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勇者指令ダグオンA's どっこい

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第二十五話 力の誕生日


第二十五話 力の誕生日

本日5月5日・・・それは・・・

「力君の誕生日やな~♪」

こういう祝い事には煩いはやてが最強の指揮を披露していた。

「なんだ?力の奴こどもの日に生まれたのか」

「・・・だから頭が成長しなかったんだな」

「せめて少年の心を忘れない言ってあげた方が親切よ~」

ヴィータ・シグナム・シャマル先生の順番に会話が進み。

「で?誕生日プレゼントどうするです?」

リインの質問にはやてが・・・

「せやな・・・あの男何が欲しいんやろ?」

特に力の欲しい物が思いつかないはやて。力は人に食べ物以外強請った覚えがないので思いつかない。

するとシャマル先生が・・・

「ここはリボン付けてわ・た「ベタなネタは止めんかいいいいい!!!」

シャマル先生のアホな発言をスルーしてとりあえず新次郎とことはに聞いてみた。

「う~ん・・・兄ちゃん物強請った事ないからな・・」

「ここは~リボン付けて~「だから何で皆そう言うネタしか思いつかへんのや!!」

まじめに考える新次郎にことはが茶化すとはやてが激怒した。

その後も全員で試行錯誤してみるが特に思いつかない力の欲しい物。

「う~ん・・・何かこうしてみると知っているようで知らへんな」

「「・・・うんうん」」

首をかしげるはやてと南兄弟。するとはやてが質問してみた。

「力君の趣味ってなんなの?」

「「野球」」

南兄弟が口をそろえるとはやてがズバリ・・・

「それや!!」

思いついた力の欲しい物。

「よし!力君は今何処や!?」

「兄ちゃん唯一の娯楽に今行ってるよ」

「ようっし・・・欲しい物のリサーチや」

と言って早速力探を使って力の居場所を探しだしたはやて。

「何だ?何か物凄く嫌な予感がする」

現在、暢気にいつもなのは達に襲撃される路地で身構える力。

「まだ20話経ってないから襲撃はまだのはずだ・・・けどこのオーラは一体・・・」

力の嫌な予感オーラが全開でいるとその背後にははやての姿が・・・

「さてさて力君どこ行くんや~?」

力の欲しい物を調べるべくリサーチするはやて。そんな事とはつゆ知らず力はいつものような間抜け顔で辿り着いたのは・・・

「海鳴バッティングセンター?」

甲高い金属音の鳴り響く中はやてが中に入ると・・・

「おりゃあああああああああああ!!」

ピッチングマシン相手にストレス発散している力。打球はホームランゾーンに見事命中していく。

「いや~スカッとするな~」

やっぱりホームランをかっ飛ばすと高校球児としては気持ち良いらしい。

実は力の唯一の娯楽というのはバッティングセンター通いでありストレスがたまるとよくここへ来るのであった。

すると

「待ってたよ・・・南力!」

「お!カナタ!」

バットを持って現れたのは近所に住む少女カナタであった。そして力にバットを突き付けた。

「勝負だよ!・・・南力」

「おう!上等じゃねえか!!」

「なんや乱闘でもするんか?」

力のやり取りを見ていつもの不健全なスポーツをやるのかと思ったら・・・

「いっけえええええ!!」

「おっりゃあああああああ!!」

超光速のピッチングマシン相手にバッティング勝負する力とカナタ。10球中より多くホームランを打ったら勝ちと言うルールである。

なお何でこんな事をやっているかというと力が何故かカナタと神社で出会った事でありカナタが決闘を仕掛けてきたのだが神社での戦いは罰が当たるという事で、この海鳴バッティングセンターでホームラン勝負という健全なスポーツで勝負する事になったのである。

今のところ5勝5敗5分けという五分五分の戦績である。

勝負が佳境に入ると・・・

「あら?」

勢いが余ってファールになってしまう力。

「よし!もらった!あれ?」

力のエラーにカナタは勝利を確信すると飛距離が足りなくヒットの判定になってしまった。

この勝負はヒットを打っても得点にならない勝負内容である。

そして両者10球中9本のホームランと言う引き分けになったのであった。

「ちぇ・・・引き分けか・・・それにしても・・・木製バットじゃ伸びないんじゃないの?」

「ムカ!俺は木製バット派なの!?」

カナタに指摘されるがこの男野球に関してはこだわりがあるらしい。

「まぁ良いや次はボクが勝つ!そしてこの五分五分の勝負に決着をつける」

「良いぜ受けて立ってやるよ!」

そう言ってお互いの健闘を称え合って力が帰ろうとすると・・・

バキ!

