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ガンダムビルドファイターズボーイ

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第十六話 謎の覆面トレーナーT



第十六話 謎の覆面トレーナーT

前回!畢とランの正体が変身ヒーローであるという事がわかった翼達。

そんなこんなでキャピトラに集まって状況整理を始めるのだった。

「それにしても畢姉が仮面ライダーでランさんがウルトラマンだったなんて・・・」

前々から二人の人間離れした能力に対して疑問に思っていた翼だが確信がなかった。

「そもそも畢姉何しに来てたの?」

「私は料理人!料理修行の旅の途中に面白そうな競技やってるから腰を据えてみたのだ」

そう言う畢。

「ランさんは?」

「俺はこいつに巻き込まれた!」

畢の事を指さし呆れながら言うラン。

そして

「お待ち~なのだ」

特製のパフェが出来上がり小休止する一同。

「・・・それにしても畢姉・・・こっちのほうが安心するな~戦闘の時って言葉づかい変になるし」

「こっちの方がノーマルなの!?」

翼の言葉に突っ込み入れるラン。

すると新之助が・・・

「・・・で?結局カレドブルッフの争奪戦ってどうなったの?」

「・・・ああ、あれね・・・何やかんやで揉めてるからなぁ」

観戦していた翼もファイターとして熱い物を感じていたが・・・何やら私念やら執念やら人によっては邪悪な感情が入り乱れているので何とも言い難い感情にかられたのだった。

その事を察する新之助。

「気になる人は!オウガ・Ωさんのガンビル刃をチェック!!!」

そう言って第四の壁を越えて語りかける香澄。

そして畢とランは・・・

「しばらくは闇軍団は私達に任せておけ!」

「お前達はお前達の戦いに集中してな!」

その言葉に感動した翼達は日頃の事情的にも胃袋的にも感謝をこめ畢に野菜料理を出そうという事になり一人一人が料理を持って行こうという事になったのだが・・・

「う~~~ん」

自分の部屋の机に突っ伏している翼を心配そうに見る烈斗。

『どうした?翼?』

「いやさ~・・・畢姉に料理って・・・あんまし思いつかない・・・何を出せば喜んでくれるかな~って」

『八百屋の息子でしょ・・・』

呆れる烈斗。だが翼の言い分も分かる・・・すると!

