてきました。
次の更新が何時になるのかは判りませんが、
1日更新を守れそうにありません。
申し訳ございません。 

 
(トラペッタ地方)
ヤンガスSIDE

「いやぁ~アハト君。短い間だったけども楽しかったよ……身体に気を付けてドルマゲス探し頑張れよ!」
「はっはっはっ。何を言いますウルフさん。これからも一緒に冒険しましょうよ……リュリュさんも一緒に頑張るって言いましたよ、先程」

この旅の詳しい目的を聞いたウルフの旦那は、急にアッシ等との同行を拒絶し始め、爽やかな笑顔のまま別れの挨拶をしてきたでがす。
それに対抗するのは兄貴……
同じくらいの爽やかスマイルで、先程リュリュ姐さんから取った言質を最大限に生かす。

「いやいや……俺はトロデ陛下に嫌われてるから、一緒に行く訳にはいかないよ。一番の権力者に嫌われちゃぁ……ねぇ」
「いえいえ、現在は権力を全て失っておりますから、陛下を権力者などと呼ばれなくても大丈夫ですよ。それにウルフさんが人に嫌われる事を気にする人物だとは思えませんし(笑)」

兄貴の意見には激しく同意でがすが、当人を前に堂々と言うのは如何だろうか?
権力者じゃ無いと言われたトロデのオッサンも不満顔だ……まぁ、馬姫様がオッサンが不満を言おうとした瞬間、尻尾で牽制して黙らせたでげすがね。

「オメェ何も解ってねぇーな! こんな危険な冒険旅行はゴメンなんだよ!」
「解ってますよ十分に。だからウルフさんを巻き込みたいんでしょ!」
凄ぇ……お互いに言いたい事を言うって……何か凄ぇでがす。

「ウルポン……手伝ってあげようよぉ~。ミーティアちゃんも困ってるみたいだし」
何かを察知したリュリュ姐さんが、ウルフの旦那に上目遣いでお願いを始めたでがす。
かなり可愛く迫るから、並大抵の男では1発で終了でげすな。

「うるせー、馬鹿女は黙ってろ!」
「ば、馬鹿って言われたぁ~!!?」
これまた凄ぇでがすな。リュリュ姐さんの可愛い迫りを押し退けるなんて……

「ウルフ殿、言い過ぎですぞ。リュリュさんの言い分も常識的だと思いますが? 何をそんなに怖がってるんですか? これまでにも数度、冒険旅行で魔王と呼ばれてる方々を討伐された実績が、ウルフ殿にはお有りでしょうに」

「あ~あ~あ~……オメーもアホだな。これまでの冒険には全てリュカさんが同行してただろが! あの安心感……解るか!? 各世界の神々ですら、その力に望みをかける人物……それがリュカさんなんだぞ! 大魔王が出ようが、闇の神が降臨しようが、リュカさんが『面倒臭い』と言っても、俺が『そんな事言わないで戦いましょうよ』って言ったよ。(すげ)ー悪もんがリュカさんに虐められる所を見たかったから。だが今回は違う! 一緒に来てんのが娘だぞ! ある意味一番のアホ娘!」

「一番はウルフ殿の彼女でしょ! あぁ妊娠して無い方ですけど……」
「違う! アイツは非常識極まりないだけで、アホじゃ無い。ナンバー1はこの女だ!」
如何してこの人達は、当人を目の前に言いたい事を言えるのでがすかねぇ?

「そうですかぁ? まぁ、その件は置いといて、ちょっと今回の事を考えてみましょうよ。何故に我々だけが召喚されたのかを……」
「そんな事は解ってるだろ。アホ鳥の所為だ!」

「確かにラーミアの所為で我々はこの世界に来た訳ですが、あのアホ鳥にこんな事をする知能があると思いますか?」
「目覚めたんだろ。自身の内なる能力とやらに……」

「あのアホ鳥が……ですか? 自ら……ですかぁ?」
「……そ、そう言われると……何か無理がある気がしてきた」
え、何で? そんなにアホなんでげすか?

