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マイ「艦これ」(みほちん)

作者:白飛騨
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第47話<暴走と奇襲と>

 
前書き
赤城さんに引き続き夕張さんと出会う司令たち。しかし工廠を出た後で追い討ちをかけるような奇襲再び……
 

 
「赤城さんが来られたので、えっと……」

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マイ「艦これ」「みほちん」
:47話<暴走と奇襲と>(改1.2)
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 でも幸い祥高さんのカットインが入るより先に赤城さんは直ぐに元に戻った。

「す、済みません!」
 ハッとしたような彼女は直ぐに謝罪した。

 ハンケチで涙を拭う赤城さん。
「美保司令とお会いするのは本当に久しぶりで……つい」

 顔にかかった黒髪を片手で払うと頭を下げた彼女。
「皆さん大変、失礼致しました」

 再び顔を上げたときには、もう笑顔になっていた。艦娘ながら赤城さんは大人だ。

 そして彼女の場合、その長い黒髪が顔に、どんなに被っても山城さんみたいに鬼気迫ることがない。爽やかなままだ……なぜ?

 私なりに考えると、こうだ。
1)侍のように独りで敵に立ち向かう戦艦 = 一途であり突撃力がものを言う。
 例、山城さん。
2)艦載機の気配りをしながら並列的に作戦指揮をして戦う空母 = 切り替えが早く細やか。
 例、赤城さん。

 ……という違いなのだろうか? 正直なところ、まったく分からないが。

 ふと見ると
1)扇子で扇ぎながらニヤニヤしている呉。
2)口を開けて半分呆けている神戸。
3)腕を組んで難しい顔の舞鶴。

 もはや何とも言えない。

「どしたの? なにごと?」
 作業中だった艦娘が溶接マスクを外して不思議そうな顔で見上げる。

「あ、司令、それに皆さん。あぁ、こんな格好で失礼します!」
 私たちに気付いた彼女は直ぐにバーナーを止めると溶接手袋を外して立ち上がった。
そして私たちの前で、きちんと姿勢を正すと軽く敬礼をした。

「申し遅れました。工廠で作業をしている夕張と申します」
「そうか君が噂に聞く夕張さんか」
「はぁい!」
何となく独特な子だな。誰? 後ろの方でメロンとか言っているのは!

「それは赤城さんの依頼か?」
私が質問すると彼女は作業台を振り返りつつ言った。

「ああ、これですか? そうです」

 それを受けて赤城さんが応える。
「はい。今回は撃墜された機体は無かったのですが久しぶりに急降下爆撃と海面ギリギリの飛行をした際に被弾した子が居たもので修理と合わせて爆装に改良を施していました」

 腕を組んでいた夕張さんが、ここぞとばかりに口を開いた。
「えっとですね、これは私が以前から提案していたものですが、なかなか軽空母の皆さんでは急降下爆撃機を運用する子が少なくてですね。えっと私のアイデアを使う機会が無かったのですが今回、幸いなことに赤城さんが来られたので、えっと……」

 そこまで一気にまくし立てた夕張さんに祥高さんが片手を上げてストップをかけた。夕張さんはそこで説明を中断した。

 祥高さんは微笑んで言った。
「詳細は後で聞きますから」

 別に彼女は怒っては居ないのだが暗に『空気を読め』という無言の圧力を感じた。

「はい……」
 少しだけ上目遣いで祥高さんを見上げるようにした夕張さん。隣の赤城さんも苦笑している。

「では皆さん外へ出ましょうか」
 祥高さんの案内で私たちは建物の反対側の出口から外へ出た。

 溶接の熱気に帯びた薄暗い工廠から外に出ると海風が当たった。初夏のまだ高い日差しですら心地良かった。参謀たちも各々ホッとしたようだ。
1)神戸は伸びをしている。
2)呉は制服の前を少し開いて扇子で顔を扇いでいる。
3)舞鶴もハンケチで汗を拭いている。

 私もコリコリと首を回しながら歩き出していた。
 でもふと何気なく振り向いてギョッ! とした。赤城さんが工廠の外まで出てきていたのだ。その長い髪が美保湾の風になびいている。

 見送り? ……まさか。
それだけでも珍しいのに……うわっ、止めて下さいって! ニコニコしながら小さく手を振るのは!
 別に今生の別れとか特攻作戦に出撃するんじゃないんだからさ。

 恥ずかしい!(お互いに)

 工廠の窓からは夕張が珍しそうに見ている……おい! お前、作業は終わったのか? 野次馬め……冷や汗が出そうだ。

 このとき私は思い出した。さっきの夕張さん以上に赤城さんは『空気を読まない』艦娘の筆頭だった……。あぁ、苦笑。
 
 ふと横を見ると案の定、ニヤニヤした呉が口を開いた。
「さっすが司令官殿! ……女性の指揮も、なかなか手馴れたもンやなぁ」
「いや……」(違うんだって!)

 すると神戸が追い討ちをかける。
僭越(せんえつ)ながら司令が当地に着任された意味が分かる気がしました」
「お……」(おい、お前まで!)

 しかし舞鶴は相変わらず硬い表情だ。……と思ったら一言。
「なるほど」(な、何がナルホド?)

 思わず制帽を取って汗を拭く私。
 でも表情を変えないのは案内する祥高さんも同じだった。彼女は赤城さんには目もくれずに淡々と進める。
「次は入渠(にゅうきょ)設備です。ドックと呼ばれることもあります」

 冷静な祥高さんが示したその建物は南埠頭の先。海に面した場所に建つ煙突のある建物だった。

「えっと……入渠?」
 私は照れ隠しのように言った。少しホッとした。
 
 

 
後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
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PS:「みほちん」とは「美保鎮守府」の略称です。  
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