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夢を見させて

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第二章

「素敵な恋愛したいわ」
「一緒にバカンスとか行ったりね」
「ピクニックとか」
「スキーもいいわよ」
「秋の街を二人で歩いたり」
「テニスしたり」
「そうした風にしたいわね」
 何だかんだで他の皆も言う。
「そんな映画やドラマみたいな恋愛したいわね」
「ローマの休日みたいな」
「あんな素敵な恋愛したいわよ」
「こんな灰色の日々は終わって」
「自由になって」
「受験終わって欲しいわ」
 まただ、私は言った。
「本当にね」
「合格してね」
「そのうえでね」
「そして終われば」
「それじゃあね」
「そうした恋愛しましょう」
「是非ね、まあ今は妄想よ」
 自分でわかっていて言った、このことを。
「そういうことで」
「はい、勉強勉強」
「お昼休みだけれどね」
「受験生に休みはなし」
「やっていきましょう」
 皆で言ってだ、そしてだった。
 私達は午後の授業が終わるまで勉強をしていた。そして午後の授業の後は塾だった、熟の後は家でまた勉強だった。
 そんな日々を過ごしてだ、遂にだった。
 受験当日になってだ、私は一日かけてテストを終えた。地元の国立大学のテストを終えてそうしてだった。
 それが終わってだ、教育大を受けた娘や隣の府立大を受けた子達と会って話をした。
「どうだった?」
「一応全部埋めたわ」
「私もよ」
 それぞれこう私に答えてくれた。
「何とかね」
「それは出来たわ」
「一応だけれど」
「それはやったわ」
「けれどね」
「発表の日までわからないわよ」
 合格のそれのというのだ。
「正直なところね」
「果たしてどうなるか」
「一応滑り止めは受かってるけれど」
「私もね」
「私もよ」
 私は私立大学に合格していることを話した。
「だから浪人はないけれど」
「それでもね」
「やっぱり第一志望受かりたいわよね」
「浪人にならなくても」
「折角受けたんだし」
「何とかね」
「そうよね、けれどそれでも」
 私は国立大の合格が気になってもそれでもと言えた、今は。 
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