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真田十勇士

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巻ノ八十七 佐々木小次郎その九

「そうした戦だからな」
「だからか」
「多くの敵を倒す為に」
「気も鎌ィ足も使う」
「そういうことか」
「その通りじゃ、これまでもそうであったが」
 確かにその通りだ、根津の剣術は前から気や鎌ィ足を使うものだった。そうして戦の場で戦ってきたのである。 
 しかしだ、これからはというのだ。
「これまで以上にな」
「そうするのか」
「気をよく使い」
「鎌ィ足もか」
「それも使うのか」
「そうじゃ、気もこれまでより出しやすくなった」
 練ってそしてというのだ。
「鎌ィ足もな」
「それだけ力が上がった」
「剣術家としてじゃな」
「それ故に出来る様になった」
「そうのじゃな」
「その通りじゃ、剣術の修練を続けてな」
 宮本と稽古もしてというのだ。
「それが出来る様になった」
「成程のう、それでか」
「それでそうなったか」
「だからか」
「前よりも強くなった」
「そういうことか」
「そうじゃ、そしてじゃ」
 根津は義兄弟達にさらに言った。
「御主達もじゃ」
「うむ、天下の豪傑達とそれぞれ会い」
「殿と共にな」
「己の技を磨き」
「さらに強くなり」
「時が来た時に備える」
「そして時が来れば」
 まさにとだ、十勇士達もそれぞれ言った。
「戦うということじゃな」
「その力を以て」
「殿と共に働く」
「そうするのじゃな」
「そうじゃ、戦うぞ」
 まさにというのだ、根津はまた義兄弟達に言った。
「共にな」
「そうじゃな、では次に誰が行くか」
「それはわからぬが」
「行ったその時はな」
「さらに強くなるか」
「今以上に」
「そうなろうぞ、そして間違ってもな」
 それこそとだ、根津は他の十勇士達にこうも言ったのだった。
「途中で死ぬでないぞ」
「死ぬ時は共に」
「殿と共にじゃな」
「我等十人共」
「そう誓い合ったからな」
「その通りじゃ、だから何があっても死ぬな」
 それこそというのだ。 
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