| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

序章~全ての始まり、守護者の刃~
第1章誕生!最強ライダー編
  第24話『夢人』

これまでの、仮面ライダーディロードは─
雅は、世界の宝を奪おうとする海東大樹=仮面ライダーディエンドを退け、強敵ケルベロスⅡを撃退した。


「仮面ライダー555(ファイズ)の世界。人は死ぬと、一定の条件下でオルフェノクと呼ばれる動植物の特性を持つ異形に進化する。オルフェノクは最初は生まれて間もない種族であった為細々と隠れるように生きていたが、スマートブレインという会社がオルフェノクを守る武器を作って以降はその動きを活性化させた。オルフェノクの特徴は、自分が殺した相手を一定の確率で同族にする力だ。そして、そのオルフェノクを守る武器というのが、この世界の仮面ライダー、ファイズ達だ。」
雅は世界の説明をしている。
「それで、なんでそんな説明をしたんですか?」
圭一は雅に質問する。
「さっきも説明したように、ライダーシステムはオルフェノクを守る武器であると同時に、オルフェノクを倒せる数少ない力だ。ただ、その力を使えるのは、オルフェノクか、オルフェノクに極めて力遺伝子でないといけない。勿論、ファイズに変身する乾巧さんもオルフェノクだ。だからこそ、敵の王、アークは巧さんを狙う。そして、今度は完全復活を狙っている。とにかく、僕はすぐ出る。みんなは危険だから待機していてくれ。」
雅はそう言い、出ていった。

マシンディローダーを走らせ、少しすること、スーツ姿の老齢の男性が雅を呼び止める。雅はその男性の顔を見て驚く。
「貴方は、花形さん!?」
呼び止めた男性の正体は、かつて孤児を集め、流星塾という私塾を開いていた男、花形であった。
「いかにも、その通りだ。」
「しかし、貴方は既に寿命で…」
そう、花形は既に寿命で、ゴートオルフェノクとしての命を終えているのである。
「ああ。その通りだ。しかし、木場君達の活躍で死に体となったアークは、かつてカイザギアとデルタギアでを利用した者達を自身の配下として蘇らせ、その中で一番強い者の肉体を利用して復活しようとしている。私は、強い精神力で支配に抗っていたが、それも限界に近い。そこで君に頼みがある。」
花形はそう言うとアタッシュケースを雅に渡す。そして、雅が開けると、そこには見たことの無いライダーギアが1台入っていた。
「これは…」
「それはシグムスギア。オルフェノクに成りえる可能性の無い、純粋な人間のみが扱えるギアだ。これで、真理達を助けてくれ。来るぞ!」
花形は説明し、短く告げると雅は振り返る。すると、仮面ライダーカイザ、デルタの姿をした奇怪なオルフェノクが一体ずつ現れる。
「こんな姿じゃ、啓太郎さんに会えない…」
「たとえどんな姿でも、僕が一番強いんだ!」
「なるほど、確かに、カイザとデルタの装着者だな。」
雅はそう言い、シグムスギアを装着し、シグムスフォンを開き、4、9、6のコードを入力する。
[stunning by?]
「変身!」
雅はシグムスフォンをシグムスギアにセットする。
[complete]
認証許可によって雅の身体を覆うように緑色のフォトンブラッドが駆けめぐり、雅はΣの記号を持つ仮面ライダー、シグムスに変身した。
「行くぞ!」
シグムスはその拳でオルフェノク達を攻撃し、着実にダメージを与えてゆく。
「なるほど、もともと復活の為のつなぎなだけあって、大した力は無いか。なら、これで一気に終わらせる!」
シグムスはオルフェノク達を蹴り飛ばして距離を取り、シグムスポインターを左脚に装着する。
[exceed charge]
シグムスはジャンプする。
「ハァッ!」
シグムスは2体のオルフェノクにマーカーを合わせ、それぞれに一度ずつ必殺のキックを当てる。そして、オルフェノク達はΣの文字が現れると、崩れるように撃破された。そして、
「よくやった。私の役目は終わりだ。」
花形はそう言うと、デルタオルフェノクの姿になり、自らの手でその偽りの生を終わらせる。
「花形さん、ありがとう御座います。さて、巧さんの所に向かおう。」
雅は変身を解除し、マシンディローダーに乗ろうとすると、灰色のオーロラが出現し、カブトとブレイドが現れる。
「おばあちゃんが言っていた。不味い飯屋と、悪が栄えた試しは無い。世界を滅ぼす悪は俺が倒す!」
「誰かを哀しませるなら、俺は立ち上がる!例え、相手が誰でも!」
カブトとブレイドははやくも戦闘態勢に入る。
「これはやっかいな相手だ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「さて、力を貸してくれ。フェイト!」
ディロードはバルディッシュ・アサルトのアタックライドをロードスラスターにスキャンする。
【ATTACK RIDE-BARDICHE ASSAULT-】
ライドカードの力でロードスラスターはバルディッシュ・アサルトに変わる。それと同時に、
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
ディロードの身体に閃光が走り、ディロードはライトニングフォームにフォームチェンジする。
「行くぞ。」
ディロードは短く言うと、凄まじいスピードでカブト達に近づく。
「クロックアップ。」
[clock up!]
「俺も行くぞ!」
[much]
カブトはクロックアップを、ブレイドはマッハのラウズカードで加速する。
「やはり、一筋縄では行かせてもらえませんか。なら!プラズマランサー、スパークショット!」
ディロードは弾魔法を使いブレイドを攪乱。その隙にカブトに向かう。
「ひよりさんの時はお世話になりましたが、今は本気でやらせていただきます!」
「何の話だ?俺は俺の力で、ひよりを取り戻した。そこにお前は関係ない。」
「それは嬉しいことです。世界が、正しく動いてくれたのなら、僕はそれで充分です!ですから、すみません!」
ディロードはそう言うとバルディッシュアサルトをザンバーフォームに変えてフルスイングし、カブトをオーロラの中へ叩き帰す。
「剣崎さんも、すみません!」
ディロードはカブトの時と同じ要領でブレイドを叩き帰した。
「さて、早く巧さんの所に向かおう。」
雅は変身を解除し、マシンディローダーに乗り、巧達の生活している西洋洗濯舗 菊池に向かう。


