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魔法少女リリカル☆イリヤ

作者:マッハ
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想像と現実

ユーノ達には何かあったら呼んでくれとだけ言って自分達の仕事にとりかかる

「午前0時1分前...油断しないようにねイリヤ、総刃。敵はもちろんだけどルヴィア達がどさくさに紛れて何をしてくるかわからないわ」

[お二人の喧嘩に巻き込まないでほしいものですねー]

全くだ。それにしても美遊はコチラは眼中にないって感じだな

「速攻ですわ!開始と同時に距離を詰め一撃で仕留めなさい」

「はい」

「あと可能ならどさくさ紛れで遠坂凛も葬ってあげなさい」

「...それはちょっと」

[殺人の指示はご遠慮ください。総刃さんですね、サファイアといいます。美遊様と共によろしくお願いします]

「あ、あぁ...」

さて、そろそろ時間がくるな

「行くわよ3..2..1」

[[限定次元反射炉形成!鏡界回廊一部反転]]

「「接界-ジャンプ-!!」」

よし始め...へ?


5分後

見るに見られない状況になった
俺はみんなから顔をそらしてる

「な、なんだったのよあの敵は...」

[いやーものの見事に完敗でしたね。歴史的大敗です]

そう、俺達は負けたのだ。というか俺以外がだが

「ちょっとどういう事ですの!?カレイドの魔法少女は無敵なのではなくて!?」

[私に当たるのはおやめくださいルヴィア様]

[ルビーサミング!!]

「メガッ!?」

うわ、痛そう。というかルビー容赦ないな
暴力的じゃないと思ってたのになんか俺の中のルビー象が変わる

[サファイアちゃんを虐める人は許しませんよ!それに魔法少女が無敵だなんて慢心もいいとこです!]

「ごめん、私も無敵だとちょっと思ってた」

俺は無敵まではいかないがすごい強いと思ってたな

[もちろん大抵の相手なら圧倒できるだけの性能はありますがそれでも相性というものがあります]

「...で、その相性最悪なのが...アレだったわけ?」


回想

「何アレ?すごい数」

「ねぇルビー、これって」

[そのようですね、どうやら向こうは...戦闘準備万端だったようです]

「うわぁぁあ!?撃ってきた!?」

「きゃあッ!?」

強烈な連弾が飛んでくる

『おい!今から言う奴になれ!』

『え!?なん、うお!?』

『いいか?...だ』

わけがわからないがやれと言われたならやるしかない

「汝理を破りし者! 交差(クロス) !アストルフォ!」

俺の着ている服に騎士甲冑が追加される
あれ?

「痛くない?」

「痛い!そして熱いよ!なにコレ!?」

「なんでランクAの魔術障壁が突破されるのよ!?」

[あらー?おかしいですねー]

俺はどうすりゃいいんだ?無視されてる気がする

「最大出力...砲射!!」

「ミユさん!」

[すかさず反撃ですかやりますね]

....え、俺この状況何もできないじゃん。ただの壁?

「遠距離戦なら望むところですわ!撃墜なさい!」

よし!これで敵にダメージが
そう思った瞬間攻撃が弾かれた
積みゲーじゃね?

「なっ、弾いた!?」

「あれは魔力指向制御平面!?まさかこれほどの規模で...!」

「これは!?」

回りが風で閉じ込められる
さながら台風の目に入ったように

「た、竜巻!?」

「まずっ!閉じ込められた!」

[あ、イリヤさん上見てください上]

「うえ?」

上ねぇ、すごい言葉にできない規模の魔方陣が展開されてますねぇ。完全に積んだわ

「こ、これはもしかしなくても大ピンチ?」

[八方塞がりですね諦めましょう!]

