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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第七章 C.D.の計略
  11月/文化祭

『11月になりました。校舎も無事なので、文化祭を開催いたします』


現在は11月。

セルトマンの事件もほかの一般的ニュースで埋もれていき、そんなこともあったねと言われるくらいの時間はたった。
とはいえまだ爪痕が残っているとこをはまだ幾か所にはあり、時たま思い出したように報道番組が10分くらいの特集を組むが。


そんな「EARTH」でも、無事だったり植え直したりした木々が色づき、秋の体を成してきた。

その敷地内にある学園は、最初のアナウンスに合った通りに文化祭だ。
体育祭同様、他学園の生徒も参加可能(要事前申請だが)なのが肝だ。


生徒たちからすれば、自分たちの力のあり方や、出身世界の紹介ができる場である。
また、力の使い道や新たに力を得てしまった者たちに対しての、道しるべにもなることだってあるのだ。

文字通りの「文化」祭となるのだ。

また、自分の能力の限界だったり系統だったりを試せるコーナーもある。


「でも本郷さんと一文字さんが空手着で仁王立ちしてるのは怖すぎるよ・・・・」

「そうか?俺はシュールで面白かったけど」

そんな学園内を、蒔風となのはが歩く。
ヴィヴィオも参加しているこの文化祭。何か劇をやるそうなので、それまで暇なのでぶらついているのだ。



がやがやしている校内は、いつもよりも華やかに見える。
そんな中、なのはが後ろから蒔風の目を隠した。


「お?」

「だーれだ!」

「なのはだろ」

「正解!じゃーお姉さんがいいところに連れて行ってあげるねー」

「そっかー」

「そうだー」

目を隠されたまま、なのはの誘導でひょこひょこ進む蒔風。
何かのれんをくぐり、教室内に入ったようだ。


「なあ、俺とおまえ同い年じゃない?」

「でもほら、舜君一年間消えてたし。その分私はお姉さん!!」

「あー・・・・そか」

実を言うと消えていた間も意識はあったし、再生したときもそれを加味しての肉体構築だったため本当に年の差はない。
だがそれを言うほど蒔風だって野暮ではないのだ。


「ところで、ここどこ?」

「じゃーん!!」

蒔風の質問に、なのはが両眼を開放して明かす。
その光景に、蒔風の表情はピタリと止まって固まった。


「あの、周囲暗いんですけど」

「そりゃそーだよ。お化け屋敷だもん!!」







『嫌だ俺帰る!!』

『入っちゃったんだから進むしかないでしょ!!』

『はっ、離せなのは!!』

『逆走はマナー違反だよ舜君!!』

『イヤァァアアアアああ!!!』


「はーい、次の人どうぞー。生徒会長イチオシ、恐怖の雛見沢お化け屋敷だよー」

「お姉、二人でお願いします」

「お、詩音と悟史じゃん。お熱いねぇ!でも今はちょっとストップ」

「なんでだい?」

「舜が入ってる」


「待ちますか」

「そうだね」


『ちっ、畜生!!こうなったら教室ごと吹き飛ばして』

『バインドー♪』

『ノォ!!』




------------------------------------------------------------


鉄翼刀も、学生時代を懐かしみながら文化祭を見て回っていた。
中でも、彼の興味を引いたのが

「トラップ入門?」

ある教室の看板には、そう書いてあった。
さっそく入ってみることにする翼刀。


「何やってんの沙都子ちゃん」

「あら、翼刀さんではございませんの!!」

「一名様、ごあんな~い!!」

「葉留佳ちゃんまで」


受付を通ると、中にいたのは沙都子と葉留佳だ。
なるほど。この二人ならトラップなんて朝飯前だろう。


「いやいや、はるちんのレベルなんて沙都子ちゃんに比べたら」

「を~っほっほっほ!!わたくしのトラップは「いたずら」レベルではないんでございますのよ!!」

