ハイスクールD×D 異界黙示録の機晶神
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第五章:冥界合宿のヘルキャット/導き手のスレイヴ
Change9:魔王のパーティー~Determination~
魔王主催のパーティー当日。
俺は駒王学園の制服を着ながら客間で待機していた。
正直これからお偉いさんが集まるパーティーとなると緊張して仕方ない…。
「イッセー君、緊張しているのかい?」
「木場か…ああ、正直元一般人の俺にとってはきついぜ?」
「そうかい?でも今後こんな感じの催しが増えるから慣れとかないとこの先きつくなるよ?」
「わーってるよ…」
やっぱり木場はこんな感じのは慣れているのか…。
クーッ!!イケメンで何でもできるなんてまったく完璧すぎてすごいぜ。
俺やシンみたいになれるように頑張っていかないとな。
「兵藤と木場じゃないか」
俺たちは声の主のほうに向くと匙がいた。
あれ?なんで匙がグレモリー本邸にいるんだ?
「おう、久しぶりだな匙。どうしてここにいるんだ…?それに会長は?」
「なんか会長はリアス先輩と一緒に会場に向かうらしくてさ、それでグレモリー本邸に集合して西遊的なおめかしを済ませる話になっているんだよ。だけど男の俺は特にないからそこら辺を歩き回っていたらお前らが居たわけだ」
なるほどな、だから匙がここにいるのか。
まあ、考えてみればおれたち男はあまり顔づくりなどの事柄はやらなくていいからな。
そのことを考えると男ってちょっと得だよな。
「そういえばどうだった兵藤?修業の方は?」
「ああ、俺としてはかなりベストを尽くせたぜ。あとまなぜることは学べるだけ学んだしな」
「なるほどな。兵藤たちはかなり頑張ったみたいだな。だけど俺や会長たちもかなり鍛錬をやってきたんだぜ?だから今回のゲーム、全力で勝ちにいくぜ!!」
匙もかなり頑張っていたのか。
それなら俺もゲーム当日は匙以上に頑張らないとな。
「ああ!!だけど俺も全力で勝ちにいくぜ、ここまで俺やみんなを見てくれた人たちのために…そしてゲームの王者を目指す部長のためにもな!!!」
「イッセー君の言う通り。僕たちも全力で行かせてもらうよ」
「いったな!!なら頑張ろうぜ敵同士だけどな?」
「「「ああ!!」」」
俺たちは約束をした。
すると―――。
「なかなか、青春を感じさせるなイッセー、木場、匙」
「シン?!!いつからいたんだ?」
「さっき入ってきたばかりだ。それにしても敵同士になるというのに中々いい友情を見せてくれるな」
まさか、シンに見られるとはな…。
「それにしても匙も中々実力をあげてきたようだな」
「まあな!!入れだってだてに修行したわけじゃないぜ!!」
「その意気なら大丈夫だな。イッセーたちとのゲーム楽しみにしてもらうぞ」
そんな会話の中部長たちもドレスアップの姿で部屋に入ってきた。
「お待たせ…って私たち以外は全員ここにいるのね」
皆ドレス姿が似合っているなぁ…まるでおとぎ話や童話に出てくるお姫様のようだ。
でも、どうしても俺としては少し問題になっている奴がいる…。
「ギャスパー…なんでおまえまでドレスなんだ?」
「だ、だって、ドレス着たかったんだもん」
もん―――って、なんか本格的にこいつは女性を目指しているのか?
正直複雑だな……。
「サジもここにいたのですね」
同じくドレスアップしたソーナ会長や生徒会役員面々がいた。
「会長ぉぉぉぉぉ!!素晴らしくかわいいです!!!!」
匙は会長のドレス姿を見て盛大に興奮していた。
まあ、会長がドレス姿は想像しにくいから匙にとっては興奮するんだろう。
だけど鼻血を出してまで興奮するか?
『お前がそれをいうか?リアス・グレモリーの裸を見たときはお前もあんな感じだぞ?』
うっせー男は再世はああなるんだよ!!
といっても制服姿の俺たちや、ドレス姿の部長たちとも引けを取らないのがシンだ。
シンの格好話いつもの戦闘服だがライザーの一件でつけていた大鷲の翼をほうふつとさせるような腰飾りに、整えた袖や丈。そして耳にはシンプルな銀色のピアスを二個つけている。
しかも胸ポケットにサングラスまである。
正直この場の全員がシンを見ていた。
「どうした?みんな俺なんかを見て…」
「シン……あなたはこの中でも一番の大物よ……」
「は、はぁ…そうですか……」
部長がシンの姿を見て一言つぶやくとシンが不思議そうに反応していた。
…今思ったんんだが、シンには自覚症状がないのかな?シン自身が思いっきり目立っていることに?