その頃、巧とデルタに変身する三原の前に、それぞれカイザオルフェノクが現れる。
「三原、なんで君が生きていて、俺がこんな姿にならないといけないのかな?」
「その声、草加か?」
「ああ。気に入らないんだよ。君みたいに、平和に暮らしている君が!」
カイザオルフェノクは問答無用と言わんばかりに攻撃してくる。
「仕方がない。変身!」
[stunning by?complete]
三原はΔの記号を持つ仮面ライダー、デルタに変身する。
「3821!」
デルタは、変身アイテム兼武器のデルタムーバーにミッションコードを入力し、大型ホバーバイクのジェットスライガーが出現し、デルタは搭乗し搭載されているミサイルポットからおびただしい数のミサイルをカイザオルフェノクに放つ。いくら姿が違うといえど中身はカイザを一番使いこなしていた草加雅人。最初の15発は応戦しミサイルを破壊してみせたが、物量攻めには適わず撃破される。
「草加…許せ…」
デルタは仮面の内側で泣いていた。

その頃、巧は戦友でもあった木場勇治=ホースオルフェノクの記憶を宿したカイザオルフェノクと対面していた。
「乾君、世の中はやっぱり理不尽だね。なんで俺はこんな姿になって、君は平気なんだ?」
「木場、お前は相変わらずだな。でも、今の俺には守るものがある。だから、俺は戦う。」
[stunning by?]
「変身!」
[complete]
巧は仮面ライダーファイズに変身する。
「乾君、頼みが一つだけあるんだ。」
「どうした?」
「今はまだ意識はある。でも、いつそれが消えるかわからない。だから、あの時みたいに、ひと思いに…」
カイザオルフェノクは無抵抗の意を示す。
「木場…」
[exceed charge]
「分かった!」
ファイズはファイズポインターを右脚に装着し、必殺技を発動する。必殺のキック、クリムゾンスマッシュを当ててカイザオルフェノクを撃破する。それと同時に雅がやってくる。
「乾…巧さんですね?」
巧は変身を解除し、雅の居る方に振り向く。
「誰だ?」
「僕は凪風雅、ある者は仮面ライダーディロードと呼びます。」
「仮面ライダー?そんな奴が何の用だ?」
「実は、協力して欲しい事がありまして、それも、乾さん一人では無く、皆さんに。」
「お前、スマートブレインの関係者か?」
「いいえ。僕も先程のオルフェノクに襲われました。その事で、お話したいのです。」
「何!?複数いるのか?」
「はい。それも、カイザだけでなくデルタの姿をしたオルフェノクもいました。」
「…分かった。来い。」
巧はそう言うと、雅を案内するように帰る。

雅は西洋洗濯舗 菊池に着くと、三原も到着し、中に入る。
「たっくん、その子誰?お客さん?」
この店の店主、菊池啓太郎は雅に質問する。
「いいえ。僕はこのギアを託されて、ここまで来た者です。」
雅は花形との会話、この世界の危機を話す。
「異世界から来た─にわかには信じがたいが、現にこうしている時点で納得するしか出来ないな。それに、その話が事実なら巧さんが危険だ。」
三原は状況に納得する。
「三原君、どうして巧が?」
巧の協力者で、ファイズギアの持ち主の園田真理は質問する。
「巧さんは、前にデルタに変身したことがある。それに─」
三原は巧の手を見る。巧の手は少しずつ灰に変わり初めていた。
「それで、皆さんにはこれを持っていて欲しいのです。」
雅は、白紙のカードを巧達に渡す。
「これは?」
巧は雅に質問する。
「御守りみたいなものです。きっと、それが皆さんの希望の光になるはずです。」
雅が話していると、
「悪い。海堂の奴を呼ぶ。あいつもいた方がいいだろう。」
巧はそう言うと、ファイズフォンを開き外へ出る。
「確かに、海堂さんは貴重な戦力になりますね。」
雅は既に親しい関係かのようにその輪の中に溶け込み、話しをしていた。しかし、巧が何時まで経っても戻ってこない為一同が外出ると、驚くべき事が起きていた。巧は、身体が灰となり、崩れ初めていた。
