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実家が実家で

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第三章

「私が持って来てるから」
「えっ、そうなの」
「生クリーム持って来てくれてたの」
「そうなの」
「もうなの」
「そう、もうね」
「生クリームはよく使うから」
 カラオケボックスのお客さん達の注文から得ている知識だ。
「だからね」
「多めになの」
「用意してくれてたの」
「そうだったの」
「実家から持って来てたから」 
 だからだというのだ。
「安心して、すぐに出すわ」
「有り難う」
「正直助かるわ」
「なくて一瞬まずいって思ったけれど」
「あるならね」
「本当に助かるわ」
「他にも注文されやすいの持ってきてるから」
 生クリーム以外も用意していたというのだ。
「だからね」
「注文が多くても」
「安心していいの」
「かすみちゃんが用意してるから」
「そうなの、だから安心してね」
 にこりと笑ってだ、そのうえでだった。
 かすみは生クリームを出してだ、クラスの難は逃れられた。そして他にも困った客が来てもだった。
 かすみは手慣れた対応でことを済ませたり他にもトラブルが起きても即座に対応してだった。
 店は円滑にかつ順調に動き文化祭を楽しく過ごせた、そしてだった。
 文化祭が終わってからだ、クラスメイト達はかすみに笑顔でお礼を言った。しかしかすみは笑ってこう返した。
「うちじゃ普通だから」
「お店のことだから」
「そうだっていうの」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「気にしないで、それでね」
「それで?」
「それでっていうと」
「いや、文化祭平和に終わったから」
 ハッピーエンドと言っていい結末だったからだというのだ。
「皆で打ち上げしない?」
「ああ、そうか」
「じゃあ打ち上げする?」
「そうする?」
「そうしましょう」
 こう言うのだった。
「今からね」
「よし、じゃあね」
「かすみちゃんのお家でしましょう」
「そうだよな、カラオケ喫茶だったし」
「かすみちゃんのお陰だし」
「それならだよな」
「じゃあうち来て」
 かすみは店に客が来るならとだ、笑顔で応えた。
「それで賑やかに楽しんで」
「よし、今からな」
「かすみちゃんのお家行きましょう」
「そうしましょう」
「これからな」 
 クラスメイト達も笑顔で応えてだ、そしてだった。
 かすみは皆と一緒に自分の家の店であるカラオケボックスで打ち上げをした、ここでもかすみが士気っていたが普段は働いているその店で客として入って楽しんだ。それは悪くないものだった。


実家が実家で   完


              2017・7・25 
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