オズのアン王女
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第十一幕その十
「証明してみせてこそ」
「民もわかる、そしてこうしたことは王の務めだ」
「ご自身で証明することは」
「そうだ、だから食べてみよう」
林檎と卵をです。
「そうしよう、我々のアレルギーは食べた瞬間に出る」
「まさにですね」
「その瞬間にだ」
「そうだ、だからだ」
それでというのです。
「今日のお昼にでもそうするか」
「ではこの林檎は取ってね、種はお昼に効果が証明されたうえで撒いて」
「そしてだな」
「増やしましょう」
効果があるのかどうかがはっきりしてからというのです。
「そうしましょう」
「それがいいわね」
グリンダもアンの提案に同意して頷きました。
「ではまずはね」
「お昼に食べて」
「それから見極めましょう」
「それではな」
カリフ王も笑顔で応えました。
「お昼にこの林檎と卵を食べるとしよう」
「それじゃあ」
アンは林檎に手を伸ばしてでした、そのうえで。
林檎を摘み取りました、そうして自分の手の中の林檎を見てにこりと笑いました。
「まさにオズの国の林檎ね」
「オズの国のそれぞれの色が入った」
「そうした林檎ね」
ジョージにも応えて言います。
「まさに」
「そうですよね」
「外の世界にはないわよね」
「林檎は赤か緑ですね」
「その二色しかないわね」
「二系統の色です」
赤か緑だというのです、林檎は。
「やっぱり」
「そうね、けれどね」
「オズの国ではですね」
「黄金の林檎もあればね」
「それぞれのお国のそれぞれの色の林檎もあって」
「こうした林檎も出来るのよ」
「不思議の国だから」
まさにそれが為にです。
「あるんですね」
「そうなるわ」
「こうしたことでも不思議の国ですね」
「本当にそうよね」
「はい」
ジョージはアンに笑顔で応えました、そして。
皆で林檎を手にして王宮に戻ってお昼を食べることにしましたが。ジョージはふとグリンダにこのことを尋ねました。
「さっきのお話ですが」
「大佐のことね」
「休ませることがって」
「コツがあるって言ったわね」
「はい、それは」
「動物よ」
「動物?」
「実はこの娘はね」
自分のすぐ後ろで警護をしてくれている大佐を手で指し示してです、グリンダはジョージにお話しました。
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