『よし!こうなりゃ!香澄と新之助はどうしているか参考がてら見に行こうぜ!』

「えええ!?」

『自分の中で答えが見つからなければ時に人に習うというのもありだ!』

そう言って翼の肩に乗っかる烈斗。

翼もやれやれと言った感じで香澄と新之助の元へと向かうのだった。




近所の山

香澄の居場所を聞くと香澄は山でキャンプをしているらしいので、様子を見に向かったのだが・・・

「何処だここは・・・というか何で野菜料理で山行くんだ?」

『しかもけっこう山奥来たけどあいつ何処にいる?』

そう言って山の中を散策していると・・・

「あれ!?翼!お~い!!」

香澄の声が聴こえたので振り返ってみる翼と烈斗だが・・・香澄の姿を見て凍り付いた。

「どしたの?」

「お前・・・それ」

「ああこれ?」

香澄が背負っていた【猪】を翼の前に下ろした・・・その理由は・・・

「晩のおかず」

「仕留めたの!?・・・いや・・・出来て当然だよな・・・」

そして何やかんやで香澄がキャンプしている所まで辿り着くと・・・

「んじゃ!早速!」

クナイを持った香澄は・・・



ブッブー!
※自主規制※



枯れ木集めて火を起こして猪の肉を焼く香澄。更に・・・

「ええっとこっちはウシガエルね~」

「食えるのか!?カエル!?」

翼に棒に刺したカエルを焼かせる香澄。

「ところで香澄何でいきなりキャンプ始めたの?」

「ん?あれ」

香澄が指を差した方向にあるのは大量の葉っぱ。

「何あれ?」

「野草・・・結構いけるんだよ~・・・」

お湯で茹でて翼に食べさせる香澄。

「ん?・・・いける・・・」

「でしょ~この野性味あふれるのが良いんよ~・・・けどちゃんとレクチャーは受けなきゃだめよ・・・中途半端に知識じゃ絶対ダメ毒草だったりするから」

「へいへい」

そう言いながら猪とウシガエルのバーベキューを食べる翼と香澄。

その夜・・・遅くなってしまったので香澄のテントに泊まることにした翼。

だが

「・・・寒い」

寝袋で寝ていた翼が寒さのあまり起きてしまった。

山の夜はとても寒い。人がいる街と違って民家やビル・・・コンビニと言ったような文明の熱源が無いために寝袋があっても慣れなければとっても寒い。

見かねた香澄が寝袋を開き・・・

「こっちおいで~」

「・・・・・え?」

「抱き合って寝れば温かいよ~そう言う応急処置もあるし」

「ちょ!やめて~やめて~~~~~」

「寒いって言ってんのは翼でしょ~観念しろ~」

と言ったように賑やかな夜が明け・・・

下山する翼。香澄はまだ野草採取に全力を注いでいる。超人的な身体能力を駆使し野性的に料理しようとする香澄。

「はぁ・・・大変だった」

『次は新之助の家だな』

今度は新之助のところを訪れる翼と烈斗。

新之助はと言うと・・・

「ここ一カ月の畢姉の食事内容をデータにしてみた!」

新之助の部屋には何故かホワイトボードがあり畢の朝昼晩の食事内容が詳細に記入されており・・・

「どっから集めたんだこの内容?」

『そういえばランといそいそと話し合っていたような』

翼と烈斗が顔を合わせていると新之助はホワイトボードにキャピトラのメニューを貼りつけた。

「さらに!キャピトラのメニューから畢姉の傾向と好みを推測するにあたり・・・今植物学的に最適な環境で栽培してる!」

ホワイトボードに書かれた内容がチンプンカンプンな翼を余所に新之助が見せたのは自家製のビニールハウスであった。

ガンダムボーイ頭脳労働担当である新之助は理性的に料理を考えているらしい。

結果

「・・・参考にならねえ」

香澄と新之助を訪ねた翼だが・・・二人を見て余計に考えてしまった。

何故なら香澄も新之助も己の特性をフル活用し最高の物を用意しようとしていた。

そして・・・とてもじゃないが真似が出来ないししようとも思わない。

『考えてみれば随分とくせの強いやつらが集まったよな』

腕を組んでウンウンと頷く烈斗。自分達武者頑駄無を含め翼の周りに集まった変わり者たち・・・このメンバーを纏められるのは・・・

考えていてもしょうがないのでプラモ狂四郎に来た翼と烈斗・・・アイディアが浮かばない為に気晴らしにシュミレーションバトルをしよう考えたのだが・・・

「ダメだ・・・な・・・」

どうやら自身の壁にでもぶつかっているのか何もアイディアが無い翼・・・その時だった・・・

突如バトルフィールドが輝きだし翼と烈斗が光りに飲み込まれると地形が変わった。

宇宙空間・・・そして小惑星の上に立っている烈斗。

混乱の最中烈斗が上を見上げると驚くべきことが・・・

『せ!先祖!?』

何と烈光頑駄無の姿があった。

すると

「あーっはっはっはっは!!」

高笑いしながら舞い降りる烈光頑駄無は翼と烈斗に通信を送った。

画面に映し出されたのは覆面を被った怪しい男だった。

「『だ!誰だ!?あんた!?』」

「俺は覆面トレーナーT!!少年!お困りのようだな~」

覆面トレーナーTと名乗った男の烈光頑駄無が烈斗に向かって構えた。

「俺と勝負してみるか?」

「なに!?」

「けど今のお前じゃ・・・俺には勝てないぜ!!」

翼が戸惑った瞬間、烈光頑駄無は懐に入り込み剣勢拳を放った。思いっきり吹っ飛ばされる烈斗は体制を立て直し叫んだ。

「翼!こいつ・・・ふざけた格好してるが半端じゃねえ強さを感じる!!」

相手の実力を察する烈斗に翼は気合を入れ直した!!