「やっぱ限界だったか。あとは頼んだ。」
巧はそう言うとオルフェノクとしての一生を終えてしまい、その灰は、姿を変えてデルタオルフェノクとなり、それから脱皮するかのようにアークオルフェノクに変化した。
「ようやく見つけた。最も強固な肉体を。」
アークオルフェノクはそう言う。
「やはり、最初から巧さんが狙いだったのか!」
雅は叫ぶ。
「別に、それはどうだってよかった。」
アークオルフェノクの言葉に、雅達の右手は必然と拳を握っていた。そして、それに呼応するかのように白紙のカードは光輝いていた。
「今なら行ける!集え、世界の願い!」
雅は自身の白紙のカードを天に掲げコールし、ファイズの世界のワールドホープを完成させて、スキャンする。
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER 555-】
「何をしても無意味だ。ッ!!」
アークオルフェノクは驚く。何故なら、突然自身の胸部が輝き、その中から巧が現れたからだ。
「悪かった。とりあえず、あいつの命をごっそり貰って来たから大丈夫だ。」
巧がそう言うと、それに合わせてスネークオルフェノクに変身する海堂直也が現れる。
「おう、乾どうした?」
「わからないのか?アークが復活した。」
巧が指を指して海堂がそれを見る。
「ってマジかよ。」
「だから言っただろ。」
巧は若干キレる。
「とりあえず、海堂も戦って!後でお茶でも奢るから!」
真理は、預かっていたカイザギアを海堂に渡す。
「あ、そう。悪ぃな。」
雅達はベルトを装着する。巧は5を3回、海堂は9、1、3のコードを打ち込む。
[stunning by?]
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
[stunning by?complete]
雅はディロードに、巧はファイズに、海堂はカイザに、三原はデルタに変身する。
「来い。」
アークオルフェノクはそう呟くとカイザオルフェノクとデルタオルフェノクの軍勢を呼び出すが、その殆どがデルタ型であった。
「本当にデルタに変身していた人って多いんだ…」
ディロードが呟いていると、
「私の事も忘れないで欲しいわ!」
ロブスターオルフェノクが現れ、ディロードを攻撃する。
「お前の相手はこの人だ!」
【SUMMON RIDE-KIKAIDER 01-】
ディロードはキカイダー01を召喚する。
「おう、なんだ?俺はあのおかちめんこをぶっ潰せばいいんか?」
「はい、お願いします!」
「任せろ!ゼロワン、ブラスト!」
キカイダー01はそう言うと胸部から出た砲門から爆撃を放ち、呼び出されたオルフェノク達を一掃する。
「行きましょう!」
ディロード達はアークオルフェノクに向かう。アークオルフェノクは光弾を放つが、ロードスラスターによって弾かれ、あらぬ方向で爆発する。
「ハァッ!」
ディロード達は力を込めた拳でアークオルフェノクを怯ませる。
「今です!」
【ATTACK RIDE-SLUSH-】
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
[exceed charge]
ディロード達は必殺技を発動する。
「行くぞ、ディメンションインフェルノ!」
「ゥオラァッ!」
ディロードのディメンションインフェルノ、ファイズのスパークルカット、カイザのゼノスラッシュがアークオルフェノクの身体を切り刻み、デルタのルシファーズハンマーがアークオルフェノクの頭部を貫く。本来ならこの程度で倒されるような弱さでは無いが、復活して間もない所為か撃破されてしまう。そして、
「ブラストエンド!」
残るロブスターオルフェノクもキカイダー01の攻撃を前に撃破される。それを確認すると、キカイダー01はカードに戻った。

