蛇の血をひく日向の子とやりたい放題の剣客たち
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第07話 剣客たちと第一次忍界大戦の秘話
赤い髪に両目に宿る白眼の瞳、蛇のような白い肌にナルトやオビトのようなゴーグルを被った忍者学校生徒。
この世界のファッションセンスがイマイチ分からない日向マムシです。でも貰った腕時計はお気に入りだ。
最近はめでたいことが続きます。まずはお世話になっているヒザシ夫妻に念願の第一子が生まれました。
原作では“日向始まって以来の天才”と言われた日向のネジ君です。
僕としてもヒザシさんを死なせたくないという気持ちもあります。そしたらネジ君もグレないで済むしな。
ヒナタが生まれて3歳になるまでは後4年。原作介入できるほどの力が身に着くかは頑張り次第です。
五尾の力を使えば上忍でも相手にできそうだけど……それをやっちゃうと平穏な生活が崩壊するので嫌だ。
めでたいこと第二段としては雨隠れの里に戦争終結の交渉に向かったダンゾウがズタボロになって帰って来たこと。
何があったか知らんけどザマーミロだわ。バーカバーカ。
やっぱり日常生活が監視されてるって気分よくないわー。
第一印象も悪いし、恨みつらみも重なっております。
そういえば最初会ったときは原作みたいに包帯ぐるぐる巻きじゃなかったので
写輪眼や柱間細胞の移植はいつだろうって思ってたけど……。
今は大蛇丸が怪我の治療をしてるらしいから
これからドンドンとズタボロになったついでに柱間細胞の移植とか人体で実験するんだろうなって感じです。
まあお陰で第三次忍界大戦は無事に終結したけど、
ダンゾウは四代目火影に立候補するどころじゃなくなったって訳だ。クソジジイの不幸に笑いが止まらん。
つうか立候補してもおめーの火影の席ねぇから!
大蛇丸も以前に僕と話した会話で思うところがあったのか四代目火影には積極的に立候補しなかったらしい。
原作では森乃イビキが火影になれなかったから里を抜けたみたいなことを言ってた記憶もあるけど関係なさそうだ。
だって不老不死の禁術の研究なんて一朝一夕じゃない。もっと昔っからやってたんだろうな……従伯父さんは。
ただ第三次忍界大戦中は人体実験の材料とかは戦争のドサクサでいくらでも調達できたけど、
これから里が平和になってどうなるかが不安なところだ。
同じ蛇の一族だからだろうか大蛇丸のことはダンゾウほどは嫌いになれない。
というより僕は木ノ葉の里が最も大切だという火の意志が強くないのかもしれない。
父方の血の影響もあるし、原作知識の影響もある、木ノ葉の里は好きだけど、
力があれば里に縛られず自由に生きたいとも思う。
そういえばダンゾウって雨隠れの里に行ったってことは弥彦や小南にズタボロにされたの?
原作ではあの三人は半蔵に騙し討ちされて弥彦が死んだって長門が言ってた記憶があるけど……。
それとも半蔵にやられたのか?あれ?でもそしたら戦争継続だよな。ダンゾウが半蔵を返り討ちにしたのか?
「従伯父さん、ダンゾウって雨隠れの里に交渉に行ったんですよね?
