恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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234部分:第二十話 公孫賛、気付かれないのことその十
第二十話 公孫賛、気付かれないのことその十
「次から次に有り得ないトラブルが起こって」
「大変なんですよね、フォローが」
「貴女達が言うことでして?」
二人の言葉にさらにむっとした顔になる袁紹だった。
「全く。あの主からも逃げられたしよかったではないでして?」
「そうね、丘にあがったら全身濡れ鼠でね」
「震えながら都に帰って」
「それで笑いものにされましたね」
また夏侯惇と夏侯淵が話す。
「母上達には怒られましたし」
「その他にもそんなことばかりでしたし」
「麗羽様ですから」
「そんなことでいちいちめげてたらどうしようもないからな」
顔良と文醜も話す。
「オチが極めつけになりますよ」
「絶対最後に来るからな」
「それで麗羽様は無傷だし」
「運はかなりいいから」
田豊と沮授も容赦がない。
「その運だけは凄いのよね」
「自分の興味のないことには全く駄目なのに」
「そのまま大きくなるなんて思いも寄らなかったわよ」
曹操がまた言った。
「その貴女と付き合う私も私だと思うけれど」
「ううむ、不思議な関係だな」
「全くなのだ」
関羽と張飛はそんな彼女達を見ながら言う。
「曹操殿達は」
「とりあえず喧嘩はないみたいなのだ」
「喧嘩ねえ」
曹操は張飛の今の言葉に腕を組ながら応えた。
「喧嘩も何度もしたわね」
「ええ、本当に」
袁紹もそれに応える。
「その度に何か色々あったし」
「何か雷が落ちたり火事があったりして」
「御二人が喧嘩をされるとな」
「常に異常事態となったな」
夏侯惇と夏侯淵の言葉はしみじみとしたものだった。
「不思議なことにな」
「あれは何故だったかな」
「けれど仲は悪くないんですよね」
劉備はこのことはしっかりと確かめた。
「それは」
「まあ腐れ縁ね」
「そうですわね」
口ではこう言う二人だった。
「何だかんだで今も一緒に戦うしね」
「頼りにはさせてもらいますわ」
「はい、是非仲良く」
劉備はにこにこととしている。
「美味しい御馳走を食べてそれから」
「そうだな。烏丸を討伐しましょう」
「是非になのだ」
関羽と張飛も言った。そんな楽しい宴だった。
そしてその宴の後でだ。新たな者達がやって来ていた。
「火月に蒼月」
「はい、それに後三人の方が」
「来てますよ」
顔良と文醜が天幕の中で袁紹に話していた。
「天童凱、パヤック=シビタック、イワン=ソコロフ」
「その三人が」
「またあちらの世界から来ましたのね」
袁紹は二人の話からすぐに察した。
「それなら」
「はい、こちらに案内しますので」
「御会いになってですね」
「また迎え入れますわ」
既に彼等を迎え入れることは決めていたのだ。
「それでは」
「はい、こっちですよ」
「入ってくれよ」
顔良と文醜が天幕の扉を開けてそのうえで招き入れるとだった。燃え上がる様な赤い髪の毛に紅蓮を思わせる忍者の服、それといきり立つ顔の男がまず来た。
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