転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
ガンダムW
1660話
「何だか、こうやって宇宙を旅するのも慣れてきたな」
「そうか? あたしは宇宙に出るのは初めてだから、まだそこまで慣れるって訳じゃないけど」
月の裏側に向かっている宇宙船の中で、俺は綾子と言葉を交わしていた。
今回月の裏側にあるピースミリオンを取りに行くシャドウミラーのメンバーは、俺と綾子の2人だけだ。
それと連合軍からはいつものようにサリィがやってきている。
五飛とデュオの2人は、ハワードが加わった事によりいつガンダムの改修が開始されるか分からないので、そっちに専念して貰う事にした。
また、恐らくないだろうが、OZがD-120コロニーに攻めてくる可能性も皆無ではない。
OZはバルジの件でかなり混乱しているのだが、だからこそ何かをとち狂って連合軍に攻撃を……なんて思うような奴が出てこないとも限らないのだ。
凛はシャドウミラーの事務処理をする必要があり、ヒルデはそんな凛の助手という立場だ。
結果として、現在動けるのは俺と綾子の2人のみとなってしまう。
勿論俺達以外にもこの宇宙船を動かしている連合軍の軍人、ピースミリオンを動かすハワードの部下、トールギスとトーラスを整備する為のシャドウミラー付きの整備員が半分……といった具合にこっちに乗っている。それとサリィも。
セプテムとの交渉の結果こういう事になったのだが、結果としてよかったな。
当然のように、以前使ったような巨大な戦艦ではない。
MSを数機積めば、それで格納庫にあまり余裕がなくなるような、そんな艦だ。
それでいてある程度の生活空間は確保出来ているんだから、恐らくかなり古い設計の艦なんだろう。
それこそ、まだMS全盛の前に使われていたとか、そんな感じの。
それでもセプテムが何とか捻出してくれた艦だけに、こちらとしては文句も言えない。 いや、寧ろありがたいと、そう思ってしまう。
バルジの件、OZへの対処、バートン財団の捜索……それ以外にも様々な理由があり、今の連合軍はとてもではないが余裕がある訳ではない。
そんな中で、こうして頼んだ翌日にはすぐに月の裏側まで行ける軍艦を用意してくれるのだから、セプテムがどれだけ俺達に対して期待しているのかが分かる。
……もっとも、その分ピースミリオンを持ってくれば予想以上に働かされる事になるんだろう。
ちなみにピースミリオンについては、前もって話を通しておいたのでシャドウミラーが使う軍艦としては問題ない。
元々はセプテムの何代か前の将軍が建設させた艦だけに、ここできちんと話を通しておかないと後々面倒な事になりかねない。
いや、話を通してあっても、実際にピースミリオンを見ればそれを欲して馬鹿な企みをする奴がいないとも限らないが。
ただ、ピースミリオンは連合軍のような大規模組織だと寧ろ使いにくいと思うんだけどな。
一応ピースミリオン級という名前が付いているのだから、同じ規格の軍艦であれば部品の共用とかも出来るかもしれないが、俺が知ってる限り……そして連合軍のデータを覗いてみた限りでは、他にピースミリオン級は存在しない。
更にピースミリオンの大きさを考えると、コロニーの中に収納して補給や整備といった真似も出来ない。
ましてやステルスは多少なりとも……いや、W世界の認識ではかなり備わっているが、武器はビーム砲程度しかなく……使い勝手に困る戦艦なのは間違いない。
ピースミリオンを有効に運用するには、それこそシャドウミラーや原作のGチームのように、強力なMSの母艦としての運用だろうし。
「アクセル、ピースミリオンがこれからシャドウミラーの本拠地という扱いになるのよね?」
「そうだな。少なくても宇宙にいる間はそうなる。シェンロンガンダムとデスサイズの改修とか、ウイングゼロの建造とか、これからの手間を考えるとピースミリオンを本拠地にするのが最善だ。連合軍の基地だと、盗撮とか盗聴とか、そっちの心配もしないといけないし」
一応ハワード達が仕事をしている部屋や、俺、凛、綾子の部屋はスライムを使って盗聴器や隠しカメラの類がないというのは確認している。
だが、それも絶対ではない。
もしかしたら、こっちが思いもつかない方法で何か行動に出る可能性は皆無ではないのだ。