戦争が終結したってことは交渉は成功したんだと思うんですが、何処の忍びにやられたんですか?」
「ああ、あれね。ダンゾウがやられたのは忍びではなくて剣客よ」
「ん?? ……剣客ですか?」
「あら? アナタ、剣客は知らないの?」
「(原作知識には)ないです」
「そう。たしかに“今の”アカデミーでは教えてないわね。読書家だから知ってるかと思ってたわ」
「昔はアカデミーで教えてたんですか?」
「そうよ。忍びの三禁は知ってるかしら?」
「……セックス、ドラック、ロックンロールでしたっけ?」
「それは、酒、女、金の三欲の方ね」
ツッコミもなく素で流された恥ずかしい。
「……他にもあると?」
「私が子供の頃に習ったのは“掟を破るな、里を裏切るな、剣客に手を出すな”の三禁よ」
「前の二つは分かるんですが、最後のは??」
「言葉通りの意味よ。忍びと剣客は互いに不干渉。
正しく言うなら忍びの側からは手出ししないというのが全ての里に共通した決まりよ」
「そんな決まりはアカデミーでは教わってないのですが……」
「そうね。昔と違って忍殺と言われる剣客も殆どいなくなったし、
剣客を教えるとなると木ノ葉の里の汚点を伝えることなるから下忍になってから教えるように変えたのよ」
「忍殺? 木ノ葉の里の汚点?」
前に話して貰った血の系譜のように原作では語られていない何かがあるのか。思わず息をのむ。
「各国に忍びの里ができた訳は知ってるわね?」
「初代様の働きによって千手一族とうちは一族が手を結んだ木ノ葉の里が始まりで、それが各国に広がったと」
「木ノ葉に伝わる千手柱間とうちはマダラの友誼と決別の物語は作り話ではないけど、
あの時代になって急に忍びの一族が連合し各国に里ができたのは“忍殺”と呼ばれる者たちの影響よ」
「忍殺とは何ですか?」「文字通り忍びを殺す者たちよ」
「忍びを殺す忍び……」「違うわ。忍びを殺す剣客たちよ」
「侍に忍びが殺せるんですか?」「侍と剣客は似て異なるものよ」
「すいません。説明して貰っても良いですか」(原作知識が役に立ってない)
「いいわ。第一次忍界大戦より前の時代、各国に里ができる前の話よ。
今の雲隠れの里にディーという名の剣客がいたの。当時の人々は彼を剣聖だとか剣客王と呼んだわ。
ディーはインガオホー!とか叫んで忍び狩りを始めたの」
剣聖?剣客王?ディー?何だか微妙に聞いたことがあるフレーズだ。
「今まで最強の力を持つとされていた忍びを殺す者が現れた。
その力に憧れた者たちがディーの下に次々と集まり弟子入りを志願したの。
そして彼は言ったわ――」
「“俺に弟子入りか? 印可や目録、皆伝が欲しけりゃくれてやる。殺せ! この世の全ての忍びたちを!”」
「彼らは志願者に剣やカラテの技を教えて印可や目録、皆伝を与える条件として忍殺を要求したの。
大剣客時代と呼ばれるまさにサツバツ!とした時代の始まりよ」
それって元ネタは絶対にワンピースやんけ……あかん何故か関西弁になってもうたわ。
「ははは……はぁ、そ、それで?」
「世には忍びを狙う剣客たちが溢れ、忍殺から身を護るため忍びの一族は互いに連合を求めた。
結局は剣客王ディーも別の剣客に殺されて、忍殺と呼ばれた者たちも殆どいなくなった。
忍びの一族による連合は里という大きな共同体になったけど、
共通の敵である忍殺がいなくなって始まったのが第一次忍界大戦よ」
マジで!?この世界はナルトの前はワンピースっぽい怪しげな時代があったのか。僕が知ってる原作知識と随分違う。
「剣客とは何者なんですか?」
「忍者が忍術を扱う者なら、剣客とは剣技を競う者よ」
「忍者も剣術を使いますよね? 侍との違いは?」
「違うの。剣“術”ではないの。剣“技”なの。ちなみに侍は剣術を扱う者よ」
「術と技ですか?」
「違いが分からないのかしら? それならヒントをあげるわ。忍びと一般人を隔てる才能の有無は何?」
「……才能の有無? そうか! チャクラですか!?」
「そうよ。忍術、体術、幻術、医術、剣術、忍びの術は全てチャクラを源とした技術なの。
そういう意味では侍は剣術に特化した忍びとさえ言えるわ」
「つまり剣客たちの技はチャクラを用いないと?」
「そう。彼らはチャクラを用いずに己の技のみで忍びの術を破ることを誇りとする気狂いよ」
後書き
いよいよタイトルにも入ってる「やりたい放題の剣客たち」の情報開示です。
最初はNARUTO-剣客伝-ってタイトルで剣客を主人公に俺TUEEE小説が書きたかったのですが、
どうも無理っぽいので別の主人公(傍観者ポジ&ツッコミ役)を用意しました。
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