全然ショートじゃないSS集
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賢者の孫
二人目の孫 01
――――転生をして、意識と記憶がハッキリしてきたのは良いですが、今生の両親がクズ過ぎて人嫌いになりそうDEATH。
……うん、いきなりなんだと思うけど、この度転生して新しい命を貰った、旧:豺狼 晏哭、現:アンナ・ロミルダ・シュトゥルムヴィント=フォン=ウォルフガング・シュライバー・フローズヴィトニル・ヴァナルガンドだよ。
……うん、言わなくてもわかるよ。長すぎでしょ? 僕もそう思う。四重姓だし。因みに、名前は『名・家を興した御先祖の名・御先祖の妻の名=フォン=国から賜った家名・嫁入りした家の家名・御先祖の妻の家名・御先祖が貴族になる前の家名』らしい。どうでもいいが何だこの僕の名前から溢れるDies iraeのシュライバー感は。白髪だし碧眼だしシュライバーに近いって言われると否定出来ないけどもさ。
まぁ名前の事は一先ずさて置き、重要なのは転生したら両親がどうしようもないゴミクズだった件だ。転スラみたいとか言うな。どうもダームとか云う国の貴族の嫡男として産まれたらしいんだけど、まぁー親からの暴力が止まない事止まない事。お陰で生傷が耐えないんだ。青痣、火傷、裂傷、切傷、刺傷、打撲、骨折、脱臼、螺子穴、その他諸々。NARUTOの森乃イビキの頭の傷痕を種類増やして全身にビッシリ付与した感じ。顔と頭と手だけは無事だよ。でも左眼はなくなった。あと服で隠れる部分しか狙ってこないんだよね。だから親戚とか使用人達とか気付かない。まぁ気付いた上で放置してる感じだけどね。僕嫌われてるし。まぁ犬歯が肉食獣並に長く鋭くて片目が紅かったし、その上まだ三歳なのに外観年齢七歳位だから分からんくもないけども。あと痛みにはもう慣れたよ。四肢欠損無ければ儲けもんだよ。
で、そんなこんながあって現在僕3歳なんだけど――
「ま、まて! 逃げるなこのバケモノ! お前は大人しく私の身代わりにな、うわああぁぁぁあ!!!!」
――出先で親族含めて一家所か領地含めて丸っと災害級含む魔物の群に襲われております☆。
因みに今のは父親だよ。ライオンの前足の爪で引っ掻かれて転けて、『オレサマ、オマエ、マルカジリ』的な感じで頭からボリボリ喰われた。他は母親もその他親族も使用人も既に食い殺されてるですます。残り僕一人。よく山ん中に放り出されてた事が此処で役に立つとはねぇ。一毛位なら感謝してやってもいいな。
まぁ某白騎士みたく親類に虐待されてたからソレに肖って『そろそろぶっ殺してやろうかな?』とか考えてた時期だから感謝はしないけどね。ホントにその内白騎士と似た様な渇望抱きそうで怖いれす。
転生する際に会ったカミサマが言うには、この世界には魔法があって、確りしたイメージと相応の魔力が有れば無詠唱で魔法が使えるんだとか。で、魔力は『魔力制御』をする事で増やせるって聞いたから意識が覚醒した時から魔力制御しまくって得た膨大な魔力と、元々サブカルチャーが氾濫した変態国民日本人の世界の斜め上を行く変態的想像力でイメージを補完した身体強化魔法を何重にも掛けて魔物の群れから木を避けつつ逃げてるよ。この辺森だから木が大杉ぃ!
光学迷彩とかも日本人ならではだよね! って事で光学迷彩っぽい魔法と幻灯の魔法を並行して発動してみても匂いでバレバレらしく幻無視して追っ掛けてきた。
――――――――プチッ
「いい加減鬱陶しいぞ劣等がぁぁぁぁッ!!」
いい加減うざいから異空間収納に仕舞ってた、数ヶ月前にコソコソと造った習作の武器を引っ張り出して、魔力を高め、障壁を張っていざ鏖殺じゃぁー!!
――――――――――――――――
「……長く、苦しい戦いだった。具体的に言えば魔物の不味さが一番の強敵だった。……まぁ、兎にも角にも――――
―――― 勝 ち ま し た ☆ 。いやー、カミサマにお願いして転生前に武具の扱い方とか武器の打ち方とか教わって練習して正解だった。やっぱり剣と魔法の世界に行くならめだ箱の言葉と鍛冶師の能力と兜蟲の筋力とアサクリシリーズの主人公達の能力とかだよね。某とんでもスキルでも頼もうかと思ったけど資金確保出来る気が全くしなかったから頼まなかったけども」
災害級2、超大型8、大型15、中型27、小型68、統合して120匹の群れを無傷で蹴散らす三歳児(見た目は七歳)。父親がバケモノ呼ばわりする訳ですわ。その父親はライオンに頭から丸かじりされて死んだけども。
挫折はするな、アンナ少年。例え君が女顔女声で性別を間違えられ様と、君の物語は始まったばかりなのだから。
続く。
「なんだこの終わり様は……」
後書き
最初は主人公の一人称を拙にしようとして、一人称『拙者』が居たのを思い出したから『僕』にしたってのは内緒。
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