「馬鹿!逃げる事を視野に入れろ!」

「ててて撤退ですわ!撤退!」


そして今にいたると

「なんでアンタは無傷なのよ!」

「対魔力ですよ」

「アンタにそんなのあるわけ...そういや宝具展開したわね。常識なんて通用しないか」

[まぁ今回は俺達に任せてどっか隅っこで見てろって]

「そんな訳にいかないに決まってるでしょ!?」

「痛い!痛いです凛さん!?放して!」

腕を引っ張られる。

「はぁ、魔方陣の上まで飛べればいいんだけれど練習もなしにいきなり飛ぶなんて」

「あ、そっか飛んじゃえばよかったんだね。忘れてた...え、なに?」

そういやイリヤ海鳴市に行くとき飛んでたな。
忘れてたわ

「ちょっとなんでいきなり飛べるのよ!?というか忘れてた?何よ最初から飛べたって言うの!?」

「夜にソウ追いかける時にソウについてくために飛んでったんですけど」

「そういやアンタも飛べたじゃないの!」

「まぁそうっすね。」

「私やルヴィアでもまる1日訓練してようやく飛べるようになったのよ!?」

「強固な具体的なイメージがないと浮くことすら難しいのにどうして」

「どうしてって、魔法少女って飛ぶものでしょ?」

なんて頼もしい思い込みだ
まぁ実際俺も飛べるんだしイリヤも飛べると思ってたわ。なら美遊も飛べるだろう

「くっ負けてられませんわよミユ!貴女も今すぐ飛んでみせなさい!」

「無理です...人は...飛べません」

なんて夢のない子なんだ!?確かに普通は飛べないけどなのはでさえ飛べたんだぞ!?
あの完璧超人の美遊が飛べないとか...いや物理的に考える美遊ならあり得る...のか?

「そんな考えだから飛べないのですわ!来なさい明日までに飛べるよう特訓ですわ!覚えておきなさい遠坂凛ー!」

「なんで私なのよ...はぁ、今日はこれでお開きね。明日はちょうど学校休みだし私も色々戦略練ってみるわ」

「また明日かぁー、勝てるのかなアレに」

「勝つのよなんとしても」




翌日


人気のない林にやって来る
折角の休日なのに家の手伝いでもないのになんでこんな所にいるかね

「さぁて!特訓するよ!」

「えらく張り切ってるな」

「だってアニメならこういうパワーアップは必須じゃん?」

ははは、まぁそうだけど魔法少女は愛と勇気でパワーアップするもんじゃないのか?

「ルビー!行くよー」

[はいはーい]

「ゼロ!」

[おう!]

俺達は転身とセットアップを一緒に行い決めポーズをとる....

「やってて恥ずかしくないか?」

「うん、ものすごく恥ずかしいよ。誰も見てなくてよかった」

(私達は見てるんですがおもしろいので黙っていましょうか)

[まずは飛んで見ましょう。総刃さんの魔法は別世界の技術のものですから簡単ですがイリヤさんのはイメージで飛んでいます。いざというときに動けるようにしましょう]

「うん!」

早速飛ぶ、気持ちいいもんだな。空

「そういえばルビー、凛さんからこれ預かって来たんだけど試しに使ってみていい?」

[あらカードですかいいですよー]

「アーチャーっていうくらいだから弓だよね?」

俺の中の奴らに弓を使うアーチャーは少ないんだがな。夢潰すのもアレだし黙っとくか

「 限定展開(インクルード) !」

そう言ってカードを翳すとルビーが弓に変わった
おぉそうなるのか。まぁ俺のゼロも盾に変わるくらいだし考えてみたらそうか

「よーし早速試し射ちを...アレ?矢は?」

[ありませんよー、凛さんがした時は手近にあった黒鍵を矢の変わりにしてました]

「あ、戻った」

[時間切れですね]

「地道に特訓するしかないな。俺が動くから狙って撃ってきてくれ」

「...うん」

ヤル気が無くなってるし、期待しすぎたな
俺達はしばらく攻撃の特訓をしていた
やることは簡単、俺がイリヤの攻撃を避ける。イリヤは避けた所を撃つ、それだけ

「そういえば」

「ん?」

「ミユさんはどんな特訓してるんだろうね?」

「さぁー、飛ぶ練習だしジャンプでもしてるんじゃないか?」



今、美遊達は総刃達がいる山の上空にいた

「無理です」

「ミユ、あなたが飛べないのはその頭の固さのせいですわ」

「....不可能です」

「最初からそう決めつけていては何も成せません!」

「.......ですがッ!」

[おやめくださいルヴィア様。パラシュートなしでのスカイダイビングなど単なる自殺行為です]

