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和-Ai-の碁 チート人工知能がネット碁で無双する

作者:笠福京世
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第二部 北斗杯編(奈瀬明日美ENDルート)
  第54話 エピローグ 奈瀬明日美ENDルート

■ 旅立ち ■

 春蘭杯の優勝者との最後の対局が終わり、和-Ai-のノートパソコンだけが薄れて世界から消えていった。

 彼は消えることなく、この世界に残った。

 私は和-Ai-から最後に“未来の一手”を受け取った。

 元の世界に還ることを諦めた彼が私に行った。

「卒業したら日本を離れるけど、奈瀬も棋士を辞めて一緒に来る?」

 私の答えは決まってた。

「ごめんね。天元も他のタイトルも取ってないから一緒に行けない。」

「そっか……残念。オレ、振られちゃったかな?」 彼は笑いながら嬉しそうに答えた。

「今回はフッたけど、私がタイトル取ったら、そらくんはご褒美忘れずに頂戴ね?」

 彼は卒業後に日本を離れて海外を中心に生活を行うようになった。
 台湾を拠点に日米中を奔走し新興のITベンチャーに対して投資事業を行った。
 桐嶋堂はKGS(桐嶋囲碁サービス)グループとなり、ITと囲碁の世界を繋ぐ企業として知られるようになった。

 私は高校を卒業後は進学はせずトーナメントプロとして囲碁棋士の仕事に専念する。
 二十歳で緒方天元を相手に念願のタイトル初挑戦に挑むが敗れた。
 翌年、再び緒方天元に挑戦し天元のタイトルを手に入れることができた。

 しかし年末に東南アジアを旅行中スマトラ島沖地震に遭遇し被災した彼は、現地に滞在し私財でNPOを設立し忙しく復興支援を行っていて日本に帰ってくることはなかった。

 彼が私に最高のご褒美をくれたのは、あの大震災が起った年のこと。
 そして私が女性初の三大タイトルを手にするのは人工知能がプロ棋士を破った運命の年の前年だった。

To Be Continued ?

→番外編(第二部エンドロール)へ

■ 巡り逢い ■

 私が天元位のタイトルを取って2年、彼が上海で行方不明になってから2年の月日が流れた。

 天元位を取った翌年には本因坊リーグを勝ち上がり、念願の本因坊を懸けて鷺坂総司本因坊に挑戦するが後一歩で敗れ女性初の三大タイトルを逃す。

 さらに名人リーグでは烏丸和歌女流に敗れ、名人挑戦の先を越されることになった。

 彼がいなくなってから、何とか調子を落とさず頑張って来たけど、どこかで糸が切れてしまいそうだった。

 ずっと当たり前の存在で、いなくなってから改めて、その大切な存在に気付くことができた。

 彼が最後に宿泊した上海のホテルの同じ部屋に泊まる。二年が経ったが彼の足取りは一切ない。

 肉体的疲労に精神的疲労が重なり私は限界に来ていた。

 だからだろうか。大好きなヒカルの碁の藤原佐為の幻覚が私の目の前に鮮明に視える。

――貴女がAiですか?

 佐為が私の名前を呼ぶ。ついに幻聴まで聞こえて来た。

――聞こえますか?私の声が?

「佐為なの? ホンモノの?」

 あまりにも鮮明な幻覚と幻聴に思わず声を投げかける。

――はい。私の名前は藤原佐為。貴女は?

「私の名前は桐嶋和。囲碁のプロ棋士よ」

――良かった。神に感謝を。やはり貴女がAiでしたか

「……私を知ってるの?」

――はい。貴女にお願いがあって参りました

「お願い?」

――ええ。共に“永遠の一手”を求めて欲しいのです

Tomorrow is another day ?

→第三部春蘭杯編へ(永遠の一手ENDルート) 
 

 
後書き
第二部の番外編はエンドロールとして予約投稿済みです。あくまで「おまけ」です。

第三部は……プロットが完成していません。
まだまだ書きたいこともありますが、私には囲碁AIの未来が分かりません!!

なので数年後に囲碁AIによって囲碁界が大きく変化するようなイベントが、
発生したら書くかも?って感じです。

今後、人工知能のテクノロジーが発達し、この小説の続きを書いてくれることを期待して……。

とりあえずヒカルの碁の二次創作「和-Ai-の碁」の更新は此処で一度ストップします。
最後まで、お付き合い頂き本当にありがとうございました!! 
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