「皆様お迎えが来ました」
そして俺たちは執事さんの言葉とともにパーティー会場に向かった。
―○●●●●○―
今俺たちはパーティー会場の入り口にいた。
お迎えが来た後に会長たちシトリー眷属と俺たちグレモリー眷属そしてシンがそれぞれの馬車に乗せられ会場に向かったんだ。
正直なぜシンも俺たちと一緒じゃないかというと、特例で参加しているためシンはVIPとして扱われるため別の馬車に乗せられたようだ。
まあ、会場の入口で合流できたからいいけどな。
「それにしても何とも豪華な建物だなぁ~」
俺は目の前の建物に驚いていた。
いかにも数百階以上はありそうなホテルだな。
しかも入り口には武器を持った兵士の人達がいるなぁ。
まあ、魔王様や墓の勢力のお偉いさんも参加しているから警備が厳重だろうな。
それから俺たちは建物内に入り受付でチェックを済ませた後、専用のエレベーターで魔王主催のパーティー会場に向かった。
そしてエレベーターから降りて目の前の扉が開くとまるで一国の王様の誕生会のようなきらめく空間だった。
フロアにはたくさんの悪魔やテーブルに並べられた豪華な料理。
壁には豪華な装飾、天井には豪華なシャンデリラなどがあった。
『おお!!』
すると俺たちがが言ってきたのを感じた悪魔たちがこちらを向いてきた。
どうやら視線は部長に向いているようだ。
「リアス姫…ますます美しさに磨きがかかっておられますなぁ」
「サーゼクス様もご自慢になるのがわかりますな」
部長はどこでも人気なんだな…。
流石だぜ!!
「あれは……」
すると部長に移っていた視線が急に外されある方向に向く。
「あの容姿…あれが今噂の男か……」
「若手会合の時、上層の方々に怒りをぶつけた奴か…」
「良い姿ですわ…」
どうやらシンもかなり有名のようだ。
まあ、婚約パーティーの一件からコカビエル襲撃…そして、旧魔王派の幹部の一人を倒し和平会談に大きな貢献をしたからな。
「さて、イッセー、シンあいさつ回りに行くわよ」
「へ…?シンはともかくなんで俺までなんですか?」
「貴方は赤龍帝なのよ…シンみたいにはいかないけどあなたもそれなりには有名なのよ?」
そうなのか…?
まあ、とりあえず部長についていけばいいか。
「正直俺は断りたいんだが」
「だめよ、あなたわこのパーティー会場内でもかなり名が知られているわ。そんな人物が挨拶もせずにいるなんてだめよ」
「どうしても断れないか」
「ええ」
「……わかった」
なんかシンはこのパーティーに乗り気ではないようだな。
確かシンは貴族とかそうゆう類が嫌いだったからな。
まあ、この場にいるのなら仕方ないか。
こうして俺とシンは部長の後につきながら挨拶回りを始めた。
―○●●●●○―
「はぁ~……。疲れた……」
部長とのあいさつ回りを終えて、俺とシンはロアの端にある椅子にアーシアとギャスパーとの三人で座っていた。
部長と朱乃さんは少し離れたところで女性悪魔の人達と談話してる。
木場は女性悪魔の人たちに囲まれていた。
正直、本来なら『イケメンは敵だ!!』とか俺ならいうが最近そんな感情が出ない。
なんか、『禁手』に至ってからすっとこんな調子だ。
それに今更思い返してみると『洋服破壊』なんて技を開発した自分が今更恥ずかしくなってきているし……。
『確かに変わったな相棒は。俺と話せるようになる前から威勢の胸部や様々のところに興味津々の小僧だったからな』
そうだったな…。
『今じゃ多少は性欲はあるものの、今では俺の力と真正面から向き合い力をつけているからな』
まあ、そうでもしなきゃみんなを守れないし、それにシンと肩を並べられないからな。
でも部長たちの裸はいつ見ても最高だけどな!!
『まあ、それはそれとして俺にはお前に対して一つ疑問があってな』
ん?なんだドライグ?
