魔法少女リリカル☆イリヤ
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Staynight編『町並み』
前書き
ちょっともう眠むくなったので寝ます
あの話後少し経つ、それで思い付いた。アーチャーに町並みを教えないと先が分からない。すごい事をしたというのは先程聞いた。世界を救った英雄だと、だがそれだけで強さが分かった訳ではない。でもそれは町を教えながら聞く事にしよう
「さて行きましょうか」
「?まだ朝だが?」
外は明るい、まさかこんな中で戦闘をと思う総刃だが
「違うわよ。貴方に町並みを教えるのよ。じゃないと分からないまま戦うのよ?」
「それもそうだな。では案内を頼む」
私達は歩いて行く。アーチャーの服装はただの私服に近い。まるで現代人のように、というのもさっき家を出るときに少し未来から呼ばれたと聞いた。なら話でも聞こうかと思って聞いてみると「タイムパラドックスが起きても知らないぞ」と言われた。確かに、過去の人が未来の事を知ればその情報を頼りに別の未来へ行ける。でもそうすればこの男、アーチャーは場合によれば消えるかもしれないという事、それはまずいと思い気にしない事に
坂道を歩いて行く、アーチャーは真っ直ぐ前を向き歩いている。周りが気になる素振りはないだが時折目を動かして色々な物を把握している
気配りもできてマスター思いのサーヴァントなんてメチャクチャいいじゃない。それになんか色んな事を「真似をした」だけでこなす。これには少し嫉妬も混じるがそれだけコイツがすごいって事、まぁ無い物ねだりしても仕方ないわね。
話を戻すと私達の住んでる街は、冬木市は大きく分けて二つの町で構成される街、昔から町並みを残したここ深山町と、川一つ挟んで近代的な開発が進んでいる新都。私の家があるのは深山町の方である。その深山町も大きく二つに分かれている。外国からの移住民が住んでいたここの洋風な町並みが片一方。それで反対側は山を最後に広がる古い和風の住宅地
どちらも坂上にあるので郊外と言えば郊外だろう。この二つに挟まれた真ん中の町並みは比較的普通である。ついたのは色々な所に通ずる道、洋風の住宅地に続く道もあれば和風の方も、そして隣町の新都に続く橋、学校、商店街、はては山にある柳洞寺というお寺にも続く
そうして新都と深山町を繋げる大橋、そこをアーチャーは見ると少し怪訝な顔をした。何か思う所でもあるのだろうか。何処かその目は懐かしい物を見るような目...私はそう思った
新都はビルがいっぱいある所になってしまった。というのもここ十年ばかりの話
なんでも十年前に起きた大火事で住宅地はほぼ全焼。まるっきり人が住まなくなった土地を利用してここのビルは建てられた
「どう?狙撃とかできそうな場所は」
「道ばたでそういう発言はやめたまえ。周りから変な目で見られるぞ」
「誰もいないからいいの。それよりどう?」
「はぁ、失念だったな。俺の宝具は確かに弓だがそれは星1つ滅ぼしかねない宝具だ。安易には使えない」
「え!?で、デメリットは?」
「デメリット?チャージ時間が長い程度だな」
「...それじゃあバッドステータスはないの?」
「あぁ」
これ最強じゃなくて最恐じゃない。星1つ破壊する宝具って
「...」
「どうしたの?」
「使えなくなった物もあるらしい」
「嘘!?何が?」
「それは言えない」
「どうしてよ!?」
「これを知ると恐ろしい事になる...いやむしろこの世界では俺の本来の力が使えないようだ」
デメリット背負ってるじゃない...強いんだろうけどこれで勝てるのかしら?
「それよりもかなり歩いたがここは?」
「見ての通り喫茶店よ。そろそろお昼ご飯でしょ?」
「...そうだな。だが」
「アンタも生きてるんでしょ?なら食べる事も必要じゃない。食べないと戦えないわよ?」
「...なら遠慮なく」
「頼みすぎはやめてよね」
そこで普通にランチを頼み、二人は昼食をとる
総刃は本名は教えなかった。ここに遠坂凛がいるならきっと衛宮もいるからだ。そうなると話の説明がややこしくなる。
「貴方本当はお坊ちゃんだったとか?」
「語っただろう。ならば違う事くらい分かるはずだ」
「そうだけど...なんかねぇ」
「それよりも凛」
「何?って名前」
「さすがに人前でマスターと呼ぶのはまずいだろう。それで次は何処へ?」
「そうね...学校の事も教えておきたいんだけど今日は休んじゃったし...」
しばらく考える凛、そして
「それじゃあちょっと曰く付きの場所に行きましょう」
「了解した...が霊退治等できんぞ?」
はぁ、何を考えているのやら。コイツはもしかしたら私と同じ性質なのかもしれない。
総刃は既に食べ終えている。
「ここが新都の公園よ。これで表立った所は歩いて回った訳だけど、感想は?」
「広い公園...なのだがなんだ。何故人気がない?まさか本当に幽霊でも出る等馬鹿げた話ではあるまい?」
「英霊がいるのに幽霊を否定してどうするのよ。...十年前の話よ、この辺り一帯で大きな火事があったんだって。火は燃え続けて雨が振りだした頃に消えたんだとか。その後町は復興したけどここだけはそのままなの。焼け野原になって、何もなくなったから公園にしたらしいわ」
「大きな...火事?まさかここで...すまないマスター、考えてみれば呼び出されたはいいが何年なのかは知らない」
「そういえばそうね。2004年よ。2004年の2月1日、それが今日の日付」
