猛虎万歳
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第四章
「こんなのだと」
「クライマックスに出てもね」
「駄目ですかね」
「そうなって欲しくないけれど」
「勝てないですかね」
「嫌になるね」
「本当に、もう帰ったら」
アルバイトが終わってというのだ。
「お風呂入って寝ます」
「そうしてまた明日だね」
「はい、今年も無理ですかね」
「そうなって欲しくないけれど」
「それでもね」
「この状況だと」
陽子は項垂れた顔のままだった、阪神ファンにとっては辛い状況が続いていた。だがそれでもだ。
次の日にはだ、陽子はキャンバスでこう言っていた。
「昨日は駄目だったけれど今日は勝つわよ」
「広島にね」
「そうなるのね」
「そうよ、一敗よ」
酷い負け方だったがというのだ。
「これから十連勝してやるわ」
「その意気ね」
「結局前向きじゃないとね」
「阪神応援していられないわね」
「そうよね」
「そうよ、クライマックスにも勝って」
そしてというのだ。
「日本シリーズにも出て」
「日本一ね」
「そうなるのね」
「絶対によ」
めげずに言う陽子だった、落ち込むことはあってもそれは一瞬でだ。その目hがあくまで前向きな光に満ちていた。
猛虎万歳 完
2017・8・26
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