「私はこう考えてるんですよ……今回の事も神々が一枚絡んでるのでは無いか……と」
「ヒゲメガネか?」
「マスタードラゴン様も絡んでるでしょうが、この世界の神……とやらも」
「……そうか、この世界にも神が居るんだろうなぁ」

「そう考えるとですね、ラーミアを上手く唆して誰かをこの世界に召喚させる必要が有ったんだと思うんですよ。ウルフ殿も再三言う通り、ラーミアはアホです! あのアホ鳥が自ら能力に目覚め、自らリュカ様の誘拐を計画し、自ら全てを実行するなんて考えられない! 誰かが裏で糸を引いてる……そう思うのが妥当では?」

「……確かに。しかし、そう考えると重要な問題点が浮き彫りになる。本来はリュカさんを召喚させたかったのに、あのアホ鳥のアホさの所為で俺達だけが召喚されてしまったって事だ。これを如何解析する? 非常にヤバイ状態だと思うんだが?」

「そうとも言えません。神々が結託して事を実行してるとすれば、それなりに保険をかけるでしょう。この世界にリュカ様を呼び込みたかったのに、ラーミアがアホすぎて失敗したとなっては、世界の平和に影が差します。私の考えでは、この召喚もラーミアの練習だったんだと思います。憶えてますか……ラーミアが我々に『何度も時空移動を試してる』と言ったのを?」

「憶えてる。あいつ、他所様にも迷惑かけてるんじゃないかと心配したから」
「つまりです……この召喚も神々にとっては失敗に終わる事が前提だったんでしょう。ですがウルフ殿を巻き込む事に成功した……と言う事は」
如何いう事でがすか?

「なるほど……俺がリュカさんへの仕返しを実行する。その仕返しこそが神々にとっての本当の時空召喚成功」
「ええ、私はそう考えます。ですから今回は、思っているよりかは安全ではないでしょうか? 先程のアハト殿の話を聞く感じでは、今は未だ『闇の神』とやらも登場してませんし、ドルマゲとやらを何とかすれば、諸々の問題事も悪化の前に片付く……そう思いますよ」

「だが言っても神々だぞ……自分で創造した世界の平和も守れない神々だぞ……」
「その点も問題無いでしょう」
いや、神々を見下してる時点で、十分に大問題でげすよ。

「ウルフ殿は、各世界の神々とリュカ様……どちらかを敵に回すとしたら、どちらを選びますか?」
「神々! アイツ等アホだから」
即答でがすか!? しかも余計な一言付き……

「当然の選択ですね。しかしそれはマスタードラゴン様も同様でしょう」
「ふむ……ヒゲメガネもリュカさんを敵に回そうとは思わないだろうな」
先程から聞いてると、マスタードラゴン様という神様と、ヒゲメガネが同一人物に聞こえてくるでげすが?

「現在、我がグランバニアでは……宰相閣下の策略により超絶兵器が誕生してしまいました。この兵器が後の世で悪さをしない為には、今のうちから手を打っておく必要が求められます。勿論それを行うのは我等が主君であらせられるリュケイロム陛下です。ここまでは良いですか?」
「まぁ……実際、俺の策略だし……お前の言い方にトゲが含まれてる事は無視しよう」

「では続きを……リュカ様が行う政策は如何様な物になるのか? こればかりは私などには判りかねますが、壮大である事は容易に想像出来ます。 ……って、事はですよ! そんな壮大な政策を行うに辺り、最も働かせたいウルフ殿が不在な状況を如何に考えるでしょうか?」

「なるほどラン君! お父さんの性格からすると、突然居なくなったウルポンを戻そうとヒゲメガネさんに詰め寄るって事ね」
「詰め寄る程度で済めば幸いでしょうな」
神様に対してなのに!?

「つまりは、ウルフ殿を元の世界に戻すのは絶対条件であると思います。でなければ、マスタードラゴン様はリュカ様を敵に回す事となり、間違いなく敗れるでしょうからね」
神様が敗れると言い切れるなんて、如何いう人物何でげすか?

