ハイスクールD×D 異界黙示録の機晶神
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第五章:冥界合宿のヘルキャット/導き手のスレイヴ
Change12:リアスVSソーナ:序盤~Start game~
レーティングゲーム開催日当日。
俺―――兵藤一誠は今、専用の待機室でウォーミングアップをしていた。
部長と朱乃さんはゲームのシミュレーションを、木場とゼノヴィアは自身の武器の確認、小猫ちゃんはアーシアとギャスパーの三人で雑談している。
まあ、アーシアとギャスパーに関しては心を落ち着かせるのがいいだろうし、まだ若干迷っている小猫ちゃんは誰かと話ていたほうがいいのだろう。
今日は部長の初のレーティングゲームの公式戦、俺が足を引っ張らないように頑張らないとな。
「イッセー先輩少しいいですか?」
俺がウォーミングアップを終わらせたところに小猫ちゃんが話しかけてきた。
「ああ、いいよ。おtれも丁度ウォーミングアップ終わったところだし」
俺と小猫ちゃんは近くにあった長椅子に座る。
ちょっとした沈黙が続いたが小猫ちゃんが再び話しかけた。
「イッセー先輩、私は決めました」
小猫ちゃんは一拍開け話始める。
「今回のゲーム…このゲームを機に私は・・・・・猫又の力を使います」
「小猫ちゃん…」
俺は踊ら数に話の続きを聴いた。
「やはりこのままでは私は皆のお役に立てないかもしれません。だから使おうと思います」
小猫ちゃんが真剣な眼差しをしながら俺に言った。
正直俺は人を見る目はあまり良くないけど、今の小猫ちゃんの目で俺は分かった。
小猫ちゃんはついに決意したんだ。
いままで否定してきた自分自身に流れている血と力を受け入れることに。
「だ、だから…私が私が猫又の力を使うところを見守っていてくれますか?」
ほほを少し赤くしながら言う小猫ちゃん。
やっぱり小猫ちゃんはかわいいぜ!!
しかも若干上目使いで俺としては保護欲が出たしまうぜ!!
まあ、今はそんなことは置いといて…。
「わかった。ちゃんとは見守れないけど、しっかりと見守るぜよ」
「・・・・はい!」
おお!!小猫ちゃんの気合の入った返事。
これは期待できそうだ。
う~ん。
俺としては小猫ちゃんが覚悟してくれたのはいいけど、少し気になることがある。
いちおう聞いてみるか。
「小猫ちゃん」
「はい、なんでしょうか?」
「小猫ちゃんはこの修行でシンの事をどう見てどう思っているんだ?」
「っ!?……」
小猫ちゃんが急に表情を変えた。
やっぱり小猫ちゃんはシンに対して何かあるようだ。
「いやなら話さなくてもいいんだけど…」
「いえ…そんなことはありません。ただ……」
小猫ちゃんは誰かを心配しているような顔をしていた。
「ただ、私がオーバーワークしすぎて倒れたとき、シン先輩が私に注意しているときなんですが…」
確か、俺とすれ違いになったときか。
あの時、シンと小猫ちゃんが何を話していたのかはわからないが、なにかあったのか?
「あの時シン先輩の顔がまるで後悔しているような表情をしているようでした」
「後悔…?」
「はい、確か…『お前自身の恩人に迷惑をかけたから俺はああしたんだ……』の時遠くでしたがシン先輩はまるで自分を責めているようにも見えました」
シンが後悔……。
正直シンは謎だらけの存在だ。
自分の事に関してはあまり話そうとしないし、家族のことを聴くとうまい形ではぐらかせてしまう。
シンの言葉や行動には必ず意味がある。
今までそうだったから。
「それで、私あれから考えて、思い出したらシン先輩に失礼なことを言ってしまっ他ことに気づいて、それで……」
小猫ちゃん…。
俺はシンと小猫ちゃんの会話を詳しくは聞いていないけど、小猫ちゃんの顔を見るとかなり罪悪感があるみたいだ。
それなら……。
「なら小猫ちゃん、このゲーム勝とう」
「イッセー先輩…」
「どうせならここまで俺たちに尽くしてくれたシンたちに報いるためにも絶対このゲーム勝とう。それも誰もリタイヤせずに。それとゲームが終わったらちゃんとシンに謝りに行けばいいよ」
「……はい、イッセー先輩。このゲーム勝ちましょう」
「おうっ!!やってやろうぜ小猫ちゃん!!」
―○●●●●○―
ゲーム開始数分前。
俺たちはゲームフィールドに転移する専用の魔方陣の上にいた。
ちなみにアーシアとゼノヴィア以外は駒王学園の夏服だ。
アーシアはいつものシスター服で、ゼノヴィアはエクスカリバーの一件の時の戦闘服を着ている。
どうやら二人ともそっちのほうが落ち着くようだ。
そして見送りには、部長の親御さんとミリキャス、アザゼル先生、そしてシン、テュールさん、羽衣が来ていた。
「初めての公式戦、頑張りなさいリアス」
「次期当主としてグレモリー家の一員として恥じない戦いをしなさい」
「頑張ってくださいリアス姉さま‼」
「まあ、あまり修行には関わっちゃいないが、俺ができることはした。あとはお前ら自身だ」
部長の親御さんとミリキャス、アザゼル先生が声援を送ってくれる。
しかも部長はこの声援でさらに気合が入ったような気がした。
そして……。
「皆、頑張ってね‼」
「イッセーたちの奮闘、楽しみにしておるぞ」
テュールさん、羽衣も声援を送ってくれた。
俺、二人と手合わせして手に入れた力全力でふるって勝ちに行きます!!