「え?」

力愛用のバットが折れてしまった。

「ガーン!俺のバット!」

「・・・使いすぎて寿命になったか」

カナタとのバッティング勝負にとうとう寿命を迎えたらしい力のバット。

そして元気無さそうに帰るとスポーツショップの前を通った。

「はぁ・・・新しいバット欲しいな・・・けど母さんに頼んでも買ってもらえないだろうし・・・」

力が財布を取り出して中身を見て見ると全く入ってない財布。

「はぁ・・・これじゃおもちゃのバットも買えねえよ・・・ん?」

ショーウインドウを見る力はへばり付いた。

「ああ~こういうバットでホームラン打ったらスカッとするだろうな~」

と言いながらスポーツショップを後に帰ってしまうのだった。

すると入れ替わりにはやてが入ってきた。

「これか~力君が欲しいの」

はやてが力がへばり付いて見ていたスポーツショップのショーウインドウを見ると素人目にもわかるくらいの立派なバットが飾ってあった。

「どれどれ~・・・いち・・・じゅう・・・ひゃく・・・せん・・・まん・・・10万円!!?」

物凄く目ん玉の飛び出るような値段のバットに仰天するはやて。このバットはプロ仕様の特注品らしい。

「かあ~こんな高いのウチに買えるわけ無いやん!」

今月弁償や修理等もろもろで金欠らしい。

そこで閃いた。

「せや!買えないのなら・・・作ればええんや!!」

物事をクリエイティブな方向へ考えるはやては早速行動へ出た。





そんなこんなでやってきた蒼獅子島

「ここなら上質の樹がある~」

といって蒼獅子島の仙人と言われる小兵衛に許可を貰って森で落ちている材木を探すはやて。

「無いな~」

いつもならゴロゴロと落ちている材木だが今日に限って見当たらない。

一旦戻って小兵衛に聞いてみると・・・

「ああ・・・そういえばこの前皆で片づけて薪にしたな」

「ガーン!何で今日に限って!」

思いっきり嘆きのポーズになるはやては再び森の中に入っていった。

「何処かにあるはず!何処かに!!」

森中を探し回るが材木の影も形も無い。もう立派な木々のみである。

「うう~ん・・・流石に切っちゃうのは気が引けるな~・・・ううん」

何やら途轍もなく大きな樹にもたれてかかって考えるはやて。

すると

ボト!

「え?」

急にはやての目の前に落ちてくる大木の枝。

はやてに同情したのか樹自らが枝をくれたらしい。

「え?良いの?くれるの?」

はやての言葉に答えるように風と共にざわつく大きな樹。

「おおきに!!」

といって大木がくれた枝を持って小兵衛の家に行くはやて。

そしてその話を小兵衛にしてみると・・・

「ああ・・・そいつは蒼獅子島の霊樹じゃな」

「へ?霊樹」

「樹齢千年以上と言われるありがた~い樹じゃ・・・新次郎の木刀もその樹で作ってある」

「へぇ・・・霊樹・・・これが?」

霊樹の枝を持ってみるはやてがマジマジと見つめた。

「ああ・・・精霊が宿り意志があって選ばれた者にその枝を渡す」

「え!?あの樹意志があるんですか?」

「知らん・・・だが・・・あると思った方が楽しいじゃろ?」

「はぁ・・・」

相変わらずこの飄々とした爺さんの物言いに着いていけないはやて。

実ははやてもこの食わせ者爺さんの物言いが少し苦手だったりする。


そんなこんなでダグベース内楓の工房で・・・

「ええっと・・・」

楓が趣味で作り上げたバットの作り方を読んでいるはやて。

「なんや・・・バットってものすごおおおっく作るのが難しいわ・・・勝った方が早かったかも・・・」

今更ながら選択に後悔するがここまでやっては名が廃る。

結果

「おりゃああああああああああああああああああ!!」

物凄い勢いでバットを製作し始めた。

なおバット製作中はやてが妙に騒がしかったのは言うまでもない。


そして

「ただ今~・・・」

バットが折れたのでしょぼくれて南家に帰ってきた力。

すると

「「「「「お誕生日おめでと~」」」」」

ドンドン!パンパン!

とクラッカーの弾ける音と共に八神組全員に祝われる力。

「え?皆どうしたの?」

「どうしたって・・・今日はあんたの誕生日やろうが!!」

「あ!すっかり忘れてた」

ここの所騒動やら何やらで自分の誕生日をすっかり忘れてした力。

「いやぁ・・・俺の誕生日なんて祝ってくれるような酔狂な人がいるとは・・・」

「いつもバッドなイベントしかやってないから!たまにはグッドなイベントやろうよ!」

そうはやてに言われると光太郎が特製のケーキを持って現れ畢がパーティ料理を持って現れた。

「はいどうぞ!」

「おお!流石兄さん!・・・それに流石畢・・・俺丸焼きなんて初めて見たよ」

「さ!ロウソク消して!」

「ようしすぅぅぅぅぅ・・・ふう!!」

光太郎に言われ全員が見守る中ロウソクの火を一気に消す力。

そしてプレゼント贈呈の瞬間が訪れはやてが作ったバットを取り出した。

「はい力君!誕生日おめでとう~」

といって超貫禄のあるバットを渡すはやて。

聖霊の力が宿っているのか普通の人間にな見えない静かなオーラを放っていた。

「これは・・・」

「ウチが作ったんや!蒼獅子島の霊樹で作ったありがた~いバットやで」

「うわ!すげえ嬉しい!ありがとうな!はやて!!」

取りあえず霊樹のバットを持ってみた力。

「すげえ・・・物凄くしっくりくる」

何故か知らないが物凄く手に馴染んで自分にピッタリなバットであった。そして何故か知らないが精霊の力が宿ってそうなバットだった。

「おいパーティはこれからだぜ!」

力とはやてに発破をかけるサイモン。

こうして八神組のどんちゃん騒ぎが夜まで続き幕を閉じるのであった。

余談だがはやての送ったバットのせいなのか力の打率が上がったらしい。
 
 

 
後書き


今回登場した蒼獅子島っていったいどこのことか?南流喧嘩殺法を体得するべく旅立つ飛鳥。そうだな・・・喧嘩殺法ならあの人かな?

次回!勇者指令ダグオンA’s どっこい 飛鳥!南流喧嘩殺法習得!?

よろしくな・・・じっちゃん
 
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