「ラングの言いたい事は解った。今回の冒険は比較的危険では無く、アホ鳥を探し出せば俺等は帰れる可能性が大きいって事だな」
「私の私感ですが、かなり的を射てると思いますよ」

「私感で構わない……俺も同じ様に思えてきたし。それよりリュリュさんは如何思いますか?」
「え、私!?」
あからさまに何も考えてなかったリュリュ姐さん……

「え~っと……私は~……」
「俺が聞きたいのは、比較的危険が少ないとは言え、冒険に出る訳ですから多少の怪我などを被る可能性があると言う事です。それでも構いませんか?」

「なに? 急に私の心配ですかぁ~?」
「そりゃ心配だよ。リュリュさんは俺の主君の大切な娘で、こう言った大きな冒険は初めてなんだからさ……怪我でもされたらと考えると、心配でさ」
おや? 仲が悪く見えてたでがすが、本当はウルフの旦那は惚れてるんでげすか?

「……い、今更、私に優しくしたって、私はウルポンの事キライだからね!」
「それは構いませんよ。これは俺の感情の問題だから……俺は何時でもリュリュさんを好きでしたから」
まさかの告白でがすよ!

「ちょっ……そ、そんな事言われたって……わ、私は……だ、騙されないんだからね!」
面と向かって『好き』と言われ、リュリュ姐さんも流石に困ってるでげす。
本当に本気なのか気になるでがすなぁ。

「それでいい。“騙される”とかでもいいから常に警戒して、危険があったらムリせずに俺やラングを頼ってくれ。兎も角、怪我されるのが本当に困るから……」
「そ、そうします……じゃ、じゃぁラン君……危なくなったら……宜しく……ね」
表情を見る限りウルフの旦那は真剣その物でげす。

「ご安心下さい。私は何時でもリュリュさんの事を気に掛けております故!」
「じゃぁラング……頼む。俺は全体を見渡して対応できるようにしておくからさ」
リュリュ姐さんがラングストンの旦那に言った事を、少し哀しそうに受け入れるウルフの旦那。

「さて……アハト君。取り敢えずは俺等も付いていく事に決まったよ」
「いやぁ~何よりです」
この旅に一緒に行くか行かないかで揉めていた為、結論が出た事を報告するウルフの旦那。

「だが言っておく。この世界の平和を脅かす存在を打倒するのは、君達アハト君等だ! 俺等は途次手伝う程度の事はするが、全責任を負わせられるのは拒絶する。その点を忘れないで貰いたい」
「でもヤバくなったら助けてくれるんですよね?」

「ヤバくなるな! 自らを鍛えろ!」
「いや……鍛えろって言われても」
そうでがすな……如何すれば良いのやら。

「このトラペッタ地方を徘徊した感じ、今のところ強そうな敵は存在してない事が判った。だが今後は判らん。だけど今のうちから実戦を通じて自らを鍛えていけば、未来で強敵が出現しても、アハト君達だけで討伐する事が出来るであろう!」

「……はぁ、つまり今後はウルフさん等は戦闘に参加しない……って事ですか?」
「ヤバそうなら参加する。だがこんな所でヤバそうになってる奴等と一緒に行動しようとは思わない。もっとヤバそうな連中が現れる場所になっても、安心して任せられるくらいの実力を付けろ!」

「まぁ……最悪は助けてくれるんでしたら……俺としては納得しておきますよ」
「おう、納得しろ。俺は歌わないからな。感謝もしろよ!」
冒険の旅に出てるのに歌わない事を感謝しろとは、一体如何いう事でがすかね?

ウルフの旦那の言葉を聞いて、思わず笑ったのはラングストンの旦那だけでがした。

ヤンガスSIDE END



 
 

 
後書き
神々の陰謀説はラングストンの予想です。
ヒゲメガネ等が本当に関わってるかは判ってません。
真相は秘密です。

別件ですが、
次話もウルフ君が大活躍します。
乞うご期待。 
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