「いや、まあそりゃあなぁ」

聞いた話だと、彼女のトラップは国の特殊部隊一つ相手にしても十分通じるレベルらしい。
地元だったことを考慮しても、その出来のよさは称賛に値する。


「こっちの学校でもやってるんだって?」

「ええ。ですが・・・・」

「?」

もはや雛見沢は閉塞的な土地ではない。
雛見沢症候群もすでに解明された今、外からくる人間を阻むことも、行く人間を引き留める必要性もなくなったからだ。

しかも、雛見沢の土地は昭和58年から現代にまで引っ張り出された、結合した世界の中でも稀有な土地。
その村の形容や自然、各家々の合掌造りが認められて、今では文化遺産として観光客にも困らないくらいになっている。

隣町の興宮も、雛見沢へのアクセス地として栄え始めている。



故に沙都子も梨花も羽入も、圭一やレナ、魅音達がこちらに進学しているということもあってこっちの学校に通っている。

だが彼女のトラップがなりを潜めるわけもなく、当然ながら様々な教員や生徒がその憂き目にあっているのだが


「でもあれだろ?最後にはみんな笑って終われるレベルなんだろ?」

「それでも・・・ねぇ?」

「この前赴任してきた先生に、一切通用しなかったんですの・・・・」

「この前?だれ?」

「化学の本郷先生ですわ・・・・・」

「・・・・・あー」


そう

何を隠そう、本郷猛はこの学校の科学担当教諭である。
城北大学の科学者だった彼は、今はこの学園で生徒たちに教鞭を振るっている。


「手始めにかるぅ~くやったんですのよ?」

「何を仕掛けたの」

「扉を開けるとねずみ花火が落ちてくるトラップですの」

「やりすぎだろ」

だが、それを彼は容易に解除した。

扉を開け、落下してきたねずみ花火。
しかしそれは一瞬にして消え、次の瞬間には彼の掌に転がっていた。

一瞬の動きで導火線の火は消え、沈黙したねずみ花火と生徒たちの称賛の声が教室内にしただけだったのだ。


「俺は日々ショッカーからの襲撃に備えて気を張り巡らせていた。この程度、どうということはない」

そんなことを言ってフフフと笑い、グシャリとねずみ花火を握りつぶして授業を始めたそうな。
無論、沙都子のプライドがねずみ花火のようにひしゃげたのは言うまでもない。



「なんですの!!なんなんですの!!確かにすごい人だっていうのは聞いてましたけど、あそこまでとは思いませんでしたの!!」

「いや、だって相手は技の一号だし」

そして何より、技の見切りや戦闘経験が半端ではない。
翼刀も一度手合わせをしたみたのだが、初めて見せる技にもかかわらずその危険度を察されてほとんどクリーンヒットしなかった程だ。



「それからというもの、化学の準備は戦いの準備でしたわ」

「授業の準備しろよ」

「ロケット花火、爆竹、待ち針、アルコールランプ、ピアノ線」

「おい」

「溶解液、毒ガス、ギロチン、火炎放射・・・ダイナマイトはさすがに入手できませんでしたわ・・・くっ!」

「やるつもりだったのかよ」

「もうあたくし、どうすればいいのかわからなくなってございましてますわよ!!」

「落ち着け。口調がおかしい」

どうどうと沙都子をなだめる翼刀。
しょうがないよ、相手が悪いもん、と慰める葉留佳。

誰か「トラップやめろ」という人はいないのか。


「ここにいるぞー!!」

「あ、たんぽぽ」

「蜀軍の一人、錦馬超の従妹・馬岱。真名が蒲公英。君もここにいたのか」

「説明台詞おっつー」

「で、止めるの?」

「止めないけど?」

「じゃあなんで出てきたんだ!?」



翼刀よ。
世の中にはお約束というものがある。

「どういうことだよ!!」

そういうことだ。


「よ、翼刀さんが一人で叫び始めたよ・・・・」

「やだ・・・あの人怖い・・・」

「ハッ!!お、おれは一体何を・・・・まあいいや。沙都子ちゃん、そんな君に俺からトラップを教えて進ぜよう」

「な、なんですの翼刀さん!!教えてくださいまし!!」

「それはな・・・・ハニートラッp」








ティキーン!!

