ドールハウスが好きで
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第二章
具体的にどういった仕事をするかからだった、だが。
求人雑誌を読んでもどれがいいかわからずだ、このことから悩むことになった。
「どのアルバイトがいいかしら」
「色々あるじゃない」
「それこそね」
「スーパーでもコンビニでも」
「喫茶店でもね」
「何でもあるでしょ」
「アルバイトなら」
友人達は学校でこう知美に話した。
「それこそ」
「雑誌見たら何でも書いてるでしょ」
「知美ちゃんのお家の近くでも」
「学校の周りでも」
「難波とか鶴橋とか幾らでもあるじゃない」
「上本町でもね」
「そうだけれど」
それでもとだ、知美は困った顔で言った。
「これがね」
「どのお仕事にしたらいいかなのね」
「わからないのね」
「どうにも」
「ええ、本当に色々あって場所も時給もだけれど」
自分の席で求人雑誌を開きつつ困った顔で周りにいる友人達に話していた。
「多過ぎるせいかしら」
「どれにしていいかわからない」
「そういうことなの」
「具体的にどうか」
「どのお仕事にしていいか」
「そうなの、どうしたものかしら」
この日一日考えたがどうしてもどの仕事がいいかわからなかった、それで次の日も悩んだが。
ふとだ、学校で相変わらず雑誌を見ながらだ。知美は友人達にこう言った。
「もうお家の近くでスーパーとかコンビニとか」
「手当たり次第に?」
「電話かけて応募の書類書いて」
「それでなの」
「面接行くの」
「そうしようかしら、もう書類は書いてるし」
求人のそれはというのだ。
「お母さんに色々教えてもらって」
「そうね、じゃあね」
「そうしたら?」
「迷っていても動かないからね」
「何もね」
「そうよね、とにかくお金が欲しいから」
ドールハウスを買う為だ、何としても。
「まずはね」
「働くお金を稼ぐ」
「そうするのね」
「そうするわ、こうなったら」
迷っても仕方ないと思ってだ、そしてだった。
知美は願書を持ってとにかく手当たり次第に電話をかけてそうして面接に行った、しかし最初のコンビニは不採用となり。
次の喫茶店もその次の本屋でもだった、それでだった。
クラスでだ、友人達にまたしても困った顔で話した。
「もう三連続でね」
「不採用なの」
「そうなったの」
「どのお店ももっといい、経験者の人が面接に来ていて」
知美以外にもというのだ。
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