レーヴァティン
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第四話 村で聞くことその十一
「今日みたいに」
「騒ぐこともない」
「倒していくだけで」
「金を稼ぐだけだ」
やはりそうしたことに過ぎないというのだ。
「倒せばな」
「そうか、じゃあな」
「このまま神殿まで行くぞ」
「そうしていくか」
「そしてだ」
「そして?」
「食ったら休むとしよう」
そして飲めばだ。
「いいな」
「ああ、ぐっすり休んでな」
「また出発だ」
「そうなるな」
「そしてだな」
「神殿を目指す」
さしあたっての目的地であるそこにというのだ。
「いいな」
「明日辺り着くか?」
「そうかもな」
「地図じゃそんなに遠くない感じだったけれどな」
「地図は地図だ」
「実際の距離じゃないか」
「目で見るのと足で歩くのでは違う」
地図ではどう書かれていてもというのだ、英雄の言葉はシビアだった。
「俺達は今は歩いている」
「見るんじゃなくてか」
「歩けばこうした距離だということだ」
「そう思うとこの島は広いんだな」
「その様だな」
「大陸位あるか?」
久志はこうも思った。
「ひょっとして」
「そうかもな」
「大陸か」
「どれ位あるかもわからないが」
「その辺りも聞いておくべきだったか」
「そう思う」
「まあ今更言っても仕方ないけれどな」
久志は茶も飲みつつ言った、そこには諦めるものがあった。
「地図貰っただけでもましか」
「それだけでも全く違う」
「そうだよな、地図があるとないとじゃな」
「旅は違う」
「道がわからないとどうしようもないからな」
「とりあえずこの道を一直線に進めばいいことは確かだ」
地図によると、とだ。英雄は久志に冷静に述べた。
「それならだ」
「このまま進んで行けばいいか」
「そうなる、では行くぞ」
「ああ、このままな」
「そうしていけばいい」
例え何日かかろうともとだ、英雄は言葉の色を変えなかった。
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