「はッ!!」

「どうしたの?唯子さん」

「ごめんヴィヴィオちゃん!!翼刀ブン殴ってこないといけない気がするから、行ってくるね!!」

「あ、はーい」


ピッ

24(ドゴン・・・

23(ドゴン・・・

22(ドゴン・・・



------------------------------------------------------------



「に、にぱぁ・・・・」

「あぅあぅあぅ・・・・」

(り、梨花。顔が引きつってるのです・・・・)

(し、仕方ないでしょ・・・こんなに重い相手が来てるのですよ!?)



梨花と羽入の神社なにこれ

そんなコーナーで、巫女服姿で八百万の神や神道、神社、土着信仰などの紹介をしていた彼女たち。
最初こそは写真撮影や、まじめに紹介などで進んでいたコーナーだったが、お昼時ということで今は客足もない。

そんななか、ただ一人だけいる客を前に二人の表情はひきつっている。


「・・・・・・」

正座をして、胸に手を当て、目を閉じて、静かに黙祷している男。
蒔風ショウを目の前にして、どうしていいのかわからない二人。



(ど、どうしましょう梨花・・・・この人ガチっぽいのです!!)

(落ち着くのです、羽入!もしかしたらこの人、それをネタに内心ほくそえんでいるのか知れないのです!!)

(・・・・ありえない、と言えないのがこの人なのです・・・・)

ツツ―――――


(なッ、涙ッッ!!)

(あぅあぅあぅ!!やっぱりガチだったのですよ!?)

(だから落ち着くのです羽入!!この男なら涙を流すことぐらい)


「すまないみんな・・・すまないッッ・・・・」

(はいアウトー。梨花アウトなのです~)

(ちょ、羽入!!結局羽入も遊んでるのです!!)

(でもその前に梨花は疑ってましたじゃないですか~。懺悔しに来た人間をそんな風にみられないとは、古手の巫女も落ちたものなのです)

(なゅ・・・・なによなによ!!雛見沢症候群がなくなって、女王とか関係なくなったらみんなこんな感じなの!!?)

(つまり梨花はその程度の人望だったということなのですよ~。あ~ぅあぅあぅ)

(くっ、羽入・・・・!!)


ちなみにこの羽入、そんなことはみじんも思っていない。
梨花の人望は、間違いなく彼女自身によるものだ。

だが、日ごろから彼女は羽入をいじりすぎた。
インガオホー。イジメヨクナイ。


ガラッ

(あ、ほら次の人が来ましたよ!!)

(そ、そうね・・・がんばるわ・・・ッッ!!)

(ば、バカな・・・なのです!!)

「私も隣・・・いいかしら?」

「ああ・・・・あんたならな」

(鷹野ッッ!!?)

(まさかの展開ッ!!鷹野三四なのですよ!?)

(重さが倍以上になったのです!!)


「いやぁぁあああ!!私もう耐えられない!!耐えられないわよぉぉぉぉおおお!!!」ダッ!!

「あっ!!梨花!!梨花ぁぁぁああああ!!」ダッ!!



「・・・・」

「・・・・」

「・・・・ふっ」

「・・・・うふっ」

「あははははははは!!」

「あーはっはっはっはっは!!」


結論
この二人、類稀なるドS!!