それに、盗聴とかの心配をしないとかそういう問題の前に、やっぱり他の組織に住処を借りているというのは色々と不味い。
……まぁ、地球ではそれが普通だったから、今更かもしれないが。
「それは分かったわ。けど……じゃあ、地球に行く時はどうするの? 宇宙での活動は今だけなんでしょ? そもそも、戦乱という意味だと宇宙よりも地球の方が忙しいし」
「あー……そう言われればそうなんだよな」
宇宙は俺がバルジを盗んだ件で、OZの勢力が一気に低下している。
バートン財団もいるが、こっちは本拠地から逃げ出してOZよりも更に勢力が小さい。
……その上、俺が宇宙を膠着状態にする為にバルジを表に出したしな。
そんな宇宙とは違い、地球ではまだOZが十分な勢力を持っているし、中東連合なる組織も作られているらしい。
つまり、現在の連合軍の中で最精鋭と呼ぶべき俺達シャドウミラーは、近い内に地球に下ろされる可能性もある。
まぁ、バルジの件もあって、全く未知の勢力が宇宙にいる事が判明した以上、そっちを警戒してシャドウミラーを宇宙に残すという選択肢を取る可能性もあるが。
「……いや、寧ろ宇宙を俺達に任せて、地上を連合軍の方でどうにかする可能性が高いか?」
「そうなの? 何でまた?」
俺の呟きに、綾子が反応する。
「いや、ピースミリオンが俺達の本拠地になるって話だけど、意外と俺達は地上に戻らないで宇宙にいる事になるかもしれないと思ってな」
「……地球の方が忙しいんじゃないの?」
「ああ。けど、バルジの件があるだろ?」
そう言ってから、一度綾子に目配せをしてから再び口を開く。
スライムで調べてない以上、もしかしたらここに盗聴器やら何やらが仕掛けられている可能性は否定出来ない為だ。
「バルジが現れたのは、OZの勢力圏にあるコロニーの近くだった。当然そうなればOZはバルジを調べて、そこに未知の勢力がいるのを確認した筈だ。そしてMDで対処しようとして……負けた。つまり、バルジを占拠している未知の勢力はMDを倒すだけの実力を持っている事になる」
俺の言いたい事が分かったのだろう。綾子はすぐに納得したように頷く。
「そうか。つまり、バルジが連合軍の勢力圏内に再び現れても、MDを主戦力とした連合軍では対抗出来ない……」
「そうなる。で、都合良く連合軍には俺達シャドウミラーのように、MDを相手にしないだけの実力を持っている者もいる訳だ。それに比べると、地上にいる戦力は全てが普通のMSかMD。その上、連合軍は綾子のトーラスを地上でも使用可能にした時のノウハウが残っている。……だとすれば、宇宙戦用MSのトーラスを地上用に改修するのも、難しい事じゃない筈だ」
まぁ、宇宙での戦闘を前提にしているトーラスのMDシステムを上手く地上用に変更出来るか……というのは、また別の話だが。
それこそ、MDを開発したツバロフがいればその辺はどうにでも出来るかもしれないが、残念ながらツバロフはOZの人間だ。
それこそ、誘拐するなり、引き抜くなりする必要はある。
……ただ、ツバロフはOZでもかなり古株の研究員だ。
トラゴスを開発したのがツバロフなのだから、ツバロフがどれだけOZに対して恩を感じているのか……
いや、ツバロフの性格からして、恩はないか。
だがそれでも、MDに執着しているツバロフにとって、技術力が高く研究費用を幾らでも融通してくれるOZというのは、間違いなくピッタリの場所だろう。
そんなツバロフが連合軍に引き抜かれるかと言えば、余程の事がない限り無駄だ。
「じゃあ、もう暫く私達は宇宙にいるって事?」
「そうなるな。俺としてはそれは歓迎なんだが、綾子は違うのか?」
「うーん……どうかしら。正直なところどっちもでいいというのが私の気持ちかな。アクセルが一緒にいればね」
「……そうか」
「あれ? もしかして照れてる?」
「さて、どうだろうな」
面白そうな笑みを浮かべ、綾子がそう告げてくる。
時々こうして何でもないかのように言ってくるよな。
いや、嬉しくない訳じゃないけど。
「それより、綾子はトーラスを使っていてどう思う?」
「……何よ、突然。いい機体だと思うわよ? もっとも、私はエアリーズとトーラスしか知らないから、何とも言えないけど。……ああ、一応リーオーにも少しは乗ったか」
「機体の反応速度……遅れてきてるんじゃないか?」
「それは……」
俺の言葉に、綾子は沈黙する。
