オズのアン王女
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第十二幕その十三
「お土産だけれど」
「それはといいますと」
「これよ」
皆にアップルパイを出すのでした。
「実はグリンダさんにも同じものを渡したの」
「そうだったんですか」
「ええ、実はね」
大尉にお話します。
「そうしていたの」
「そして私達にもですね」
「ええ、お土産よ」
「わかりました、それでは有り難くお受けします」
「とはいっても大尉とチクタクは食べないから」
アップルパイだけでなく他の全ての食べものをです。
「だから身体に差す油をプレゼントするわ」
「おお、有り難うございます」
「感謝ーーします」
大尉だけでなくチクタクも応えます。
「それではーーです」
「使わせて頂きます」
「そうしてね、そしてまたこの国に来た時は」
その時のこともです、アンはお話するのでした。
「今回みたいに一緒に楽しみましょう」
「うん、その時のことを楽しみにしながらね」
今度はトトが応えました。
「今は笑顔でお別れしようね」
「人は再会の時まで最後に見たその人の表情を覚えているから」
だからと言うドロシーでした。
「皆笑顔でね」
「お別れしましょう」
「また会いましょう」
ドロシーはアンににこりと笑って別れの挨拶をしました。
「その時を楽しみに」
「ええ、お互いにね」
「ではまた」
「またお会いしましょう」
「またこの国にお邪魔します」
「その時を楽しみにして」
「今はさようならです」
ジョージと神宝とカルロス、それにナターシャと恵梨香もアンに別れの挨拶をしました。そしてそのうえでなのでした。
笑顔で、です。アンに頭を下げました。そしてドロシーとアンが抱き合ってです。
皆はアンと別れてお互いに手を振り合ってエメラルドの都に戻るのでした。今回の楽しい冒険と出来事のことを胸に抱いたまま。
オズのアン=アンヤコレヤ 完
2016・11・11
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