「ようっし!天地翼!武者烈斗頑駄無!天地大河スペシャル!!」

『おっしゃあああ!!試合だ試合!!』

両拳で顔面を引っ叩いて気合を入れ直す烈斗。

それを見た覆面トレーナーTは・・・

「ようっし!仕切り直しだ~・・・んじゃ!俺も本気出しちゃおうかな!!」

コンソールを操作し烈光頑駄無を突撃させ拳を突き出すが負けじと突き出された烈斗の拳とぶつかり合い凄まじい衝撃波が巻き起こると距離を置き抜刀し右手に刀を持った。

『先祖は左手に持ったけど・・・中身の奴は右手持ちか』

「だな」

烈斗も刀を抜き烈光頑駄無に斬りかかる。剣が交わり五分五分の斬り合いが繰り広げられるが翼と烈斗は・・・

「烈斗・・・気付いてるか?」

『ああ・・・互角にやっているようだけど、野郎俺達にただ合わせてやがるだけだ』

「動きに余裕だって感じる・・・その気になれば俺達なんて倒せるってわけかよ!!」

『舐めやがって』

翼と烈斗に怒りがわき上がると・・・烈光頑駄無はしめたと感じ取り烈斗の顔面にキックを浴びせた。

吹っ飛ばされる烈斗。

そして

「さぁ~どうする?このままトドメ刺してやろうか?それとも・・・」

あからさまな挑発に翼と烈斗は・・・

「『野郎・・・俺達は負けねえ!!』」

翼と烈斗の怒りが・・・SD魂が爆発した!!

瞳の中に魂の炎が燃え上がる翼と烈斗。それを見た烈光頑駄無は・・・

「へへ!じゃ!真っ向勝負だ!SD魂どうしのな!!」

烈光頑駄無の瞳の中に魂の炎が燃え上がった。

烈斗と烈光は同時にかけ出しその技を繰り出した!!

「『剣勢拳!!』」

両者の拳が交わった瞬間バトルフィールドは光に包まれ何も見えなくなった。

すると

「お前の味はそれだぜ」

「え?」

「そのSD魂の爆発力だよ♪」

覆面トレーナーTのその言葉を聞いた翼・・・光がはれると映し出されていたのはERRORの文字だけであった。

覆面トレーナーTの姿も烈光頑駄無の姿も無かった。

夢か現実か分からなくしばらくボーっとする翼と烈斗だった。





そして・・・

「ふぃ~苦しかった~」

店内でひっそりと覆面を脱ぐ覆面トレーナーT・・・その後ろに狂四郎の姿が・・・

「ん?よ!久しぶり!」

覆面トレーナーTに話しかける狂四郎。知り合いらしい。

「ん?あ!久しぶり!」

覆面トレーナーTも挨拶すると狂四郎が・・・

「お前・・・今までどうしてた?」

「いや・・・ちょっと野暮用で・・・あいつの事しばらく頼みます~」

「へいへい」

等と会話していると急に店のドアがバンと開き・・・

「見つけた!」

突然現れた女性・秋月メイさん

メイは覆面トレーナーTに詰め寄り・・・

「ここであったが云年め!!今日こそ決着着けてやる!!」

すると覆面トレーナーTの身体が輝きだし・・・

「すんません!時間切れなので帰りま~す!!」

そう言って消えてしまったのだった。

それを見た狂四郎は・・・

(あいつまた巻き込まれたのか)

と全てを悟ったように見届けた。

そしてメイは・・・

「あいつめ!!」

奥歯噛みしめるのであった。


・・・その夜

キャピトラに集まったガンダムボーイは三者三様の料理を披露していた。

香澄は野性味あふれる野菜料理。

新之助は緻密に計算された野菜料理。

翼は・・・

「おお~何とも・・・」

直感と爆発力で作られた野菜料理。

「中々~」

「翼らしい~」

と言った具合に新之助と香澄が褒めていると審査員の畢が現れるのであった。

そして

「「「「いっただきま~す」」」」

と勝負が始まったが・・・決着がつくことは無かった・・・何故なら畢は人が作ってくれたものは何でも美味しい人であるため1番を決めることができなかったのだった。

めでたしめでたし


「て!今日一日の苦労はなんだったの!?」

『まあ~おもてなしの意味では正解でね?』

烈斗の言葉でしめられるのだった。



 
 

 
後書き

新之助
「はぁ~今日は大変だったな~」

武瑠
『そうだな・・・!新之助!闇軍団の気配だ!近くにマユがいるぞ!』

新之助
「なに!?助けに行かなきゃ! 次回!マユ襲来!」


 
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