マイ「艦これ」(みほちん)
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第39話(改1.4)<長い一日(中)>
前書き
美保司令は将校の意外な面を発見するのだった。
「もともと陸攻など」
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マイ「艦これ」「みほちん」
:39話(改1.4)<長い一日(中)>
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小休憩になると大淀さんも会議に合流した。
「副司補佐官、大淀と申します。よろしくお願い致します」
全体の前で敬礼をする大淀さん。
私の隣に座った彼女に聞いた。
「君も?」
「はい。今後の作戦も有りますので」
会議には指令室に出入りする者は原則参加させるようだ。
「でも寛代ちゃんは対象外です」
私の反対側に居る祥高さんが苦笑する。
「仕方ないな」
あの駆逐艦の艦娘は、どことなく精神年齢も幼そうに感じるから外したのだろうか?
やがて青年将校は前に立つと少し高い声で語り始めた。その口調はキビキビとして鋭い。
(いわゆる『カミソリ』って奴か)
そう思いつつ壁の時計を見ると 10:45を過ぎていた。
「知っての通り深海棲艦は未だに得体が知れない。我々が何年も戦い続けながら今なお謎の多い存在だ」
私はボンヤリと昨夜の深海棲艦のことを連想していた。今までも何度も敵を見たことはあったが、ああいった種類は初めてだった。
「我々が考える以上に敵は知的である」
「それは分かりますな」
呉が相槌を入れる。
「そうですね」
慌てたように同意する神戸。
「ウム」
将校も頷く。
彼らの会話を聞きながら私は、昨夜の深海棲艦の不気味な笑みを思い出していた。
(あいつは人間臭かった)
そう思った瞬間、鳥肌が立つ。眠気がふっ飛ぶ。
青年将校は腕を組んで続ける。
「連中は我々の動向……作戦計画に至るまで把握していた節がある」
皆は(まさか?)と言う表情をした。
だが舞鶴は無言だった。
「……」
無表情で存在感が無い。そこは昔と変わらないな。
将校は私の方を向いた。
「まず奴らは事前に、この美保鎮守府へ新しい提督が着任することを知っていたようだが」
そう言うなり、いきなり私を指差した。
「それは、お前が一番良く分かっているはずだが?」
「ハッ」
反射的に私はイスをガタッっと言わせて起立した。
「えっと確かに着任当日、自分が列車で移動中に敵に襲われました」
彼は私に座れという仕草をしながら続けた。
「従って私が今回この地に来ることも敵は把握すると予測して意図的に違う情報を流した」
「なるほど、あの電報は作戦だったのか」
私は思わず反応した。そういえば青葉さんも気になるとか言ってたな。
時計は 10:55を指していた。将校は続ける。
「実は今回の作戦については部内でも一部、反対があった」
「作戦」
大淀さんが呟く。
「特攻ね」
これは祥高さん。二人の艦娘にとっても、あの『作戦』は印象的だったらしい。
私は祥高さんの言葉を受けて、やや反論気味に将校に言った。
「わざわざ陸攻を囮に使って落とすのは、やり過ぎではないかと思いますが」
気分を害するかと思ったが彼は意外にも私の言葉に頷いて言った。
「そうだな。もともと陸攻など通常兵器は役に立たないのは重々承知していた」
「なるほど」
「やはり」
相槌を入れる呉と神戸。調子が良いな。
会議室を見回した将校は少し肩をすくめて吐き出すように言った。
「あれはダメ押し的な作戦だ。未だに艦娘に懐疑的な連中が軍令部内にも居てな。操縦士には無理をさせたが一種の『見せしめ』だ」
「見せしめ?」
その言葉に私は意外な印象を受けた。彼は冷静かと思ったが時には思い切った作戦も実行するようだ。
併せて将校の『懐疑的な連中』という台詞が気になった。思想的に彼は艦娘寄りなのだろうか?
彼は腕を後ろに組んだまま皆の前で行ったり来たりし始めた。いかにも神経質な印象だ。
ふと立ち止まった将校は続ける。
「海軍だけではない。我々に比べれば敵と対峙する機会の少ない陸軍や空軍でも力不足なことは、よく分かっているはずだ」
「ウン、そうですな」
呉は反応が良い。私もそれには異論はない。その場に居る参謀たちも頷いている。
「陸軍か」
私はボンヤリと、お台場の破壊された高射砲を思い出した。
窓際に立った将校は少し間を置いてから振り返った。逆光気味でメガネがギラギラと乱反射して眩しい。
そういえば昼も近くなって日差しも強まっている。見ると窓の外の日本海には白い入道雲が出てセミが鳴いていた。
以下魔除け
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後書き
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほちん」とは
「美保鎮守府:第一部」の略称です。
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