それを聞くと黙り込む、何かを考えてる?いや何故か目線がブレスレットにいっている気がする。気になりブレスレットの事を聞く事に
「ねぇ、そのブレスレットは貴方の宝具 切り札 なの?」
「...そうだな...黙っていてもいつかはボロが出るだろう。ゼロ、挨拶を」
[おう!よぅ凛、俺はゼロ。総刃...いや今はアーチャーか、の武器となり盾となる宝具だ]
「....」
「どうしたマスター、宝具を見て驚いたのか?」
「な、な、なんで喋るのよー!!?」
そこにうるさい声が木霊する。だが総刃は別段気にする事もなくただ腕を組み
「なんでと言われても...そういう物だからだ」
「ま、まぁそうよね。でもそれ神秘を感じないんだけど?」
「それは待機モードだからだ。戦う時はゼロが剣になりそれを振るい戦う。ちなみに弓というのは俺の生き様を形にした物、宝具には偶にそういった伝承だけで形となる物もある」
「ふーん、まぁ貴方が規格外だって事はよーく分かったわ。それで目線をゼロ?に向けてたのはなんで?」
「ふむ、これは教えるより実践した方が分かりやすいだろう。マスター、落ち着いているのだぞ」
『聞こえるかマスター』
「え!?」
『これは俺の生きた世界で行う念話という物だ。本来ならばリンカーコアという物がないとできないものだが今俺とマスターは...そうだな、例えるなら見えない糸で繋がっているといった所か、だからマスターもできるはずだ。ただ心で会話するものだと思えばいい』
『...えっと...こう?』
『あぁ』
そこで凛の右手の甲に痛みが走る、それにより何かを感じとる
「どうしたマスター」
「ちょっと黙って....誰かに見られてる」
「...」
それを聞くとアーチャーは辺りを見渡す。私も必死に回りに意識を伸ばす。だが
「私じゃ見つけられない。アーチャー、貴方は?」
「目で確認しろというのなら難しい、そもそも俺には視線すら感じない」
「って事は見てるのはマスターね」
何者かは知らないがアーチャーで判らないのなら相手はマスターだろう。まだ七人は揃っていないが始めようと思えば戦いはいつでも始められる。
私を監視してるヤツは前哨戦でもやりたいらしいが
「令呪は令呪に反応する...ならばマスターなら何処か判るのではないか?」
「ええそうね。でも高位の術者なら自分の魔力くらい隠す事なんて簡単にできる。いくら令呪同士が反応するからと言ってもその令呪も結局は魔力で発動する...大本であるマスター自身が魔術回路を閉じていれば見つけるのは難しいわ。ゼロはどう?」
[俺には人が何処にいるか分かってもそれがマスターだと理解するのは不可能だ。令呪を見るくらいならできるかもしれないが難しいだろう。必ずしも令呪が見えている訳ではないからな]
「まぁいいわ、待ってればいずれ出てくるでしょ」
戦うのは決まってる事だ。ならば今無理に探す必要はない。無駄にこちらの戦力を教えるのもどうかと思うし。さっさと移動しこの場を離れる事に
もう既に夜になっている。そのため歩いて移動ではなく跳んで移動に切り替える事に
「ここに何か?」
「少しね...少なくとも新都を根城にしているヤツが一人ちる」
「ん?...下?」
不意に視線を感じた。それは下からのものだった。令呪に反応はない。なら敵マスターではない、ただ見てるだけか...見ると
...アイツ...なんでこんな所に...見てる?まさかそんな訳
「そうだ。これからはずっと貴方の事はアーチャーって呼ぶわ。セイバーって呼ぶと得意な接近戦を警戒されるでしょうし」
「なるほど、ある意味嘘の情報を教えると言う訳だ」
「えぇ、そうすれば有利に事を運べるでしょう?それじゃそろそろ行きましょう」
「しっかり掴まっていろ」
跳ぶ、もちろん魔術と魔法両方で強化してだ。そうすれば倍の倍、二乗の力で動ける
深山町に戻ってくる頃には既に21時を回っていた。深山町は新都と違い昔ながらの住宅地である。夜もこの時間帯になれば人影はなくなり町は深夜のように静まりかえる
「こんな所ね。町の作りは大体判った?」
「あぁ、もし忘れてもゼロに記録されている」
「え?ゼロってそんな事もできるの?」
[俺の中身は言ったらデータだぜ?]
生きてるメモ帳?まぁいいわ。これなら負ける事なんてないでしょう...だがそこで疑問が浮かび上がる
「ねぇ...貴方がセイバーとアーチャーの二つを兼ね備えてるなら...この聖杯戦争に召喚されるサーヴァントって」
「あぁその事か、エクストラクラスはないだろうが懸念しておいても悪くないだろう。だが恐らくはセイバーかアーチャーのどちらかが召喚される。ではエクストラクラスの説明だ。まずルーラー、これは普通の聖杯戦争に呼ばれる事はない。次にアヴェンジャー、アヴェンジャーはそのままの意味で復讐者、英雄で例えるならゴルゴーンやまぁある意味特別ではあるがジャンヌダルクも部類に入る」
「ジャンヌダルクってあの聖女の?」
「あぁ、ジャンヌダルクがアヴェンジャーで召喚される時は殺された後の魂だ。だがどうやってもジャンヌダルクをアヴェンジャーで召喚はできないだろう。他にもあるのだが正直召喚されるなんて思えない。だからセイバーかアーチャーだ」
「ふーん、アンタ、英雄に詳しいのね」
「まぁ..な」
後書き
何が使えなくなったか...まぁわかるでしょう
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