「あー、からかうのおもしれー」

「申し訳ないとは思ってるけど、こればかりは性ですものねぇ?」

『畜生!あの下衆どもぶっ殺してやる!!』

『待つのです梨花!!どこから祭具用の鍬なんて取り出したのですか!?』

『これが私の全力全開ぃぃぃぃ!!』

『いろんな意味で怒られるからそれだけはだめなのですぅぅぅ!!』




------------------------------------------------------------



「ペロッ・・・これは、毒りんご!!」

「なぜわかった白雪姫!!」

「かつて戦時中、毒入りの食べ物を象は食べなかった。象にできて、私にできないということはない!!」

「でも口にしてんじゃん」

「しまったぁぁああああ!!ガクリ」




「なにあれ」

「激・白雪姫だってさ」

「げきの字違う。話の流れはあってるけど、キャラクターが濃すぎだろ!!!」


ヴィヴィオの演劇の時間になり、客席に座った蒔風が唖然としていた。
なのははと言うと、レイジングハートとセイクリッドハートの二機掛かりで録画していた。

違和感はないのか。


と、そこに七人の小人がやってきた。
だが、どう見ても彼女たちは


「白雪姫が死んでしまったわ!!」

「わー、ど、どうしましょー」

「我々で埋葬して差し上げましょう」

「違うわよ!!復讐するのよ!!」

「ちょ、お前それ台本と違」



「あ、ハルヒちゃんだ」

「あいつらなにやってんのよ・・・・」

顔面を手で押さえて溜息を吐く蒔風。
キョンの心労がうかがえる。

ちなみに、足りない分の二人は鶴屋さんと谷口だ。
谷口はまだ巻き込まれているのかと思うと、哀れだ。


「なるほど・・・・継母の女王を打ち取るというのですね?」

「そうよ!!白雪姫はこの国の次期女王なのよ!?国葬にしてしかるべきだわ!!」

「おいちょっと」

「あ、あの台本と・・・」

「ビック7の力侮るなよ」

「長門棒読みで何言ってんの!?ビック7っていってお前しかいねーじゃん!!あとお前それは長門違いだ!!!」

「違い・・・・?」

「胸を触ってぺたぺたするな。こっちに切なげな視線を送るな!!!」



「それぞれ武器は持ったわね!!みくるちゃんは着替えた!?」

「は、はいぃ!!でもなんでウェイトレス・・・・」

「おいもう役名言わなくなったぞ」

「古泉君は!!」

「この赤いボールで」

「有希!!」

「16.1インチ主砲」

「だからお前やめような?な?」

「キョンは谷口を盾にして!!」

「「ひでぇ!!」」

「ふふふ。あたしも腕が鳴るねっ!!」


「私も行きます!!」

「「「「白雪姫!!!」」」」

「「「えぇ!?白雪姫ェ!?」」」


「生きていたのね・・・・じゃあみんな、行くわよ!!」

「「「はい!!」」」

「ちょっとまて!!白雪姫生きてんだから仇討ちに行く必要なくね!?」

「・・・・キョン・・・・」

「なっ!?なんだよその空気読めてないなー的な目は!!やめろ!!っていうか・・・・」



「そもそも白雪姫のストーリーじゃねーだろこれぇッッ!!王子様役立って袖で泣いちゃってるじゃねーか!!」



「私の見せ場が・・・・」

「アインハルトさん・・・・」

「私のキスシーンが・・・・」

「いや、来ヶ谷さんは違うでしょ」




「いいよー。ヴィヴィオ輝いてる!!」

「ああ・・・輝いちゃいるよ・・・・」



がっくりと肩を落とす蒔風。
まあ楽しいからいいのだが。




------------------------------------------------------------



「いてて・・・唯子の奴殴りに来ただけですぐ帰っちゃうんだから・・・・」

「っつ~・・・さすがに悪乗りしすぎたか。古手の巫女怖ぇ」

「「あ」」

「翼刀じゃないか」

「ショウさんじゃないですか」

お互いに頬を抑えて遭遇し、何があったのかはお互いに聞かなかった。
なんとなくわかる気がしたのだ。この男、何かやらかしたんだな、と。


「見て回りますか」

「そうするか」


スタスタ