「こうでもしないと飛べるようにならないでしょう!身体が浮く感覚を実体験でもって知るのですわ!」

誰が見ても馬鹿のやる事だと思われる
美遊はガクガク奮えている。
飛べないのにさぁ出ろと言われてる現実に恐怖してるのだ

「ミユはなまじ頭が良いから物理常識に捕らわれているんですわ。魔法少女の力は空想の力...常識を破らねば道は拓けません!さぁ一歩を踏み出しなさい!できると信じれば不可能など無いのですわ!あなたなら必ず飛べます!」

「....いえ、やはりどう考えても無理で」

....美遊がヘリから蹴り出される

「す!?」

そして美遊は抵抗するすべもなくまっ逆さまに落ちていった。決して飛んでるわけではない




「ん?何か降ってきたな。...アレ...もしかして」

[あぁ、もしかしてのもしかしてだな]

「助けるぞ!汝理を破りし者! 交差(クロス) イスカンダル!」

ゼロが違う剣に変わる。キュプリオトの剣になる。そして空間を斬りどこからともなく飛蹄雷牛が現れる。俺はそれに乗り手綱を引く
落ちてきた美遊を拾う。結構危なかった

「大丈夫か?」

「う、うん」

[ありがとうございます総刃さん]

神威の車輪を地面まで走らせ降りる。そして交差を解く

「ソウー、ミユさん大丈夫?」

「あぁなんとか間に合った」

「...飛んでる」

[はい、ごく自然に飛んでいらっしゃいます。美遊様、ここはやはり]

「...昨日の今日で言えた事じゃないけど...空が飛べなくちゃ戦えない。その...教えてほしい。飛び方」

飛び方って聞いて分かる物なのか?
普通自分で体験してって今してきたのか
俺は魔法で浮いてるからな。助言ができない

「飛び方?そう言われても。ソウはどうやって飛んでるの?」

「俺は飛行魔法を使ってる。さっきのは交差、英霊と身体を共有するんだ。」

[イリヤ様は『魔法少女は飛ぶもの』とおっしゃいました。そのイメージの元となった何かがあるのでは?]

元?...あー、アレか

「アレだな」

「うん..アレだね」

「?」





「こ、これ?」

「うん、私の魔法少女のイメージの大元だと思う」

「航空力学はおろか重力も慣性も作用反作用すらも無視したデタラメな動き」

「そこはアニメだし。現実じゃないからなんでもありだと思ったほうが」

あまりにも固すぎる頭だな

[このアニメを全部見れば美遊様も飛べるようになるのでしょうか?]

「ううん、多分無理。これを見ても飛んでる原理がわからない。具体的な飛行イメージには繋がらない。必要なのは揚力ではなく浮力だって事まではわかる...けどそれだけではただ浮くだけだから」

[ルビーデコピン!]

「はフッ!?」

[まったくもー、美遊さんは基本性能は素晴らしいみたいですがそんなコチコチの頭では魔法少女は務まりませんよー?イリヤさんを見てください!理屈や行程をすっ飛ばして結果だけをイメージする。そのくらい能天気で即物的な思考の方が魔法少女に向いてるんです!]

「ひどい言われよう!?」

「そうですね。美遊さんにはこの言葉を送りましょう『人が空想できる起こりうる全てのことは魔法事象』私たちの想像主たる魔法使いの言葉です」

おぉルビーがなんかすごい事言ってる。
珍しい。明日は槍の雨か?

「物理事象じゃなくて?」

[はい!]

「まぁようするに『考えるな!』『空想しろ!』っていう事だよね...うわー納得いかないって顔ですね」

「あまり参考にはならなかったけど...少しは考え方がわかった気がする。また...今夜」

「送ってくよ」


[行っちゃいましたね]

「また今夜か。貴女は戦うなって言われた昨日より前進?」

[あとは3人がキチンとした連携がとれれば文句はないですね]







「別に飛ぶ事意識しなくてもいいんじゃないか?」
「?」

「ほら某赤い帽子被った人でも壁蹴ってるし現実でもできる人はいるみたいだしさ」

「壁...蹴る...考えてみる」

バタンと玄関の扉が閉まる。
さて今夜どう戦うか考えないとな
 
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