元々、半サーヴァントである綾子の身体能力はこのW世界の人間とは比べものにならない程に高い。
そうなれば、当然エリートであっても結局は普通の人間が使うように設計されたMSは、どうしても綾子の身体能力に反応する事は出来ないのだ。
もっとも、それを言うなら五飛やデュオと比べても綾子の身体能力は圧倒的なので、ガンダムに乗っても反応が鈍いという事にもなりかねないんだが。
それでも量産型MSのトーラスと高性能機のガンダムでは性能は大きく違う。
……ただ、ガンダムのコックピットって完全にデュオや五飛に合わせた設計になってるんだよな。
つまり、大人が乗るには多少狭い。
この多少というのが、操縦する上ではパイロットに対して大きなストレスになる。
完全にコックピットに乗り込む事が出来ないのなら諦めもつくだろうが、少し無理をすれば問題なく入るのだ。
そして操縦すれば、機体の激しい挙動にコックピットの中で身体をぶつける事になる。
「トールギスの方に本格的に慣れておいた方がいいのかもしれないな」
「……まあ、トールギスを使わせてくれるんなら、あたしも嬉しいけど。アクセルはいいのか?」
「俺の場合、ウイングゼロがあるからな」
「ああ、ハワード達に開発させてるっていう……けど、すぐに出来るものじゃないんだし、何かあれば暫くはアクセルがトールギスに乗るんだろ?」
「そうなるな。けど……膠着状態が続けば、その何かが起きる可能性は遅くなる筈だ」
その膠着状態を続けるのが、俺な訳だが。
……ああ、そうだな。そろそろもう1度どこかにバルジを出しておいた方がいいか。
幸いというか、今の俺はこうして軍艦に乗ってピースミリオンが隠されている月の裏側まで移動中だ。
つまり、普通に考えればこれ以上ない程のアリバイがある。
「そうだな、そうするか」
「……また何か妙な事を考えたの?」
「別に妙な事って訳じゃないさ。ただ、ちょっと……な」
「アクセルの場合、そのちょっとっていうのが信用出来ないんじゃない」
ジト目を向けてくる綾子。
まぁ、今までの自分の行動を考えれば、それは否定出来ない事実でもある。
「そうか? まぁ……そうかもな」
「アクセルの事は心配してるんだからね。何があっても大丈夫だとは思うけど、それでも……」
そう言い、肩に頭をもたれさせて体重を預けてくる綾子。
その綾子の肩に手を置き、俺と綾子は2人だけの時間を過ごす。
過ごしていたのだが……それを邪魔するかのように、通信が着信した音が響き渡った。
「また、後でな」
「もう」
不満そうな表情を浮かべる綾子だったが、それでもここで通信に出ないという選択肢がないというのは、理解しているのだろう。大人しく俺から離れる。
離れていく温もりを惜しいと思いながら、通信機のスイッチを入れる。
すると映像モニタに映し出されたのは、この軍艦の艦長を任されている人物だった。
確か階級は中佐とかその辺だったと思う。
『お休みのところ、申し訳ありません。ですが、少し厄介な事態になりまして』
「どうした?」
『はい。実は、私達の進行方向に未知の勢力の存在が確認されました』
「OZか? バートン財団か?」
『分かりません。ですが、連合軍でない事は確実です。戦力はまだMSが発進してないので確実な事は分かりませんが、それでも軍艦が2隻いるのは確実です』
「2隻? ……少ないな」
この時代、軍艦というのは基本的にMS運用母艦的な意味を持つ艦が殆どだ。
以前俺達が乗ったような戦艦らしい戦艦もないではないが、それでもかなり数は少ない。
MS全盛期の影響なんだろう、多分。
『はい。今のところは向こうに見つかってはいませんが、このまま進めば間違いなく見つかります。どうしますか? 面倒を嫌うのであれば、遠回りをするという選択もありますが』
「いや、出る。OZやバートン財団なら、少しでも戦力は減らしておきたいからな」
『分かりました、すぐに用意させます』
そう告げ、通信が切れる。
「綾子」
「分かってる」
俺が最後まで言わずとも、綾子は頷いて立ち上がるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1125
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1327
ページ上へ戻る