「まあ、俺絵からいえることは一つだけです・・・・。出し惜しみは一切するな…です。頑張ってください」
「ああ、シンが鍛えてくれたことに対して全力でやってやるぜ!!」
俺がシンの声援に対して返事をするとシンがこちらに近付いてきた。
「イッセー、俺から言える最後の助言だ。―――匙はきっとお前を狙ってくる最初にな、だから匙には気おつけろ、おそらくあいつはどんな方法を使ってもお前を倒しに来る」
「ああ、あいつはきっとおれを狙ってくる、奴は誰よりもこのゲームに真剣だからな。だから俺も匙に負けることがないように奴を最大限に警戒するつもりだ」
「その意気だ。この様子なら俺の助言は余計だったようだな」
「いや、有難いぜ。改めて再確認することができたしな」
そして魔方陣が輝きだした。
どうやらそろそろらしいな。
「皆行ってくる‼」
そして俺たちは魔方陣の光に包まれた。
―○●●●●○―
「皆行っちゃたね」
「そうじゃのう」
「ああ、あとはみんな次第だ」
「それにしてもマスターの今の表情から察するに、どうやらこのゲームの行方はもう予測済みってことなのかな?」
「確かに、明らかに何かを確信した表情をしておるな」
「そうか…?まあ、テュールたちが言っていることはあながち間違いじゃないからな」
「そうなの?…で、マスターの予測はどうなの?」
「気になるのう…」
「別にいいが聞いたらゲーム観戦があまり面白くなくなるぞ?」
「大丈夫!だって様相は決して当たるものじゃないんでしょ?」
「そうじゃ、結局はその場の動き次第だからのう」
「そうか…なら俺の予想は『――――――』だ」
「へぇ~。まあ、聞いたら当然だと思うね」
「まあ、そうなる確率はかなり高いのう」
「まあ、見ようじゃないか。俺の予想が当たるか、それとも相手が上か…」
―○●●●●○―
魔方陣で転移して到着したのは、かさつきのテーブルが沢山あるところに来ていた。
てかここ見覚えがあるぞ…?
「まさか今回のゲームフィールドが駆王学園近くのデパートが舞台とはね。おおむね私たちが知っている場所が来るかと思ったけどまさかこことは、予想外だったわ」
隣にいた部長がそうつぶやく。
確かにここは俺らが通っている駒王学園の近くにあるデパートだ。
まさかこことはな…。
俺としてはてっきり駒王学園だと思っていたな。
するとアナウンスが鳴りはじめる。
〔皆さま、この度はグレモリー家次期当主リアス・グレモリー様と、シトリー家次期当主のソーナ・シトリー様の『レーティングゲーム』の審判役をさせて貰う、ルシファー眷属『女王』のグレイフィアでございます〕
アナウンス役はフェニックス戦の時と同じグレイフィアさんか…。
まあ、慣れた人だから落ち着いてゲームに集中できそうだ。
〔我が主、四大魔王の一角であるサーゼクス・ルシファーの名のもと、ご両家の戦いを見守らせていただきます。どうぞ、よろしくお願い致します。早速ですがゲームフィールドの説明に入らせていただきます。ここはリアスさまとソーナさまの通われる学舎「駒王学園」の近隣に存在するデパートをゲームフィールドとして異空間にご用意しました。これにより互いの地の利を均等に致しました〕
「なるほどね、僕たちと会長側で地理関係で優劣がきまらないようにしたわけだね」
確かにそうだな。
駒王学園だと生徒会しか知らない場所とかで奇襲とかありそうだし。
〔両陣営、転移したところが本陣となっています。リアス様は北側の一階、ソーナ様は南側の最上階のとなっております。『昇格』を行う『兵士』の方は本陣まで赴いてください〕
なるほど俺が『昇格』するときは南側の最上階までいかないといけないのか。
まるで戦略ゲームのルールみたいだな。
まあ、これも戦略ゲームみたいなものなんだけど。
だけど俺ら側は『昇格』できるのは俺しかいない。しかし会長側は匙と後輩の仁村さんが居るから不利だな。
まあ、部長ならこっちの不利を考えて戦術を組んでいくと思うけど。
〔それと今回のゲームには特別ルールがあります。詳細は各陣営のところにありますので確認をお願いします。それと回復品である『フェニックスの涙』は各陣営に一つずつ支給されています。そして作戦時間は30分。それまでは両チームも接触は禁止となります〕
