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真田十勇士

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巻ノ百四 伊予へその七

「こうしてじゃな」
「うむ、武器もじゃ」
「存分に使ってか」
「そして戦うのじゃ」
 このことも覚えよというのだ。
「猿の動きを超えると共にじゃ」
「その中で武器を使うこともじゃな」
「覚えよ」
 それもというのだ。
「既に覚えておるがじゃ」
「これまで以上の動きをじゃな」
「覚えるのじゃ」
 そうした動きをというのだ。
「よいな」
「わかった、ではな」
「人と猿は何が違うか」
 大介は孫にこのことも話した。
「わかるな」
「文字を読み書きが出来て道具と火を使える」
「そうじゃな」
「そうしたこともじゃな」
「備えるのじゃ」
 これまで以上のものをというのだ。
「よいな」
「わかった、こうしてじゃな」
 猿飛は今度は木の葉を手裏剣にしてみてそれを投げてから述べた。
「やってみるのじゃな」
「うむ、よい使い方じゃ」
 その木の葉の手裏剣が狙ったところに刺さったのを見て答えた。
「腕を上げたのう」
「手裏剣を使えなくしてじゃ」
「忍は務まらぬな」
「投げるだけではない」
 その使い道はとうのだ。
「穴を掘ったり重しにも使えるしな」
「実に便利なものじゃ」
「特にわしはこうしてじゃ」
「木の葉も手裏剣に出来るからな」
「余計によいな」
「その通りじゃ」
 大介は孫の言葉に確かな声で答えた。
「それでよいのじゃ」
「やはりそうじゃな」
「うむ、しかしな」
「それでもか」
「まだよくなる」
 その手裏剣の腕はというのだ。
「だからじゃ」
「よりじゃな」
「腕を上げるのじゃ」
 手裏剣のそれもというのだ。
「だからこれまで以上によい使い方をせよ」
「木の葉もじゃな」
「幾つも同時に。吹雪の様に使うこともするがな」
 猿飛、彼はというのだ。
「その時葉の違いも考えるのじゃ」
「葉のか」
「例えば紅葉と松で葉の形が全く違うな」
「そうじゃな」
 猿飛もそのことははっきりとわかって頷いた。
「それはな」
「ではな」
「その葉の違いもか」
「よく頭に入れてじゃ」
 そのうえでというのだ。
「戦えばじゃ」
「さらに違うか」
「松の葉のあの細さと鋭さを意識してな」
「使うとじゃな」
「どうじゃ」
「うむ、無数の針が襲う様じゃ」
 敵に対してだ。
「そうなるわ」
「そうじゃな、だからな」
「葉の種類もか」
「一つ一つな」
「頭に入れてか」
「戦うことじゃ」
 木の葉を使う時はというのだ。
「山には色々な種類の草木があるからな」
「その草木の一つ一つをじゃな」
「覚えてじゃ」
 そしてというのだ。 
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