Blue Sea 『空と海の境界線』
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Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
放たれた矢
Mission10「イヤな予感」
前書き
ここからシリアス展開
(作中に何度か響という表記がありますが、提督の事なのでご注意を)
私は今、あの2人を探している。
自分にとっては、わからない土地を飛んでいるだけだが。
あのとき探そうとして制止された。だが、私は振り切った。嫌な胸騒ぎがする。
それを理由にしてきた。
だが、妙すぎた。私には理解できない…
目の前には何匹かの異型の生物が確認できる。
私はそれらに、持ってきたMG42を叩きこむ。
そして、沈んでいくのを見ていく。
この妙な胸騒ぎが理解できない。誰か理由を教えてくれ…
ああ…さらにうじょうじょよってきて、対空攻撃をしてくる。
とっさの判断で私は幸いにも知らない街に逃げ、難を逃れた。
だが…機体を下す場所が見当たらない。それだけだ。
一方、響たちは…
「まもなく着きます」
キャロルが寝ていた熊野とセレンを起こす。セレンは半分嫌がってたが。
「もう夜明けか…何事もなくてよかった」
自分はそっとつぶやく。しかし、その言葉は強制的に前言撤回となった。
《方位180より、所属不明のウィッチが接近中。距離4000》
「交信を試みてください」
《了解…こちらサンド島泊地直属特殊航空隊所属のサーニャ・V・リトヴャク。そちらの所属を明らかにせよ》
…反応がない。
サーニャは周波数を変えて試す。
《…説明しろ。なぜその部隊に所属している》
《明確な理由はある。今ここで説明するのはちょっと危険だけれど》
此方と同じ周波数に変えてあるのか、会話が流れてくる。
《なぜここまで都市が進化している。1945年の5月ごろではないのか》
《今は2008年7月11日。》
《つまり…ここは別の世界という事か》
通信している少女が把握する。まあサーニャ達のいた世界は別の世界だ。
「その通りです。なぜ1945年ごろの話が出てくるのでしょうか」
《誰だ?》
「申し遅れました。輸送機に乗っているキャロル・ドーリーと申します。お見知りおきを」
《まだ私のことを知らない人もいるんだな…着陸し次第自己紹介をしよう。それでいいか?》
《それでイインジャナイカ?》
また面倒なことが増えた、とセレンは深くため息をした。
輸送機がオーレッドにある鎮守府の滑走路へと降りていく。
2人は先に降りているが、例の少女は輸送機から少し距離を取って着陸する。
《滑走路が長い。もっと短くないのか?》
「現代のジェット機体であなたの世界みたいに短くすれば離着陸できません」
《そうか…仕方ない》
その少女はしぶしぶ納得したように輸送機の後に続いて着陸した。
機体がハンガーの中に入ると、輸送物と艤装が何故か自動で下され、2人のストライカーは例のカタパルトに、もう1人の少女のストライカーは何故か寝かせられていた。
「なぜ寝かせておく」
「カタパルトがまだ2つしかないので、仕方ないのです」
「そうか…」
その少女はカタパルトの件を聞くとしぶしぶ納得した模様らしい。
「さて、自己紹介がまだだったな。エイラとサーニャは知っていると思うが…
私はゲルトルート・バルクホルン。カールスラント空軍大尉。第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」所属。よろしく頼む…と言いたいところだが、この世界にカールスラントはあるのか?」
バルクホルンの質問にサーニャが答える。
「いえ、この世界にはカールスラント、ましてや元の世界にあった国は存在しません」
その回答にバルクホルンは愕然とするしかなかった。
「そうか…現在何年何月何日だ」
「2008年7月11日だ」
「………まるっきり雰囲気が違うな」
セレンの解答に圧迫されたバルクホルンであった。
「さて…ここからセントアークまでか…」
セレンはそういいながら滑走路のすぐ近くの海を眺める。
「まさかここでやるつもりですか?」
「当然だ」
セレンはそう答えると、その近くの海まで突っ走ろうとする。
「セレンさん…危険なのに、よくやりますね」
サーニャはそっとつぶやく。
「なんでダ?」
エイラは疑問符を浮かべる。おそらく知らないのだろう。
「彼女が持つ魔法…といいますか」
キャロルはそう答えると、セレンの方を見る。
一方セレンは…
「ここなら、大丈夫か…」
息を整えると、そっと手を前にかざす。
移転前と移転後、それぞれを意識し、ここへと展開する。
「…艦隊、空間移転を行え」
そうつぶやくと、水飛沫を上げ目の前には照月、そして熊野の船体が姿を現していた。
「…乗るぞ、3人は離陸しろ。すぐにセントアークまで向かう」
「急過ぎませんか?まだ自己紹介が終わっていないというのに」
自己紹介は向かっているときに通信してやればいいだろ…と思い、私は無言で照月の船体に乗った。
なお響たちは…
「…自己紹介は後にしないと、またしばかれそうだな…とりあえず、離陸してほしい。バルクホルンさんについてはいろいろ工夫して飛ばせるようにするから、とりあえず出発する方が先」
「しょうがナイナァ…」
自分と熊野、照月とキャロルは艦隊の方へ、サーニャ達3人は離陸準備に取り掛かろうとする。
「おい」
しかしバルクホルンがこちらに向いて声をかけてくる。
「そういえばセレン?っていう人だが、あの人
数少ない空間転移魔法持ちなのか?」
「ごめん…わからない」
「仕方ない…いろいろなことは出発してから話そう。早く行った方がいいぞ」
バルクホルンはそう言って格納庫の中へ再び入って行った。
ここの滑走路は2本あるが、並列にならんでいる分距離が長い。
ただ、自分の体力なのか平気でたどり着けた。
「遅い」
「仕方ない」
セレンに怒られるが速攻でいい返して、照月が展開する階段を上る。
「さて…3人の離陸し次第、此方も抜錨する。セントアークは遠いからな…しばらくはかかると思ってもらいたい。」
「ウィッチの休憩などはどうするんだ?」
「今回セントアークに向かう艦隊がもう1つ存在する。その艦隊にいる空母「翔鶴」を使わせてもらう事になっている。」
それはわかった、だがそれを知っているのかを聞いた。
「で、それは伝えたのか?」
「キャロルが伝えておいてあるとのことだ。心配することではない。」
セレンは時折真面目になる、というよりキャロル相手ではかなり真面目に対応する。勿論自分に対しては真面目にはならないが
《間もなくサーニャ達が離陸します。抜錨を》
キャロルが促す。促さない理由がないだろうし、当たり前だとは思っていた。
「これより、本艦隊はセントアークまでオーシア鎮守府派遣艦隊とともに行動する。
…抜錨。出撃」
近くでサーニャ達が離陸する。その瞬間に2隻の錨が抜かれ、艦隊は前進を始めた。
《こちらバルクホルン。あの2人の機体が速い。どういうことだ?》
「それは試作型のジェットストライカーです。貴方のは設計図をノースポイントに送ってありますので、セントアークについた際機体を渡せたら渡します」
《それはわかったが…どうやって追いつけばいい?》
「機体の性能差は仕方ないので…オーシア鎮守府派遣艦隊の直轄に入ってもらいます。しばらくはそれで」
《了解だ》
バルクホルンからの質問に答え、納得した彼女はオーシア鎮守府の出撃ドッグに向かうのを肉眼で見送り、艦隊は複縦陣(といっても2隻で並んでるだけだが)でセントアークへ向け進み始めた。
まるで、戦場の海を渡り歩くように。
後書き
Day After Day聞いてた(途中から)
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