「そういえばショウさんは何かコーナーださないんです?」

「バカ言え。今は副局長だとしても、俺はもともと世界破壊側の人間。世界の構築式でも教えるか?」

「う~ん・・・そんなもんですかねぇ?」

「そういうヤバいのを教えるのなら、もっと適した人材が「EARTH」にはいるし」



『ライダーきりもみシューッ!!(弱めに)』

『ライダー卍キィック!!(弱めに)』



「・・・・あの、いま体育館から」

「気のせいだ」




スタスタ



「平和なもんだなぁ・・・・」

「こういうのに乗って、バカなことするやつとかいないのか。つまらん」

「いたら大変でしょ」

「でもなぁ。普段とは違う恰好した友達にテンション上がって暴れる奴とかがいたりして・・・・」



ピンポンパンポーン

『ただ今、校舎内に淑女が現れました。皆さま、お気を付けくださいませ』



「淑女?」

「とりあえずポイントはわかってる。待ち伏せるか」



スタスタ



「ってことで待つこと二分」

「来たな」



「黒子こっち来ん、あぁあああああああああああああ!!」

「お姉様!!ああお姉さまお姉様!!!待ってくださいましもっとお似合いの服を黒子が用意して差し上げますからァァアアアア!!!」


「あー」

「淑女だ」

「変態という名の淑女だ」

「とりあえず俺が行くわ」




「止まれビリビリ!!」

「ビリビリじゃない!!」


「だったらバリバリ!!」

「それはマジックテープ!!」

「カリカリ!!」

「揚げ物!!」

「パリパリ!!」

「ポテチ!!」

「パルパル」

「嫉妬!!」

「マルマル」

「してない!!」

「マチュピチュ」

「アーマーゾーン!!」

「こちょこちょ」

「くすぐり!!」

「シャバドゥビ」

「タッチヘンシーン!!」

「キックストライク」

「サイコー!!」

「お姉さmゲブゥッ!!」



「ぉお!!何秒で何のやり取りしてんだというツッコミをよそに、気づけばショウさんを軸にグルリと反転した美琴ちゃんが黒子ちゃんに電光ビリビリキックを!!」

「だからビリビリじゃないっての!!」

「シャリシャ」

「ヤメロォ!!そのやり取りはやめなさいっての!!」



「な、なぜわたくしとお姉さまの愛の営みを邪魔するんですの!!!」

「それは犯罪だからだよ」

「な、何が悪いというんですの!!」

「人のパンツかぶってしかもよだれたらし追い回しているからじゃないかな?」

「ケチをつけないでくださいまし!!これこそが人間の感情の極み。希望よりも厚く、絶望よりも深いもの。愛ですのよ!!」





「はっ!!」

「どうしたの?ほむらちゃん」

「なんだか・・・・悪寒が」

「え」







「いや、それダメだろ」

「お姉様へのはちきれんばかりの愛情をどう表現すればいいのかという命題の果てに、ついに見つけた最終形態がこれですわ!!」

「パンツかぶって?」

「ええ!!」

「よだれたらして?」

「ええ!!」

「ただし忠誠心・・・じゃなくて愛情は鼻から出て?」

「ええ!!」

「片手にカメラ、もう片手でネットランチャーを構え?」

「ええ!!」

「変態じゃないか」

「変態ではございません!!仮に変態だとしても、変態という名の淑女ですの!!」

「ジャッジメント」

「なんでですの!!こんなことでいちいち逮捕されていては、もう家とかトイレでしか愛せないじゃありませんの!!」



「家でもやるなっての!!」

「いや、家ならいいよ」

「ちょ!!?」



「もうめんどいからさ。外ならともかく家でなら勝手にやってくれよもう・・・・」

「お墨付きいただきましたわぁぁああああ!!!」

「あ、あんた裏切るの!!」

「そうっすよショウさん。これはあまりにも」


「えー。でもほら、そこは個人間の問題だし」

「あらあら。ショウさんはよくわかってらっしゃるようですわね。その通りですの!!わたくしはあくまでもお姉さまを愛しているだけ!!確かに、公共の場で暴れたのは申し訳ないと思っていますわ。ですが、この思いには一切の偽りはありませんの」

グッ!!