雅達は変身を解除し、巧達は雅を見る。
「もう行くのか?」
「はい、救いが必要な世界は沢山ありますから。それから、啓太郎さん、こちらを。」
雅はシグムスギアを啓太郎に渡そうとするが、その間を誰かが通り過ぎる。それは次の瞬間誰か気づいた。
「へぇ、この世界には、まだこんなお宝が隠されていたんだぁ。」
海東大樹はシグムスギアを持ちながらそう言う。
「海東さん、それはあなたの物ではありません!返して下さい!」
雅は近づこうとするが、ディエンドライバーからの威嚇射撃に目を伏せる。そして、
「でも、君の物でも無い。」
そう言い残して海東は去っていった。
「あいつは?」
「奴は海東大樹。ライダーの力で窃盗を繰り返している悪人で、僕も追っている男です。」
「なら、さっさと行った方がいいんじゃないか?」
巧は雅にそう言う。
「それでは皆さん、ありがとうございました。」
雅は一礼し、マシンディローダーに乗ってファイズの世界を去った。

「次の世界は、仮面ライダー龍騎の世界か…」
ソウルライドの起動を確認した雅が絵巻を広げると、そこには何かの壁に貼られた、様々な生き物の絵が描かれていた。
to be continued

open your eyes.for the next DELOAD
突然復活したミラーワールド。そして、存在出来るはずの無い仮面ライダーナイト。次回、『神崎兄妹』
 
 

 
後書き
新カード紹介
バルディッシュアサルト:ロードスラスターをバルディッシュアサルトに変化させ、ディロードをライトニングフォームにフォームチェンジさせる。
キカイダー01:キカイダー01を召喚するカード。
仮面ライダー555(ワールドホープ):555の世界のワールドホープ。死んだ巧を復活させる。

新フォーム紹介
ディロード ライトニングフォーム
パンチ力:12t
キック力:10t
100mを0.5秒で走る。
ディロードの速さを司る基本形態。速さとパワーが上昇した代償として耐久性が落ち、90tの衝撃までしか耐えられなくなっている。


今回の時間軸は最終回からおよそ1週間後頃の話です。それでは次回もお楽しみに。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