そしてアナウンスが終わり作戦時間が始まる。
「今回のゲームは屋内戦を想定したゲーム。目立った特別ルールは『バトルフィールドとなるデパートを破壊しつくさないこと』要するに範囲攻撃やキビがある攻撃は禁止ってことね」
部長が資料を見ながら言う。
「私が特に不利になるルールだな。初手の波動攻撃ができないな」
確かに、俺たちは木場とギャスパー、戦闘要員出ないアーシアを除くほとんどが範囲攻撃を得意としている。
ゼノヴィアのデュランダルによる波動攻撃は朱乃さんの雷による攻撃がルール的にアウト。
正直攻撃の要が二つ無くなったことになるな。
「しかも資料を僕も見たけどギャスパー君の神 器の規制が入って使用禁止が来ているね。まあ、主催者側からしたらまだギャスパー君の神器でゲームがハチャメチャになるのを回避する意味だろうね」
「す、すみません。修行してある程度扱えるようになったのですが、まだうまく制御できた居ません」
「大丈夫よギャスパー。あなたが謝ることじゃないわ」
それにしても今回のゲームは俺たちにとってはものすごく不利なルールだな。
さて、部長達はどう考えてくれるんだろうか?
「まあ、みんなも確認した通りこのゲームは”以前の私たち”ではかなり不利なゲームでしょう。だけど皆の修行の成果を聴いているからこのゲーム決して不利じゃないわ。むしろ修行の成果をシンたちに見せつけるいい機会よ」
部長が不敵な笑みを浮かべながら言う。
「あらあら、ずいぶんと燃えてますわね」
「ええ、当然よ。地獄ともいえる修行をしてその成果をシンに見せつけてやれるのだから。朱乃も…いや、おそらくこの場の全員がが同じ気持ちのはずよ」
部長の言葉に全員が頷いた。
シン君に与えられた地獄ともいえるメニューを僕たちはこなしそれぞれ成果を出せたんだ。
決して無様な姿を見せるわけにはいかない。
そんなことしたらシン君に恩を仇で返すようなことになってしまうからね。
しかも一番このことに関して燃えているのはイッセー君だしね。
「さて、とりあえずまずは周りの状況把握から始めましょう。最少はいけるところまで戦場把握と罠の設置が先決だわ。祐斗と朱乃、私が行くわ。二人ともついて着て頂戴」
そして部長、朱乃さん、木場は偵察と罠設置に行った。
―○●●●●○―
「戻ったわ」
部長達がこちらに戻り地図を確認しながら罠の設置場所やどれくらい障害物があるかなどを確認した。
そして、
「とりあえず相手に本陣に向かうために皆にはツーマンセルで攻めてもらうことにするわ」
二人組での行動か…。
俺と組むのは誰になるんだろう?
「まずは左側からは朱乃、木場二人で行ってちょうだい」
「わかりました。よろしくお願いしますわ木場君」
「はい、朱乃さん」
朱乃さんと木場か、木場が前衛で朱乃さんが後衛って形だな。
「次に西側からゼノヴィア、ギャスパーでお願い」
「わかった。よろしく頼むギャスパー」
「は、はい!!頑張ります!!」
「ちなみにギャスパーはヴァンパイア乃能力で蝙蝠に変化してゼノヴィアと進みながら戦場の状況方向句をお願いするわ。あと戦場状況方向で行っては行けないところがあるからあとで私のところに着て頂戴」
「はい!!」
なるほど確かにゼノヴィアは修行の成果で単独でほとんど行動しても大丈夫だしな。
それに蝙蝠に変化ギャスパーは偵察に向いているしな。
となると俺のパートナーは―――。
「そして中央からはイッセーと小猫に任せるわ。小猫は猫又の力を使いながらイッセーと攻めて頂戴」
「了解しました!!頑張ろうな小猫ちゃん‼‼」
「はい、リアス部長、イッセー先輩」
小猫ちゃんと攻めるのか。
丁度、見守るって約束したから頑張るぜ!!
「そして最後に私とアーシアで状況に応じて移動するわ」
「わかりました部長」
こうして俺たちは序盤の作戦を練り終え、ゲーム開始まで待つことにした。
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