「わたくしはお姉さまほど、大切に思ったお方に出会ったことがありません!!それはまさしく、この宇宙に誕生したこの星のように、唯一無二の存在。何物にも代えられぬ絶対的存在!!仮にほかの幾つもの世界にいくつものお姉さまがいたとしても、御坂美琴お姉さまはただ一人!!2万人の妹たちも、打ち止めも番外個体も、お姉さまありきで誕生した新たな命!!つまり・・・つまり、お姉さまは全人類の母となりうる存在ですのッッ!?」



「・・・・新幹線速度で脱線しちまった上にそのまま銀河鉄道になっちまったぞ」

「まて翼刀。この国の新幹線は脱線しない」

「黒子・・・・・あなた疲れてるのよ」



「疲れてはいませんわ!!わたくしは常に全力!!お姉さまに降りかかるであろう災厄を払わんとするために添い寝ですらいとわない覚悟ですわ!!」

「最近朝私のベッドが暖かくてあんたのベッドが冷たいのはそういうことかぁあああ!!」

「仕方ありませんの!!あんな脅迫文が来たのですから!!」



「脅迫文?」

「ああ、これよこれ」


「「どれどれ・・・・」」



『お姉さまへ
 今晩あなたの下着のなかに忍び込んでみせますわよ。
 
 えへっ、エヘヘヘヘヘヘヘ・・・・・
                黒子』


(<●><●>)
       (<●><●>)
(<●><●>)


「・・・・ちぇ、また私ですか。まいりましたわね、こりゃ」



ピーポーピーポー

「ふふ、見事なお手前でしたわ。副局長に翼刀さん。でも、一つだけ言っておくことがありますの」

「なんだ?」

「わたくしもまた、お姉さまのに踊らされただけの、被害者の一人にすぎなかったってことですのよ・・・・」



------------------------------------------------------------


「ほむらちゃん!!みてみてきよしだよ!!」

「え、ええそうね、まどか」

「古本市っていうから本だけかと思ったけど、古CDも売ってるんだね!!」

「殆どが教員の持ってた演歌だけどね・・・・」

「サイコーだよ!!もう私ここで全財産使い果たしてもいい!!」

「まどか!!もっと自分を大切にしなさい!!!」





「あっちテンション高いなぁ」

「そういう小毬ちゃんは何を探してるんだ?」

「絵本だよー。見て見て鈴ちゃん!!「百万回生きたねこ!!」」

「おぉ!!これはあたしも好きな本だ!!」

「だよねー!後は・・・・・」

「?小毬ちゃん、同じ本持ってるぞ」

「え?」

「桃太郎、浦島太郎、金太郎、竜の子太郎・・・・絵が違うだけで、同じのだ」

「でも、絵柄が違うだけで楽しみ方も変わるんだよ?」

「そうなのか?」

「うん!!それにね、中身もチョットずつ違ったりするんだ!!」

「なるほどー」





「おいフィリップ。いつまでいるんだよ」

「待ちたまえ翔太郎。今僕はこの本群を読み漁るのに忙しいんだ」

「本群って・・・100冊近くあるじゃねーか」

「「長門有希の100冊」非常に興味深い。星の本棚によると、彼女は厳密には人間ではなく宇宙人だという。そんな彼女が、かつて興味を持った本というだけで十分に読み直す価値があるよ」