『まあな、ここまでのお前を見ていると早すぎる…いや、急激すぎるんだ相棒自身の成長が…』
え…?
俺の成長が……?
『俺は今まで歴代の宿主を見てきた。だがお前は異例どころでは収まらないほどの急激な成長を遂げている』
そんなに早いのか俺の実力の上昇が…。
『ああ、数か月前までただの人間…しかも未成年のお前が、いくら師に恵まれているとはいえ俺自身の力の対応や真価、成長が早すぎるんだ』
確かに……。
俺は数か月前まではただの男子高校生だった。
親もただの人間だし、ヴァーリも戦いの途中の時……。
『君の経歴を調べさせてもらったよ親もその祖先もただの人間…。特殊な存在にも会ったわけでもなく魔術なども関連性はない。君には『赤龍帝の籠手』以外に価値は無い』
確かに俺には特殊な存在は部長たちに会うまではあったこともない。
しかし…少し気になることだけあった。
子供のころあれは自分のおばあちゃんやおじいちゃんに会ってみたいと思い、母さん父さんに相談したら…。
『ごめんね…もういなくなっちゃたの』
と…返事をした。
だけどあの時だけ明るかった母さんと父さんが表情を暗くしていたんだ。
その件に関してはあれ以来言っていないが…。
まさか…な……。
『まあ、今のところ相棒自身に異常はないから大丈夫だ』
そうか…。
まあ…今は暗いことを考えていてもしょうがないな!!
今は今の俺にできることをやるだけだ。
だから今後とも頼むぜドライグ。
『ああ、俺も尽力を尽くそう』
そういえばあいさつ回りの時にほとんどの悪魔がシンを眷属にしていって言っていたな。
正直あの時部長と俺は焦ったが、シンは丁重に断っていた。
まあ、シンが悪魔になる以前に主がシンより弱いから無理だろうけど。
確か…悪魔が『悪魔の駒』を使って転生させる際に主が転生させる対象と力量が過度にオーバーしているとできないって習ったからな。
『まあ悪魔は本来、欲が強い存在だ。それゆえに奴の様な、強者を自分の配下にしたいという者も出てくるのは当然だな』
確かにシンとためを張れる存在なんてこの世にあんまりいないだろうしな。
「イッセー、アーシア、ギャスパー、シン、料理をゲットしてきたぞ、食え」
ゼノヴィアが料理が乗った大量の皿を器用に持ってやってきた。
「サンキュー、ゼノヴィア」
「このくらいお安いご用だ。ほら、アーシアも飲み物くらいは口をつけておけ」
「ありがとうございます、ゼノヴィアさん。・・・・私、こういうのは初めてで、緊張して喉がカラカラでした・・・」
「ぼ、ぼくも何とか人としゃべれるようになったとは言えこんな集団きついですぅ~」
「まあ、こうゆうのは慣れだからな。俺も昔はこのような社交場に出ていたからな。あと俺はいいからアーシアたちに料理をあげてくれ」
流石シン…。
いくら嫌いな人たちでも姿勢を崩さないな…。
「やはりシンはすごいな」
「はい、どんな時でもいつもの状態でいられるシンさんはすごいです」
「やっぱりシン先輩は僕の想像をはるかに超えています!!」
皆、シンをほめていた。
「そこまで過大評価しても何も出てこないぞ?」
シンは苦笑いを浮かべながら返答する。
そして俺はゼノヴィアが持ってきた料理を食べているとドレスを着た女の子がこちらに来た。
「お久しぶりですわね、赤龍帝」
久しぶり…?
金髪でドリルの形をしたツインテール………あ!
「確か焼き鳥野郎の妹の……」
「レイヴェル・フェニックスですわ!!まったくこれだから下級悪魔は……」
そうだったな…。
いーやー…数か月ぶりというか、ライザーの件の時あまりコンタクトをとっていないから名前なんて覚えていなかったぜ。
だけど婚約パーティーの時にシンにぼこぼこにされていたけどなんかこう突っ込まれると元気そうだな。
「元気そうだな。そういえばお前の兄貴の焼き…ライザーさんは元気か?」
ライザーのことを聞いたら、レイヴェルは盛大にため息をついた。
何かあったのか?
「あなたに敗北してから塞ぎ込んでしまいましたわ。負けたこととリアス様をあなたに取られたことがショックだったようです。しかもあなたの協力者さん…神無月進さんに対して恐怖心を持っていましたわ」
あらら…。
部長から少し聞いたときふさぎ込んでいるのは聞いたけど、まさかシンに恐怖心を持っているとは…。
でも、ライザーとシンは直接対決していないのになんで真に恐怖心があるんだ?