「ちょっとそこの!!勝手に本追加しないで!!」

「うひゃあ!!見つかった!!ぜ、ぜひこの宇宙本をここに置かせてください!!そして流行らせてください!!弦ちゃん助けてー!」

「宇宙キターーーーーーーーーーーーーーー!!!」




「「「「図書室では静かにッッ!!!」」」」




------------------------------------------------------------



「巨大迷路?」

「やってくかい?」

「あ、杏子ちゃん」

中庭の一角を丸々使って展開されている巨大迷路。
どうやらここは、杏子たち魔法少女で作り上げた催し物らしい。

そこに訪れたのは、火野映司。
隣には、めんどくさそうについてきたアンクもいた。


「お、あんこじゃねーか」

「アンクだ!!」

「いつも言われてっから、こうやって誰かに言うとすっきりするんだよ」


へへっ、と笑いながらお菓子をつまむ杏子が、やって行くのかい?と聞いてくる。
せっかくだからやってみようか、と意気込む映司。

しかし、対照的にアンクは乗り気ではない。


「勝手にやってろ。俺はメダルをいただきに来ただけだ」

「あん?まどかのやろーなら、ほむらと一緒に回りに行っちまったぞ。30分以上は帰ってこねーだろうな」

「チッ!!」

「なーアンク。暇つぶしにやってこーぜー」

「断る。だったら俺はここで待つだけだ」




「ほっといてやれよえーじ」

「そっちのはわかってるみたいだな」

「ああ。ようはクリアできなくて赤っ恥かくのが怖いってことだろう?」

「なんだと?」

「クリアできんのか?」

「当たり前だ!!俺はグリードだぞ!!舐めるな!!おい映司!!行くぞ!!」

「一回百円でぇーす」

「払っとけ映司!!」

「へいへい・・・・」




「俺はこっちに行く」

「え?別々?」

「俺は俺でクリアする。あの餓鬼にイチャモンはつけられたくないからなァ・・・」


20分後



「ゴール!!」

「お、なかなか好タイムじゃねーか。ほい、景品の菓子」

「ありがと。アンクは?」

「まだだ」




「チッ!!こっちはハズレか・・・・また行き止まり!!クソッ!!」

2分後

「一度通った道に逆戻りだと!!?クソッ!!最初の道に戻っちまったぞ!!」

さらに1分後

「壁伝いに行けばいずれはゴールにつく。ハッ!最後にモノを言うのはやはりココ(頭)らしいなァ」

さらに6分後

「25個目の行き止まり・・・・」





「杏子ちゃーん、どう?」

「おー?まどか、もういいのか?」

「ううん。まだ回るけど、ちょっと荷物置きに来ただけ」

「そういやアンクが来てたけど?」

「え?あ、じゃあ杏子ちゃんこれ渡しといて」

「ん、わかった。にしても難儀なもんだな」


鹿目まどかは、祈りとともに魔法少女になった。
その結果因果になるところを、アンクの投げ入れたメダルによって誕生したヤミーが肩代わりをしてくれたために現世に残っている。

すると、まどかから定期的にメダルが転がり落ちてくるようになったのだ。
多分、アンクはこれを回収しにわざわざ来たのだろう。



「気づいたら枕元に落ちてたり、スカートの中から落ちたり」

「めんどくさくね?」

「でもほら。胸に入ってて「これのおかげで助かった・・・」みたいな」

「マミに影響されすぎだろそれ」




『これより、スペシャルコンサートを開催いたします。765プロダクションから、菊池真さん、萩原雪歩さんがいらっしゃってます』

「え!?い、いそいでいかなきゃ!!行くよほむらちゃん!!」

「わかったわまど かぁあああああああああああ!?」


「早く早く早く!!」

「ちょ、まっ、ひ、引っ張らないで引っ張らないで!!こ、転んじゃ、あっ!引き摺ってるわまどか!!」

「今日の曲目だと、萩原さんが演歌歌ってくれるんだから!!」

「今日のまどかいつも以上に歪みなくない!?」







本日はここまで


「EARTH」学園文化祭
来場者数:6598人

催し物数:46

破壊された催し物:9
業務停止命令の出たもの:2

翌日の片づけ:全生徒の内6割がテンションやらでグロッキー状態
       翌々日に持ち越された。




to be continued
 
 

 
後書き

唐突な終わり方ですみません。
ですがこれ以上はネタが出てこなかった・・・・!!!

黒子の辺りはもうクマ吉君に頼みました。

変態とは紳士、淑女であるべきなのである。
「ダマされた大賞」のペナルティ・ワッキー扮する「変態おじさん」はその鏡だと思いますwww



アンクが出てきたのはさらにあれから15分後。
なんかこう・・・・そんな気がする。




翼刀
「次回はクリスマス!!」

蒔風
「楽しい聖夜になりそうだぜ!!」

ではまた次回
 
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