「なんでライザーさんはシンに恐怖心を抱いているんだ?」
「貴方に敗北してから色々と思い返していたところ、シンさんがお兄様に向かって放った殺気を今いなって怖いと感じたようです。まぁ、才能に頼って調子に乗っていたところもありますから、良い勉強になったはずですわ」
妹なのに手厳しいなぁ~。
兄貴もバッサリ切りますか。
「容赦ないな。一応、兄貴の眷属なんだろう?」
「それなら問題ありませんわ。今はトレードを済ませて、お母様の眷属ということになってますの。お母様はゲームをしませんから実質フリーの眷属ですわ」
そうか…。
そういえば、ライザーはともかく眷属はどうなったんだろう?
「そういえばライザーさんはともかく眷属たちはどうしているんだ?確かシンに思いっきりやられていたけど?」
「そのことに関しては大丈夫ですわ。むしろあの方に倒されたことによって自分たちの弱さを知って今は各自鍛えていますわ。まったくお兄様も時分の眷属を見習ってほしいですわ」
あらら…まさか眷属のほうは逆に強くなろうとしているなんて…。
正直そこは俺はレイヴェルに同情するぜ。
「と、ところで赤龍帝・・・・」
「あのさ…その『赤龍帝』ってゆうのはやめてくれないかな?普通に名前で呼んでくれ。皆からは愛称で『イッセー』って呼ばれてるしさ」
「お、お名前で呼んでもよろしいのですか!?」
「お、おう…」
なんで嬉しそうにしているんだ?
「コ、コホン。ではイッセー様と呼んで差し上げてよ」
「様付けも勘弁してもらいたいんだが…」
「いえ…これは重要なことなので!!」
そ、そうなのか…。
まあ、彼女なりに何かあるのだろう。
すると俺たちのところに顔半分を隠す程度の仮面をつけた見覚えのある女性が来た。
「レイヴェル嬢。旦那様のご友人がお呼びだ」
確か俺が倒したライザーの『戦車』のイザベラさんだったけ?
「分かりましたわ、イザベラ。では、イッセー様、私はこれぁら用事ができてしまいましたのでこれで失礼します。今度お会いできたら、お茶でもどうでしょうか?わ、私でよろしければ手製のケーキをご用意してあげてもよろしくてよ?」
そしてほほを赤く染めながらこの場を立ち去ってしまった。
「やぁ、兵藤一誠。会うのはゲーム以来だ」
「は、はい。イザベラさんでしたっけ?」
「私の名前を憶えてくれいてのか?赤龍帝に名を覚えられるとは光栄だな」
「別に俺はそこまで偉くないぜ?」
「赤龍帝は謙虚だな…。そういえば神無月進殿はいらっしゃるか?」
「シンか…?あそこにいる筈…あれ?さっきまであそこにいたのに…」
俺がシンがいた場所を見るとなぜかシンはいなくなっていた。
「そうか…なら神無月進殿に伝言を伝えてくれないか?『貴殿のお陰で人たちの無力さに気づけた』…と」
「ああ、伝えておくよ。それとお茶の件はOKだと言っておいてくれ」
「本当か?それはありがたいな。レイヴェル嬢も喜ぶ。では、私覇用件を済ませたのでこれにて失礼する。兵藤一誠、また会う機会があれば会おう」
イザベラさんはこちらに手を振って去っていった。
俺は再びアーシアたちのところに戻ろうとするとある人影が視界に移った。
「小猫ちゃん?しかもあんなに急いで…」
しかも表情後何処となく焦っている。
心配だな…。
「アーシア、ゼノヴィア、ギャスパー。俺、ちょっと用を思い出したから少しここを離れるわ」
「わかりました。私たちはここで待っています」
俺は三人に断りを入れてから小猫ちゃんを追いかける。
そして小猫ちゃんは下の階へと進むエレベーターに乗っていってしまった。
だが隣のエレベーターが開き俺も乗り込んだ。
すると、俺に続いてエレベーターに乗ってきた人がいた。
「部長?」
「イッセー、私も行くわ。小猫を追いかけているのでしょう?」
「部長も気づいたんですね」
「当然よ。私はいつでもあなた達のことを見ているのだから」
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